”健康常識”はウソだらけ

駅前の書店にふらっと入ったらこの書名の本が目に入った。普通ならあまり気にすることもないような書名だが、著者が奥村康先生だったので、おっと思い手にとった。

学生時代、ラットの免疫細胞を分離する(アフィニティクロマトグラフィー)高分子材料の研究をしていたことがあり、その頃、奥村先生の教科書で免疫の勉強をしたことがあるからだ。

帯に各章の題目が一部抜粋しているのだが、こんなこと書かれると、ついつい読みたくなってしまうよねぇ。

  • 血圧もコレステロールも高くて大丈夫!
  • ダイエットも粗食も体に悪い!
  • 薬を飲むほど病気が治りにくい!
  • タバコと肺がんには因果関係はない!
  • ちょい太めの人の方が長生きする!

まだ1ページも読んでないけど、有名な免疫学者なので、デタラメでもないだろうし、なんかおもしろそう。

ところで、免疫学者といえば、多田富雄先生のことを思い出す。一度だけ、先生が所長をしていたころ、生命科学研究所のパーティに招かれたことがある。先生はHard Rock CafeのTシャツを着ていた。そして突然こんな質問を投げかけてきた。「ビールはなんで泡立つか知ってるか?」「・・・」「ビールにはタンパク質が含まれていて、それが界面活性剤として働くから泡立つのだよ。今からおいしいビールの入れ方を教えてあげよう」、こんな調子だった。『免疫の意味論』(青土社、1993年)で大佛次郎賞を受賞し、文学者としても有名な人だった。研究者としての現役を退かれてからも、闘病しながら創作能などの創作に意欲的に取り組まれている姿をテレビで拝見した。残念なことに、2年前に亡くなられたが、先生に教わったことは忘れることはないだろう。もう少しまじめに勉強しておけばよかったなぁ。

免疫力アップがすべてのポイント!  “健康常識

免疫力アップがすべてのポイント! “健康常識"はウソだらけ (WAC BUNKO)

免疫の意味論

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