万年筆向け基準用紙

先日のペンクリニックでは試筆用の紙として、ロディアを使っていました。

紙といっても、いろんな種類があります。わたしの手元にあるだけでも、以下のようなものがあります。

  • ミドリ MDペーパー、MD軽量紙
  • 三菱 バンクペーパー
  • 巴川製紙 トモエリバー
  • ツバメ フールス
  • LIFE Lライティングペーパー
  • クレールフォンテーヌ ベラム紙(ロディア等)

紙としての銘柄がわからないものを入れたらもっとあります。

書き心地が好みなのは、MDペーパー、MD軽量紙、Lライティングペーパー、ベラム紙です。バンクペーパーは書きごたえはあるんですが、結構シビアでペンが引っかかる感じが強いです。トモエリバーは書き心地はいいんですが、ちょっと神経質な感じがあります。MD軽量紙は書き心地が良すぎて、ペンの粗が見えにくいです。

万年筆の書き心地とひとことで言っても、紙の影響は大きいです。万年筆の好みを探るうえでは、標準的な紙を決めておいた方がいいと思います。粗悪な紙に書いて、書き心地が悪いというのはあまり意味がないと思います。当然、そういう紙でも無難に書ける万年筆というのもあるでしょう。しかし、万年筆というのは、ペン、インク、紙の組み合わせにより存在するものです。いいかえれば、万年筆単体での評価には決定的な意味はないと考えます。

入手性、フォーマット、利用している人の多さを考慮すると、ロディアに使われているベラム紙あたりを標準とするのがいいかもしれません。ベラム紙は程よい平滑性があり、インクの乗りや吸収性がよく紙質も安定しています。価格は若干高めですが、裏抜けが少ないため、背面も利用できます。No.16が80枚、160ページで550円程度なので、1ページが3.4円です。

 

ロディア No.16 方眼罫 オレンジ cf16200

ロディア No.16 方眼罫 オレンジ cf16200

 

 

LIHTLAB ツイストノート

ノートは圧倒的にリングノートが好きです。その中でもコクヨのソフトリングノートは画期的な商品で、リングノートの不満であるリングが邪魔という問題を完全に解決しています。

リングノートに似たようなものにルーズリーフがあります。ルーズリーフは自由にページの組み換えができるのが魅力です。しかし、一般的なホルダーはリングが大きいので、筆記時にはリーフを一枚ずつ外して筆記する必要があります。そのリングを圧倒的に小さくした商品がコクヨのキャンパスバインダー<スマートリング>という商品です。

キャンパスバインダー〈スマートリング〉|商品情報|コクヨ ステーショナリー

リヒトラブのツイストノートもその類似商品だとばかり思っていたのですが、実際に手に取るとかなりスマートな仕上がりであることに気が付きました。

調べてみると、ツイストノートのリフィルはいわゆるルーズリーフと違うらしいのです。B5サイズでルーズリーフは通常26穴ですが、ツイストノートは29穴です。最も大きな違いは紙の端から穴の中心の距離。

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ルーズリーフは約6.5ミリで、ツイストノートは4.5ミリ。紙から穴の中心の距離が小さいということは固定リングの径を小さくできるということです。ルーズリーフの場合、最大の場合を考えて、少なくとも径は倍の14ミリ前後に設計しなければいけません。一方、ツイストノートは9ミリでオッケーです。この差は大きいですね。

ただ、若干気になる記述がコクヨのニュースリリースに書いてあります。

「とじ具の内径は6.75mm」

 ここで多穴の帳票設計基準「JIS Z 8303」をちょっと見てみましょう。

  • 穴の直径は6±0.5mm 
  • 穴の中心から中心までの間隔は9.5±1.0mm
  • 紙の端から穴の中心まで6.5±0.5mm
  • 穴は、紙の中央線に対し、対称の位置に置く

