ぺんてる グラフギア1000

グラフギア1000は気になりつつもあまり好きになれないシャープペンシルのひとつでした。最大の理由はメカメカしすぎる見た目ですね。グラフギア1000を使うくらいだったらまだスマッシュの方がいいかなというのもありました。しかし、改めて手にしてみると、グラフギア1000嫌いはもしかしたら食わず嫌いなのではないかという気がしてきたのです。

少し手抜きして、いきなり比較画像から。

↓下から上に、グラフギア1000、グラフ1000 for PRO、スマッシュ

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グラフギア1000は長くて重いです。重量は20グラムあります。スマッシュは比較的重いシャープペンシルですがそれでも13グラムしかありません。まず、この重量がネックになる人がいるかもしれません。

グラフギアのグリップはローレット+ラバーの複合グリップとなっていて、独特な設計となっています。グリップ感は見た目ほど強烈ではなく、程よい感じです。全体が金属でできたボディでかっちりしたつくりになっています。製図用シャープペンシルなのでペン先のガイドパイプは4ミリメートルあります。スマッシュやグラフ1000も同様に4ミリメートルです。芯の硬度表示窓があるのも製図用っぽい部分です。

ガイドパイプの長い製図用シャープペンシルの欠点はペン先が弱いことです。わたしは落として曲げたことはありませんが、打ち所が悪ければ一発で曲がると思います。その点、グラフギア1000はペン先収納機構を実装していますので、使わないときにはペン先を保護しておくことができます。

下の動画にペン先収納の様子を示します。

ペン先の様子を下に示します。

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クリップはこんな感じです。

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収納可能なペン先であるにも関わらず、グラつき感は一切ありません。実際に手で動かすと隙間があることは確認できますが、筆記時に動いてカチャカチャと音を立てることは一切ありません。

このペンに再び興味を持ったきっかけはそのクリップの位置でした。手に握った時に全く邪魔にならないんです。お気に入りのシャープペンシルの中で比較的手に干渉しにくいクリップを持つS3と比較するとこんな感じです。

↓上がグラフギア1000、下がS3

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写真ではちょっとわかりにくいですが、クリップの下端がS3よりも上にあります。また、クリップは斜めになっており、筆記時には下部がボディに埋まったような感じになっているため、実質的にはもっと高い位置にあるような感じになります。手の大きさにもよるでしょうが、わたしの場合、少しだけクリップが手に干渉します。しかし、違和感は全くありません。

一番上の写真はペン先を揃えて撮影しているので、スマッシュよりもクリップ下端がかなり上部にあることがわかるでしょう。グラフ1000は最もクリップ位置が高いのですが実質的にはそれと引けを取りません。位置的にはグラフ1000の方が優秀ですが、感触的にはグラフギア1000の方が違和感が少ないです。

グラフギア1000の欠点として、高重心であることが指摘されることが多いです。実際の重心を下の写真に示します。

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重心はペンのほぼ中央であり、低重心ではないことがわかります。

試しにいくつかのシャープペンシルの重心を揃えて並べてみたところ、興味深いことがわかりました。まずはその様子を写真で示します。

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上の4本が重心位置からペン先まで約7センチメートルの群で、下の3本が8.5センチメートルの群です。メーカーはバラバラですがおもしろいように2パターンに分けられました。

参考までに万年筆と比べてみます。

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上からキャップをポストしないサファリ(コンバーター仕様)、キャップをポストしたサファリ(カートリッジ)、グラフギア1000、M400。ペンのバランスをかなり最適化したと言われるM400がかなりリアヘビーであることがわかります。

まずひとつわたしが思うのはグラフギア1000はかなり重量が重いため、重心をペン先側に寄せてしまうと取り回しが悪くなる可能性があります。

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ペンは上の写真のように持ち、1と2の位置で支えています。2を支点にして1が円運動に近い動きをするわけですが、実際は2の位置は前後に若干スライドするように動きます。3の位置は重心位置がペン先から7センチメートルの代表点で4は8.5センチメートルの代表点です。重心は極力回転中心にあったほうが小さな力で動かせますですから、基本的には4の位置に重心がある方が軽く取りまわせる気がします。

ペンをつかんだ時にできる楕円の中心から2の間に重心があればそれほど違和感のある筆記感にはならないように思います。

グラフギアがリアヘビーだと感じるのは重心位置がペン先から離れているということではなく、ペンが長いことにより2よりも後ろ部分に実際の荷重があることによると思います。

と、ここまで書いたにも関わらず、それがいいことか悪いことかはよくわかりません。もう少しペンバランスに関しては少しずつ考えてみます。実際は好みによるところが大きいので、手に取って合うか合わないかを自分で判断するのが一番です。

最後にリアキャップ部分。

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消しゴムには針が付いていません。旧タイプには付いていたようなので、付けて欲しいところです。これはコストダウンというよりも、怪我したりして危ないからのような気がします。

長い文章を書くときにはサファリのような適度な重量感でエルゴノミックグリップの方がいいような気がしますが、数学や物理、図などを書くときにはグラフギア1000のような製図用シャープペンシルの方が合っています。

ちなみに、最近の芯の好みは0.5ミリメートルのHBです。柔らかいならプレスマンの0.9ミリ芯が書き心地がいいですが、細めの場合、硬くて削れにくいHBの方が安定して筆記が続けられます。最近のHBは筆跡もほどほどに濃いですから十分です。

柔らかい書き味を求める時にはプレスマンの0.9芯が心地いいです。これで筆圧を抜いてサラサラと書くのは製図用とはまた違った良さがあります。

 

ぺんてる シャープペン グラフギア1000 PG1015 0.5mm

ぺんてる シャープペン グラフギア1000 PG1015 0.5mm

 

 

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