LAMY Safari シャープペンシル(スケルトン)0.5を手に入れました

アルスターのボールペンを使い始めて、改めて三角グリップの魅力を改めて知り、シャープペンシルも手元に置いておきたくなりました。というわけで、今日、買ってきました。

色はマットブラック、黄色、スケルトンで迷いました。マットブラックは万年筆で使っているのですが、ちょっとおもしろみに欠けます。黄色は文房具としては珍しいですし、軸が黄色いペンはサインペンくらいしか持っていないので魅力的だったのですが、スーツには合わないかなと思って、スケルトンにしました。

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重量は実測で12グラムでした。

ちなみに、クルトガスタンダードモデルが9.8グラム、デルガードが10グラム、SMASHが13グラム、パイロット S3が11グラム(実測)、クルトガアドバンスが12グラムなので、シャープペンシルの中では若干重めだと思います。

重心位置はこのくらい。

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若干リアヘビーですかね。

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特徴的なのは三角形のグリップ。万年筆とはちょっと形が違って、完全なおむすび型です。アルスターのボールペンよりも若干細いです。上の写真を見るとかなり三角形が強いように見えますが、手でつかむあたりはもっとなだらかな三角形になっています。握ってみるととてもよくフィットします。

クリップの位置はこのくらい。サファリシリーズに特徴的な大型のワイヤークリップがいい感じです。万年筆やアルスターのボールペンよりもクリップの保持力は弱め。個体差かどうかはわかりませんが、構造上初期テンションが弱くなるような設計になっています。

f:id:digistill:20180105222911j:plainパターン1

シャープペンシルは芯が片減りしないように時々回しながら書くと字が太くならずに済みます。サファリは三角形なので残りの2パターンの様子を見てみましょう。

f:id:digistill:20180105223846j:plainパターン2

このパターン2はクリップと手がほとんど干渉しておらず、気になりません。

f:id:digistill:20180105223900j:plainパターン3

パターン3は結構気になります。

というわけで、回転させるならパターン1と2を繰り返すか、あるいは、片減りなんて気にせずにひたすら書き続けるというのも手だと思います。

次の写真は3パターンをバランスよく書いたときと、パターン1だけでひたすら書いたときの芯の様子です。

↓バランスよく書いたとき

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↓パターン1でひたすら書いたとき

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芯の直径を0.5 ミリメートルとし、フォトショップの計測ツールを使って芯の平らな部分を計測してみると上が約0.3ミリメートル、下が約0.67ミリメートルでした。ちなみにこの削れ角度から類推する筆記角度は52度でした。ここで仮に芯径0.9ミリメートルのプレスマンをバランスよく書いたと仮定すると、平らな部分はおおよそ0.54ミリメートルほどになると思われます。0.5ミリシャープを回転させずに書くと、0.9ミリシャープをバランスよく書いた時よりも線が太くなるわけです。これをどう考えるかは使う人次第でしょう。

さて、続いての特徴はペン先のスリーブが収納できること。

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これは持ち運ぶシャープペンシルとしてありがたい機能です。スリーブはかなり強く固定されていて、引っ込めた後の1ノック目は結構ノックが固めとなります。そのおかげでスリーブのぐらつきは全くありません。

ノックは固すぎず、柔らかすぎず、ノック音も大きすぎません。小気味よいカチカチ音で、スマッシュの軽快なノック感に匹敵します。音自体はスマッシュよりも小さめです。10回ノックした時の芯の量が7ミリメートル強なのでワンノックで約0.7ミリメートルということになります。ぺんてるはワンノックで0.5ミリメートルと決まっており、10回ノックするときっちり5ミリメートルの芯が出てくるように設計されています。

pentel.blog.jp

ぺんてる基準でいえば、若干芯は多めに出てくることとなります。ただ、パイロットのS3は10ノックで7ミリメートル弱、プラチナのプロユース07がちょうどサファリと同じ7ミリメートル強、パイロットのドクターグリップのフルブラックも同じく7ミリメートル、トンボのケリーが5ミリメートル弱、トンボのモノグラフワンが7ミリメートル弱、トンボのZOOM707が7ミリメートル。これらの例を見ると、平均的な芯出し量と言えるでしょう。

ペン先の構造はこんな感じになっています。

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特徴のあるペン先構造で、細いペンが筒状のスリーブに包まれています。ちょうど、多色ボールペンのシャープペンシルユニットと同じような構造です。このような構造のため、内部のシャープペンシルユニットとスリーブの間には当然隙間があります。ネットを見るとこれを問題視する意見があり、紙やセロハンテープなどでガタ取りをしている例が見られます。自分もペン先のぐらつきは嫌いですが、嫌いな理由はグラつくからというよりも、カチャカチャ音がうるさいからです。ネットでこの構造を見た時、おそらく実用上は問題がないだろうなと推測していましたが、予想どおりでした。確かにグラつくのですが、樹脂同士の当たりとなるため、音はしません。むしろ、ちょっとしたしなりが芯が紙に当たるときの衝撃を和らげ、ペン先が柔らかく感じる効果があるのではないかと思います。これを目的に意図的にとこの方式を採用したのではないかと考えられるくらいです。

続いて消しゴム側の構造。

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大型の消しゴムの先にはピンがちゃんとついています。キャップはカチッとはまりますが、はまった後は結構グラグラしています。スライドの抵抗を利用する固定方法ではなく、樹脂の突起が溝に落ち込むような感じでキャップが固定される方式です。樹脂の突起が比較的大きめなので摩耗してスカスカになるのはだいぶ使い込んでからだと思います。ただし、それほど強固に固定されているわけではないので、裸で持ち歩くときには注意が必要でしょうね。若干謎なのは、消しゴムキャップの先にOリングが巻いてあること。おそらくキャップを取り外ししやすいようとの配慮だと思いますが、あまり必要のない構造だと思います。あえて利点を挙げれば、ペンを置いたときの音は小さめです。

続いて他のペンとの比較。

↓左から、サファリ万年筆、サファリ万年筆、サファリシャープペンシル、アルスター ボールペン

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スケルトンモデルは傷がついたときの劣化具合が気になるところ。そこで比較的長く使っているスケルトンモデルのサファリの拡大写真をいくつか紹介します。

↓キャップ

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内側の青いのはインクなので洗えば落ちます、写真ではちょっとわかりにくいですが、結構傷は入っています。

↓軸

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このペンを買うとき、この印刷がすぐに取れるんじゃないかと予想していたのですが、平らな面に印刷してあるからか目立った剥がれはありません。シャープペンシルの印刷は曲面になされているため、局所的に摩耗するかもしれません。写真ではわかりにくいですが、結構傷は入っています。

ただ、道具として使っているものですし、傷が入るのは少しずつですので、たぶん気にならないと思います。もっとも傷が気にならないのはマットブラックです。これは梨地の樹脂ですから、よほど大きな傷じゃない限り、かすり傷は入ったのか入ってないのかよくわかりません。擦り減ってテカリが出てきている感じでもないですね。

最後に実際に書いた感想ですが、サファリらしく非常に手になじみます。安定して握れるため、筆圧は高めになる傾向にあるような気がしました。

あと5ミリメートルだけクリップが短ければもっと使いやすくなると思いますが、これ以上小さくするとサファリらしさが失われる気もします。ペンを長くするともっとリアヘビー傾向が強まります。その分をカウンターウェイトでバランスを取れば、ペン重量が重くなってしまいます。ペンの設計はバランスを取るのがなかなか難しいと思います。

LAMY ラミー シャープペンシル サファリ スケルトン L112 0.5mm 正規輸入品
 

 

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