ブレないボールペン

ノック式ボールペンは利便性が高いです。

胸ポケットや手帳に挿して持ち歩き、必要な時はノックすればすぐに筆記状態に入れます。暇な時には消しゴムを飛ばしたり、ペンをロケットみたいに飛ばすこともできます。

しかし、ノック式のボールペンは大抵、ペン先がブレますし、口金と干渉してカチカチと音がなったりします。メモ程度なら気になりませんが、集中して長時間使う場合には気になります。

少し前、ゼブラからブレンが発売されました。このボールペンはその名の通り、ペン先がブレないことが、最大の売りです。確認すると若干ペン先は動きます。ブレるというよりしなる感じです。ブレないための工夫が随所にほどこしてあり、筆記感はすごくいいです。

個体差があるのかもしれませんが、ブレンよりもブレんノック式のボールペンがあります。パイロットのアクロ300です。ブレンのようにノックした後のノックボタンが動かないとかそういう工夫はなく、構造的には非常にシンプルです。

↓左から、アクロ300、ブレン

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ではなぜブレないか。答えはシンプルで、口金とペン先の隙間がほとんどないんです。

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通常、物を作るときには公差といってある程度、完成物の寸法に幅を持たせます。このように物を出し入れする場合、マイナス公差といって少し隙間ができるように加工するのが普通です。また、大量生産のプラスチックの部品は大抵射出成形という方法で作られます。

射出成形では金型から取り出すために、取り出し方向に平行な部分は若干平行から外れるような角度をつけます。極端にいうと楔状にする事で金型から外れやすくするわけです。平行だと抜き始めから抜き終わるまで、抵抗が掛かりますが、楔にしておけば少しずらすだけで、成形物が金型から離れます。

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また、樹脂成形物は金型から取り出した後、冷える事で若干変形します。

樹脂成形物を精度良く作るにはいろんな制限があるので、公差をカツカツで作るとリスクが高くなります。ペンの場合、リフィル側の工作精度にもバラツキがある可能性があることを考えれば、ある程度、意識的にスカスカで作るのが常識的です。言い換えると、だからノック式のボールペンは工夫して作らないとペン先がブレるのです。

ブラさないためのアイディアはいくつかあると思いますが、それを具現化した一例がブレンです。しかし、アクロ300はリフィルと口金のサイズを詰める事で限りなくブレなくなってます。これが意図的なのかたまたまなのかは良くわかりませんが、少なくともわたしが持ってるアクロ300はブレンよりブレません。

アクロ300はネジ部分が金属でできていて重心バランスもいいです。

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ブレンの白軸はグリップが汚れやすいです。

 



 

一本は持っておきたいラミー サファリ

生まれて初めて買った万年筆はLAMYのSafariです。

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黒いSafariは2本目で、EFです。1本目の黒いクリップのブルーのSafariはFで書き心地が気に入っていました。EFは使い始めの頃は少し滑らかさが足りないように感じていましたが、最近はEFも悪くないと感じています。

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Safariは耐久性が高いです。少々荒っぽく扱っても大丈夫です。スライドキャップ式なので、キャップを左手に持っていればこまめにキャップをすることができます。閉め終わった時のクリック感は控えめですが、インクが乾きやすいことはないです。二辺がフラットなグリップも使い勝手がいいです。

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インクは純正のブルーです。フローが良すぎるインクだと線が太くなりすぎるのですが、純正インクはバランスがいいと思います。色も気に入っています。

この黒いSafariももう4年使っています。いろんな万年筆を持っていますが、Safariの代わりになる万年筆は意外とないです。

一本は持っておきたい万年筆のひとつです。

LAMY ラミー 万年筆 ペン先EF(極細字) サファリ スケルトン L12-EF 両用式 コンバーター別売 正規輸入品
 

 

 

ラミー パーフェクトブック

ラミー パーフェクトブックを買ってきました。

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最初のページはシールになってます。

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昨日、京都の四条にある東急ハンズでpicoが触れるようになってたので、試してみました。93 mmの軸は筆記するには少し短いのですが、ワンノックするとペン先が出ると同時にペンが伸びます。触ったことがなかったので、ちょっと意表を突かれました。なかなかおもしろいです。

ラミーにはいろんなペンがありますが、その全てが揃っている店はそんなに多くないと思います。

この本にはペンの実寸大の写真がありますので、イメージしやすいです。

 

LAMY PERFECT BOOK (エイムック 4355)

LAMY PERFECT BOOK (エイムック 4355)

 

 

 

万年筆用インク 文染「葉緑」、京の音「秘色」

京都にTAGという文房具屋があります。

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そのこにはタグステーショナリー株式会社のオリジナル商品が置いてあります。

昨日、オリジナル商品に文染(ふみそめ)という天然染料からできたインクシリーズがあることを下のブログで知りました。

たこぶろぐ TAG STATIONERYの「文染」は植物由来の自然派インク

専用サイトは下です。

fumisome.jp

京都市内には何か所かTAGがあるのですが、取り扱っているのはまだ寺町三条店のみだそうです。入り口からはそれほど大きな店に見えないのですが、結構奥行きもあり、二階建てに加え、地下もあるので、かなり広いです。一般的な文房具は大体そろっています。比較的新しい店なのか、現行品が多く、デッドストックを掘り起こす楽しみはありませんでした。

色は藍(あい)、葉緑(はみどり)、梔子(くちなし)、地衣(ちい)の4色がラインナップされています。

開発秘話を読んでいると、興味がわいてきて、欲しくなりました。

sunchi.jp

早速店に行ってみたのですが、藍と地衣は売り切れていました。店員に聞いてみたところ、今、東京でイベントが開催されていて、そっちに在庫を持って行っているので、人気の青系は店にはないということでした。藍か葉緑を買うつもりだったので、葉緑を買いました。

20 mlで2000円です。

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緑系のインクは持っていないので、ちょうどよかったかもしれません。

ただ、青系も欲しかったので、隣の棚に置いてあった京の音シリーズの「秘色」も買いました。

40 mlで1500円です。

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40 ml

下のリンクの記事によると、秘色というのは「ひそく」と読み、「青磁器の色のような淡い緑色のことで、焼き物独特の灰みを帯びた青緑色が神秘的な美しさであることからこの色名がつきました」ということです。青磁器の淡い青緑のことのようです。

【5月末〜6月初旬出荷分】京の音 / 秘色 – TAG STATIONERY STORE

インクを買うときにはどの万年筆に入れるか迷います。今回はインク自体の色を楽しみたいので、2本あるTWSBI DIAMOD580に入れようと思いながら購入しました。

TWSBIを洗浄し、インクを入れてみました。

文染「葉緑」は細字に、京の音「秘色」は中字に入れました。

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早速書いてみましょう。

紙はツバメフールスです。

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文染「葉緑」

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京の音「秘色」

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色はどちらかというと少し淡い色です。線の濃淡がいい感じで出ます。特に葉緑は乾きが遅く、線のエッジの色が濃くなる傾向にあります。書いた直後よりも乾いてからのほうが味が出てきます。万年筆らしい筆跡になります。

葉緑素の緑と思うとなおさらありがたみがあります。

ルーペで少し拡大してみましょう。

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これらのインクは通販でも買えるようですが、実際に店舗で買うと、買った時の情景が思い出されて物の価値が上がるように感じます。

これまでは濃いめのブルーかブルーブラックが好みだったのですが、こういう淡い色もおもしろいと思います。インクにはそれほど興味がなかったのですが、奥が深そうです。

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