穴の直径を最大に取り、紙の端と穴の中心までの距離を最小に取ると、以下の図のようになります。

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重要なのは紙と穴の端までの距離なので、リング径は最初の計算みたいに単純に二倍しただけじゃでないんですね。つまり、ルーズリーフでもやりようによっては「とじ具の内径は6.75mm」で成り立ちます。

以下のウェブサイトにスマートリングとツイストノートの比較がありますが、ツイストノートのリングの方が小さいようです。

www.shin-shouhin.com

ツイストノートはリングを開くのも簡単で、ノートの左の上と右の下を軽く引っ張るとねじれる要領で簡単に外れます。リングはある程度曲げることができるようで、壊れにくいんじゃないかと思います。

ツイストノートはルーズリーフの利便性を兼ね備えたリングノートとして十分に使えると思います。

もうすぐ「hirakunoツイストノート」という新デザインのビジネス向け製品も出るようなので、気に入ったら買ってみようと思います。

hirakuno ツイストノート|製品情報|株式会社リヒトラブ

 

リヒトラブ ツイストノート D1274-11 セミB5 29穴 リーフ30枚 藍

リヒトラブ ツイストノート D1274-11 セミB5 29穴 リーフ30枚 藍

 

 

消しゴムで消せるカラー芯シャープ uni Color

少し前から気になっているシャープペンシルがありました。uniの消しゴムで消せるカラー芯シャープ uni Colorです。試筆してみると、発色もいいですし、芯も折れにくいと感じました。消しゴムでもしっかり消えます。

今回購入したのは、赤青緑で、太さは0.7ミリ。マルチ8でもいいんですが、消せるというのは魅力的です。

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まず最初に書いておきたいのは、シャープペンシルの質が低いこと。クリップ位置が高くて基本的な設計は悪くないんですが、チャックの構造が低品質です。通常、シャープペンシルは芯チャックが芯を送り、ある程度チャックが進行すると、チャックリングが外れることで芯とチャックの締結力がなくなります。そのままチャックを戻すと、チャックの動きに連れて芯が戻ろうとするので、ペン先の芯戻り止め(Oリングのようなもの)で戻ろうとする芯をその場に押しとどめます。しかし、このuni Colorには芯戻り止めの利きが弱く、芯が戻ってしまいます。芯戻り止め自体が省略しているのかもしれません。

下の写真は上の赤青緑がuni Colorの筆跡で、下の赤青緑がマルチ8のものです。真ん中あたりをコクヨのリサーレを使って消しています。

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がんばればマルチ8の筆跡も消すことができますが、uni Colorの芯はよく消えます。

 

 

シャープペンシル ベスト3+1

シャープペンシルの現時点でのベスト3を考えてみました。あたりまえですが、あくまでもわたしが持っているものの中から、わたしが選んだだけのベスト3です。

早速、ベスト1からベスト3まで一気に紹介。

  1. パイロット S3
  2. プラチナ プレスマン
  3. ロットリング ラピッドプロ

+1としてぺんてる グラフギア1000を挙げておきます。

S3は安価で入手性もよく、何のギミックもない普通のシャープペンシルです。芯径は0.5で硬さはHB。おそらくもっとも多くの人がシャープペンシルはそんなものと思って使っている組み合わせだと思います。慣れもあるのかもしれませんが、万能向けの組み合わせです。普通にいいものを使いたいだけなら、これで十分です。構造がシンプルで、基本部分がしっかりしているため、落したりしない限り壊れることもほとんどないと思います。わたしのものは軸先端のネジ部分が少し欠けてますが、まだ機能を失うほど壊れる雰囲気はありません。シャープペンシルは基本的にメンテナンスフリーで使う物なので、むやみやたらと余計な部分を分解したりしない方がいいです。

