万年筆のよさ

#3776がだんだん使いやすくなってきました。

インクフローが少し渋いのと、ファーストタッチでインクが出にくい感じがあったのですが、これも新品の書き味として楽しもうと思い、あえてペンクリニックには出さずに、使い続けました。

いい状態のペンは書き込むと結構書き味が変わってきます。状態や書き方にもよると思うのですが、今回の#3776の場合、コンバーターで10回分程度でだいぶ書き味が変わってきました。ある程度はペンに自分が慣れてくるのもありますし、使っているうちにペン先に程よい傷がついたり、ペン先が開いたりするのでしょう。万年筆のなじみというのがどういう現象なのかよくわかりませんが、書いているうちに書きやすくなる万年筆はあります。

ただし、ひどいザラツキや個体差によってはいくら書き込んでも書き味がよくならないものもあります。そういう時にはメーカーに出して調整してもらうか、ペンクリニックで状態を見てもらった方がいいと思います(思ったようになるとは限らないので、あくまでも自己責任ですが)。

万年筆には上に述べたような個体差や状態変化があります。その他にも、インクも頻繁に補充しなくてはいけなかったり、定期的に洗浄しなくてはいけなかったり、定期的に使ってインクがドライアップするのを避けたりしなくてはいけません。また使っているときも、数分以上放置するときにはキャップをする必要があるなど、多々、面倒くさいことがあります。場合によっては、紙との相性も考えてあげなくてはいけません。

その一方、筆圧なく筆記ができ、筆記線がシャープで安定しているなどのメリットがあります。インクを選べば鮮明で好みの色で筆記できます。また、ペン先がしなるので紙へのタッチがやさしく、程よい摩擦感のおかげで楽に筆記できます。

これまでの経験から言うと、ヒット率はおおよそ3割程度です。その中でも特にいいなと思うのは5本程度でしょうか。それなりに投資と経験が必要ですが、心からいいなと思えるペンを持つことは幸せだと思います。

高い万年筆を買うことが最高のチョイスかどうかはわかりません。わたしとしては、鉄ペンやエントリーモデルを使いながら、2,3万円クラスの万年筆に手を出していく方がいいと思います。わたしはいまそのくらいのレベルです。

それなりに高いペンを手に入れるときには、育て上げる覚悟を持つくらいの気持ちが必要だと思います。

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