デジカメWatch ミラーレス一眼が導く市場環境の変化

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ミラーレス一眼はひとつの方向性ではあると思うが、近い将来、すべてのカメラがこの方式になることはないだろう。
あえてこの表現を使うが---なぜならミラーレス一眼は一眼レフじゃないからだ。つまり、レンズの光学像を目視できないというのがミラーレス一眼と一眼レフの最大の違いだと自分は考える。この記事では

速写性の低さやファインダー像の遅延などはミラーレス一眼の抱える問題

としているが、電子ビューファインダーを使用する限り、光学像と同一の性能になることはない。一方、ミラーレス一眼のメリットとして

詳細なシーン認識や撮影像のシミュレーション表示、撮像面上で高精度のフォーカスを検出するといったことは一眼レフカメラではできない

を挙げているが、この中でも「撮影像のシミュレーション表示」は便利な機能だと思う。デジタルエフェクトの度合いは光学像では確認しようがない。「記録されるデジタルデータをあらかじめ目視できる」というのがミラーレス一眼の最大のメリットだと思う。高精度のフォーカス云々はやりようによっては一眼レフでも達成可能な気がする。
2000年に発売されたオリンパスのE-10というカメラは一眼タイプなのだが、いわゆる一眼レフにあるようなミラーがない(参考:OLYMPUS E-10 をゲット!というサイトの光学系の構造図)。この方式はビームスプリッターと呼ばれる部品で光を分けるのでファインダー像や撮像素子が受ける光も少なくなるような気がするのだが、アイディアとしてはおもしろい。この方式を改良して、「必要に応じて」撮像素子の電子像「も」光学ファインダーで確認できるようにすればおもしろいカメラになると思う(技術的な根拠はまったくないが)。つまり、ハイブリッドファインダー一眼レフ方式とでも言えばいいだろうか。通常の一眼レフのようにファインダーで光学像を見るのだが、必要なときにファインダー内でライブビューを確認することができるというわけだ。技術的には無理やり詰め込めば何とかなりそうな気がする。これをコンパクトかつ安価に実装できればかなり売れると思う。これに近いのはSONYの「クイックAFライブビュー」だが、クイックAFライブビューはライブビューを背面液晶で見るので、ちょっと違う。


ソニーのクイックAFライブビューはなかなかおもしろい機能なのだ。一見、他のライブビュー機と同じように見える機能だが、根本的に違うのはライブビュー用のセンサーを上手に光学系に配置していることだ。わかりやすい画像があったのでここにリンクしておく。こういう技術はおもしろい。
自分がいうところのハイブリッドファインダー一眼レフはこのあたりをちょいちょいといじれば達成できそうな気がする。たとえば、クイックAFライブビュー時にファインダーの前に小型の液晶をメカニカルに挿入してしまうのだ。後は自然に見えるように視度調整してしまえばよい。もしくはファインダーの光軸をずらして内部の液晶画面を見えるようにする。たとえば、ファインダー目前にミラーを配置しておき、通常はミラーを跳ね上げてプリズム像を見るようにする。ライブビュー時にはミラーが挿入され、ファインダーの光軸を90度程下に曲げる。そうするとあらかじめ下に配置された小型液晶画面がファインダーから見えるというわけだ。そこにクイックAFライブビューと同様の技術で得た電子像を写しこめば、ハイブリッドファインダーの完成だ。カメラの頭が相当でかくなりそうな気がするけど。まぁ、想像だけならいくらでも勝手な設計ができるわけだが。

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