プレスマンは芯径が0.9ミリと太めですが、実際に使ってみるとそれほど太さは気になりません。専用芯は書き心地がよく、太くて長いので一本当たりの筆記距離が長いです。強い力がかかると芯が引っ込む機能が実装されており、芯が太いこともあり、よっぽどのことがなければ芯が折れることはありません。細くて軽い軸が自然と手になじみます。ラフにメモしたり、アイディア出しするときなどに使いたくなります。ノートを取ったりする時には、芯の太さが若干気になるかもしれません。

ラピッドプロはつい最近買ったものです。ガッチリ系シャープペンシルの魅力をすべて兼ね備えていると言っても過言ではありません。最新のギミックなどはありませんが、長く使いたくなるアイテムです。一般筆記用としては600よりもこちらの方が好きです。図形的なものを書くときには600の方が書きやすいように思います。この違いは何かよくわかりませんが、おそらくペンの持ち方に起因するような気がします。どれか一本選べと言われたらこれを選びます。

グラフギア1000ですが、比較するとラピッドプロの方が上になってしまいますが、一般筆記用に流用する製図用シャーペンとしてはかなりレベルが高いです。価格差を考えるとグラフギア1000の方が実用的です。機構を考えると一生ものというほど長くは使えないかもしれません。ラピッドプロとの価格差はその辺にあると感じます。普通に使う分には5年10年と使えると思います。

クルトガ、オレンズネロ、オレンズ等もシャープペンシルとしては十分に完成度が高く、機能的にもおもしろいものがあります。筆記スタイルや目的によってはこれらの方が優位に立つこともあるかと思います。わたしはシャープペンシルで長時間筆記をすることが今はないため、カチッと安定して筆記できるシャープペンシルの方が好みに合っています。

芯は0.5のHBがベストです(プレスマン除く)。今はメインでアインシュタインを使っています。以前は太めの芯径に濃くなめらかな柔らかい芯の組み合わせを好んでいました。今は0.5に程よく硬い芯の方がバランスがいいのではないかと思ってます。今の芯は筆跡も濃いのでHBで十分です。これももちろん好みや目的によるので、これじゃないといけないということはありませんが。

rotring Rapid Pro 0.5 mm(一般筆記にはrotring 600よりもバランスがいい)

どうしても気になってrotringのラピッドプロを入手してきました。芯径は0.5ミリです。最近は0.5ミリのシャープペンシルにHBという基本的な組み合わせが実は結構バランスがいいのではないかと考えています。

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ラピッドプロはロットリングの中でも一般筆記用に位置付けられており、製図用のシャープペンシルとは異なる点がいくつかあります。最もわかりやすいのはスリーブが3.5ミリしかないこと。製図用シャープペンシルのスリーブは一般的には4ミリですが、ラピッドプロは0.5ミリ短いです。とはいえ、ペン先は二段に絞り込まれているため、紙面の見通しはいいです。

この金属スリーブは筆記しないときには収納が可能ですので持ち運び時に危なくありませんし、落としても折れることがありません(当然、未収納状態で落としたら壊れる可能性があります)。持ち運ぶことを前提に設計がされているわけです。あたりまえですが金属スリーブのガタはあります。ただし、金属同士のすり合わせですから、設計上はかなり切り詰められています。ガタがあるといっても、手で動かせば動くという意味であり、カチャカチャとあからさまにスリーブが動くのを感じる人はまずいないでしょう。当然、音はしません。

力を入れると芯が引っ込む機能が実装されています。プラチナのプレスマンと全く同じ機能です。計りを使って芯が引っ込むときの重量を計測してみたところ、プレスマンは約500グラムで、ラピッドプロは320グラムでした。プレスマンの芯が動くストロークは0.5ミリほどです。320グラムとプレスマンよりも芯は動きやすいですが、通常筆記時にむやみやたらと芯が動くことはありません。製図の時に渾身の力を込めて筆記する人はいないでしょうが、通常筆記の場合、そういうモードは十分にあり得ます。デルガードやオレンズのような最新の方式ではありませんが、芯の折れにくさにはある程度貢献すると思います。

