常にインクが入れてある万年筆は20本を超えます。残念ながらインクが入っていないのも同じくらいあります。言い換えると、20本は割とお気に入りってことです。
例えば、ブラス万年筆はラフに筆箱に入れるのに適していますし、サファリはスライドキャップ式でなおかつポストしないでバランスよく書けますし、これも筆箱にラフに入れておいても違和感がないペンのひとつです。こんな風に良いところを挙げればひとつひとついいところがあるんです。
そんな中、あえて金ペンと鉄ペンのベスト1を決めたいと思います。選んだ基準は、入手性、利便性、書きやすさ、使用頻度などです。実用性を重視して選びました。
選ばれたのは、
金ペンクラス杯: パイロット キャップレス絣 F
鉄ペンクラス杯: プラチナ万年筆 プロシオンM
です。
インクと筆跡はこんな感じです。
キャップレスはカートリッジでしか使わないつもりです。
キャップレスはノックするだけで書き始めることができます。こんな方式にもかかわらず、インクは乾きにくく、書き始めで掠れたことはありません。インクフローも適切で、線も安定しています。あらゆる書き方において引っかかりなどは皆無で、欠点が全くありません。Fにしては線は太めです。そのおかげか細字なのにカリカリ感がありません。しなりを感じるような書き方はしませんが、18金の細長いニブは独特のショック吸収性を持っており、ボールペンなどと比べると紙へのタッチが軟らかいです。あえて欠点を挙げると、筆跡が単調で万年筆らしさがないことです。ただこれは細字だとそんなもんかもしれません。
プロシオンはスクリューキャップ式の万年筆ですが約3/4回転でキャップが外れます。軸を右手で、キャップを左手で持ち、ひねると持ち替えることなくキャップが外れます。その流れで軸を反転させ、キャップをポストしますので、スライドキャップ式と時間的な差はほぼありません。ペン先の安定感やインクフローが普段使いにちょうどいいです。収納時にインクが乾きにくいスリップシール機構が実装されているので顔料インクも安心して使えます。顔料インクは耐水性が高いのでサインや宛名書きにも使えます。中字なのでカリカリ感は全くありません。独特の筆記音がしますが、紙の繊維を噛み込むような不快さはありません。
個体差やインクとの組み合わせの影響もあると思いますが筆記線の太さも気に入っていて、プレジールの中字05よりも細めです。印象としてはプレジールの05が少し太すぎなのかもしれません。
中字と言われると少し太い感じもするのですが、例えばゲルボールペンで一般的によく使われる0.5と比べてみましょう。
今回比較に使ったのはエナージェルインフリーの0.5ブルーブラックです。むしろ、プロシオンのMの方が細いくらいに見えませんか。
参考までにいくつか比べてみましょう。
個人的には鉄ペンとしてボーテックスを一推ししたいのですがm残念ながら廃番品で現時点で入手できる場所が限られていますので、選びませんでした。興味がある人はmasahiro万年筆で検索してみてください。わたしはそこから買いました。
下のリンクではキャップレスの代わりにキャップレスデシモのブラックを示しました。プロシオンはわたしが使っているのと同じものです。
パイロット 万年筆 ノック式 キャップレス デシモ ブラック 細字(F) FCT-15SR-B-F
- 出版社/メーカー: ?パイロットコーポレーション
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