「読んだら忘れない読書術」樺沢紫苑

「読んだら忘れない読書術」を読んだ。

新聞のベストセラーランキングを見て、気になる本があれば読むようにしているのだが、その中の一冊。

確かに本って読んでもすぐ忘れるよなぁと思っていたので、気になったのだ。ただ、個人的には本の内容を忘れることはそれほど悪いことではないと思う。そもそも記憶に値する本がそれほど多いとは思わない。

また、忘れたら忘れたで、また読めばいい。一回読めば、再び読む価値があるかどうかなんてのはわかっているし、通読しなくても線を引いたところや、付箋が挟まったところを読めば二回目は読むのも早い。

この本にも書いてあるけど、本を読む場合、まず本の最初と最後、目次あたりをザザーッと見て、この本はどの程度のスピード感で読む本なのかを自分なりに判断するほうがいいと思う。

この本もそうだけど、ベストセラーに入っている実用書などは一晩で読む本だけど、ファインマンの物理学の本などは2,3日で読むような本じゃない。自分の場合、この手の本は拾い読みの繰り返しだし、興味のテンションが高い時しか読まないので、数年経っても全部読んだという状態にならない。ただ、手元には常にあって、フト、気になった時に手にとってしまう。このような友達みたいな本だってある。

この本には読書に関する基本的なテクニックや著者が実践していることがまとめてあるので、ナルホド本をこうやって読む人もいるんだなという参考にはなる。

本の内容を忘れていいかどうかなんてケース・バイ・ケースだし、スキマ時間をかき集めれば本を読めるというけれど、スキマ時間だからこそボーっとしたいときやスマホでゲームして遊びたいときだってある。著者のように無駄を極力排除して効率的に時間を活用して、読んだ本も忘れてはいかんと思いながら活動するのもアリだろう。

しかし、無駄のない人生がそれほど有意義だとは思わない。無駄な時間も活用してがんばらなきゃいけない時もあれば、最近やる気でないなぁ、暇だなぁ、つまんねぇなぁと思うことだってある。

人の心はバネの振動のようなものじゃないかなと思う。伸びてテンションがかかるときもあれば、縮んでダランとすることもある、伸び縮みするときにはいつも次のステップにとって必要なプロセスだ。時には外力を使ってエネルギーを注入する必要もある。リアルな世界では空気抵抗やバネの発熱があり、振動は減衰するからだ。しかし、バネの固有振動数はバネの太さや長さで決っている。早く振動できる人もいれば、そうじゃない人もいる。力をかけ過ぎるとバネの材料自体が塑性変形して元の長さに戻れないようになることもある。バネの特性を変えるのは不可能ではないかもしれないが、容易ではない。頑張れる人は頑張るべき時には頑張れるし、そうじゃない人はどうやってもそうはならない。ただ、自分の可能性を広げるために知恵の輪を広げることくらいは知っておいてもいいことなのかもしれない。 

読んだら忘れない読書術

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読んだら忘れない読書術

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