デザイン自体はrotring600とよく似ていて、フルメタルボディにローレット加工のグリップ、ボディは六角形です。ラピッドプロはボディの六角形の角が緩く、全体的に丸みを帯びています。これも長時間筆記を意識しているものと思われます。

ラピッドプロには芯の硬度表示窓がありません。これも一般筆記用だからでしょう。

似て非なるのはローレットのパターンです。下の写真を見てください。10倍のルーペ越しにスマホで撮影しています。適当に拡大縮小しているので、何倍という表現はできませんが、ピントが合っている部分の倍率は一定なので、上下の写真のスケールはほぼ同一とみてよいでしょう。

↓600のローレットパターン

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↓rapid PROのローレットパターン

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600もrapid PROも目の細かい優れたローレットなのですが、rapid PROの方が当たりが若干やさしい感じがします。

重量は実測で24グラム。rotring600の22グラムと比較すると2グラムほど重いです。それほど大きな違いは感じませんが、手にすると重いとわかるレベルではあります。24グラムというのはシャープペンシルで言えば結構重量級になります。人によるでしょうが、この程度の重量は筆記に悪影響を与えるとは思いません。

重心位置は筆記時のペン先(芯の先)から約75ミリ。個人的に重量バランスに優れていると思うS3やスマッシュは約70ミリなので5ミリほど重心は高いです。ちなみにグラフギアは約80ミリです。重心に関しては下のブログも参照してみてください。

 

digistill.hatenablog.com

 

下にいくつかのシャープペンシルとの比較を示します。

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rotring600との違いをまだ書ききれていないので、まずはそこから行きましょう。

上の写真を見れば明らかなように、ラピッドプロは600と比較するとかなりペン自体が大型です。グリップ部分も長く、太いです。もっとも外観や使い勝手で違うなぁと思うのが、クリップの位置です。通常筆記する場合、このクリップの位置はすごく重要です。手持ちのシャープペンシルの中で優秀と思う物をいくつか並べてみましょう。

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数値で示します。ペン先からクリップの先端までの長さを計測してみます。ペン先はあくまでも芯が出た状態の芯の先ですので1、2ミリ程度の誤差はあります。

  1. オレンズネロ 105 mm
  2. グラフ1000 104 mm
  3. ラピッドプロ 102 mm
  4. S3 98 mm
  5. SMASH 93 mm

こう並べるとSMASHの93ミリはかすんで見えますが上位のペンが優秀すぎるだけです。ちなみにドクターグリップ(フルブラック)は82 mmです。個人的には100ミリ前後ならかなり優秀な部類に入ると思います。ラピッドプロは当たり前のように100ミリ越えですから、ちゃんと考えて設計されていることがわかります。この数値だと私の手の大きさだとペンを回してもクリップが手に当たることはほとんどなくなります。あたってもごくわずかであり、気になるようなレベルではありません。

重量と価格さえ気にならなければ、かなりいい一般筆記用のシャープペンシルだと思います。rotring600はお絵描き用、ラピッドプロは一般筆記用ということで使い分けができると思います。わたしとしてはグラフギア1000は一般筆記に使える製図用シャープペンシルという位置づけでしたが、立ち位置は完全にかぶっていると思います。どちらも優劣付けがたいので気分によって使うことになるでしょう。LAMYのサファリとはあまりにも性質が違うので単純比較はできません。サファリのいいところは軽くて壊れにくい点でしょう。ラピッドプロは壊れにくい工夫はされているもののやはりヘビーで精密なシャープペンシルという気がします。ポケットにラフに差し込んで使おうという気にはなりません。

若干気になるのは、筆記時にエンドキャップと軸の内部が振動でビビり音が出ることがあること。これは例のUV樹脂処理でなんとかなる可能性がありますが、とりあえずはスコッチテープをグルっと一周巻きました。

 

ロットリング ラピッドプロ シャープペンシル ブラック 0.5mm S0949350

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