サローヤンのパパ・ユーア クレイジーを読んだ。訳は伊丹十三だ。
まず始めに特徴的なのは伊丹十三の訳し方だ。あえて人称代名詞を略さずに訳したのだそうだ。そのため、次のような文章が存在することになる。「僕の父は僕の母に、彼女が僕と僕の父を彼女の車で送ることを断った」。もうこれは日本語としてギリギリセーフとアウトの間だと思うのだ。特に最初の方にこういう文章が多いような気がする。しばらく我慢してつきあうとだいぶ慣れてくるし、ここまでくどい表現は少なくなってくるように思う。
内容は親が子供に人生とはどんなものかを教えるというような話だ。読み進めるとどんどん本の雰囲気にはまり込んでしまう。多少わざとらしいと感じる部分もあるが、父と子供という設定のおかげでそれがむしろ魅力になっていると思った。
いつかまた読み返してみたい本。
- 作者: ウィリアムサローヤン,伊丹十三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1988/01
- メディア: 文庫
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