単焦点レンズで撮影するということ

デジイチ初心者応援:50ミリレンズの使い方を考える - ITmedia デジカメプラス
50mmのレンズは明るいのに安いレンズが多いけど、APS-Cだと35mm換算で約75mmになるので、少しスナップには使いにくいと思う。
個人的にはやはり、35mm換算で50mmくらいが使いやすい。以前フィルムカメラの時によく使っていた45mmが個人的には一番好きな焦点距離だ。今もDA35(35mm換算約52mm)の出番が多い。
単焦点レンズを使って、慣れてくると、被写体との距離のとり方がだんだんわかってくる。そうすると、画角的にはいいけど、距離感が撮りたい感じと違うということがわかり出す。つまり、望遠とか広角ってのは単に画角が違うだけでなく、被写体との距離感が違うのだということが身体で理解できる。距離が異なると、当然アングルも変わってくるし、被写界深度や圧縮感なども変わってくるので、当然写真の雰囲気がぜんぜん違ってくる。
肉眼と写真の写り方は明らかに世界観が違う。
おもしろいのは、単焦点レンズを使ってスナップ写真を撮っていると、視線がレンズの焦点距離にあわせて機能しだす。つまり、そのレンズで撮影したときの写真を逆算したようなフィルターのかかった視線で風景が見え出す感じになる。あるいは「あ、いいな」「でも、このレンズの感じじゃないから、レンズ交換しよう」みたいな行動に変わってくる。これは複数の単焦点レンズを持ち歩くようになってから気がついたことで、ズームレンズを使っているときでは起きない現象だ。ズームレンズを使っているときはどうしても楽をしてしまい、被写体が写って欲しい大きさ有りきで、立ち位置を変化させずズームレバーだけを操作してしまうパターンが多い。結果的に、画角やアングルに意志がない写真になってしまう。
まぁ、偉そうに言っているけど、単焦点を使っていても結果的に写ってしまったなんてことも多いし、目の前の風景がなんなのかよくわからないままにシャッターを切ってしまうことが多いのも事実だ。
不思議なもので、街を歩いていると、いっつも同じようなものが気になってしまう。でも、何枚も何枚も撮影していると、「この被写体は被写体としては気になるけど、今までの撮り方だと(写真的に)おもしろい感じにならないぞ」なんてこともわかってくる。でも、被写体としては気になるのに写真的にはつまらないのはなぜなのか、その辺に関してはわからない。そもそもなぜそれが気になっているのかが理解できていないと思うのだ。だから、もっと自分が何者なのか、目の前の風景は自分にとってなぜ気になるのかがわかるようにならないといけないと思うのだ。
あともう一つ、「写真的におもしろい」ってのはどういうことかってのも気になっている。そもそも「おもしろい」必要があるかってことも問題だ。つまり、コンテスト受けするような写真だけがいい写真なのかってことだ。自分が想像するステレオタイプないい写真に自分の写真を合わせる必要はないのではないかと思ったりもするのだ。でも、人に写真を見せる行為というのは、自分の感覚を他人に見て欲しい、共感して欲しいという気持ちがあるのは間違いない。であれば、他人に理解できない形で表現してもダメで、やっぱりある程度は定型に合わせるのも見せ方なのかなとも考えたりする。
先日の写真なんかは、ほとんどf11で撮影しており、これは晴れた日はf11の1/125という定型にあわせて写真を撮ってみたかったからだ。ちなみに、中平卓馬は露出をf8の1/250か何かに固定して100mmのレンズで撮影しているらしい。写るようにしか写さないってのもなかなか興味深い。
写真を表現として考えるきっかけとして、単焦点レンズを使ってみるというのは悪い考えじゃない。利便性だけを求めるなら、素直にズームレンズを使った方がいいと思うけど。明るいズームレンズはでかいし、高いけどね。
自分は街の風景を撮る場合が多いので、DA35の広すぎず狭過ぎない画角は、じっくりと風景に向き合う場合に感覚とよく合う気がしている。