いい万年筆とは

今日は一日、M400を使って過ごした。そこで改めていい万年筆って何だろうと考えてみた。

自分はよく簡単にいい悪いというなと言っている。例えば、「耐摩耗性がよくなりました」とかこういう表現を嫌うのだ。まず、何が良くて何が悪いのかの定義を行い、客観的な尺度としてどのような数値を使うのか決めなくてはいけない。あるいは、例えば、サンプルAの摩耗量は5 mgで、サンプルBの摩耗量は3 mgである。サンプルBの方がサンプルAよりも摩耗量が2 mg少ない。ただ、そういえば十分である。摩耗量が多いほうがいいと思う人はサンプルAの方が魅力的だと感じるだろうし、摩耗量が少ないほうがいいと思う人はサンプルBの方がいいと勝手に判断する。

万年筆の良さをそのように分析的に見れるほど自分は万年筆のことをよく知らない。たいていの万年筆はよく書けるし、使ってみると気持ちよく字が書ける。あとは軸のデザインだとか、つかみ心地だとか、筆記感とか、キャップを外すときの感じとか、そういう要素により、それぞれ個性が違う。

自分の名前やあいうえおを書くのもいいが、まず、〇△□×☆立方体等が気持ちよく書ける万年筆は使いやすい。筆圧を掛けずに線が描け、適度なインクフローがあることも重要だ。特に星を書いたとき、それぞれの辺の線の太さが違いすぎるペンはあまり好きじゃない。

筆記感はそれぞれのペンの個性のようなものだ。ツルツルしていればいいってものでもない。上質な紙を使って筆記する時に紙に引っかかったり、インクが途切れたりするようじゃだめだと思うが、そこまで変な万年筆というのはそれほど多く出会うことはない。力の入れ方や角度によって若干ザリザリした感触が伝わるペンもあるが、問題はない。要は書ければいいのだ。そういう感触も個性として受け入れられるようになる。ただし、筆圧をあまりかけずに字を書くのが万年筆を使うコツだ。力いっぱい書いてもいいことは何一つない。

下の写真の一番上がペリカンのM400で次がダイソーの100円万年筆だ。ダイソーの万年筆はニブが固定されている部分を火であぶりしっかりと固定したところ、見違うほど滑らかに書けるようになった。火であぶった部分は変色していて見た目は悪いが、筆記具としては何ら問題はない。

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いい万年筆とは、と、書いてみたものの、それが何なのか現段階ではよくわからない。ただただ、筆記具としての万年筆は魅力的だし、奥が深い。

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