マーク・ピーターセン 「日本人の英語」

日本人の英語という本を読んでみた。アマゾンのレビューを見ると、相当評判の高い本であることがわかる。
この本はこれまで読んだどの英語の本とも違った。英語の感覚に徹底的にこだわった解説がなされているのだ。自分は英語がそれほど得意ではないのだが(そもそも、日本語すら自由に扱えていない)似たような視点は持っていた。つまり、「何で英語はこんな表現をするのだろう」ということだ。単語もいいたいこともわかるが、どうしてこういう単語を選択し、どうしてこういう順序でコレを表現するのだろうと思うことは多かった。というか、英語を読むといつもそのことが気になるのだ。この本はその辺の感覚を上手に説明してくれている。
正直、後半はうまく理解できない部分もあったし、自分の力では一度読んだだけでこの本の真意をくみ取ることはできない。今後何度か読んでみたいと思う。
この本の中で「理科系の作文技術」(木下是雄、中公新書)が取り上げられている。日本人の英語を半分ほど読んだときに、理科系の作文技術のことを連想していたので、139ページに「理科系の作文技術」という文字列を見たときにはちょっと驚いた。

日々、英語の論文に接するのだが、まだまだスラスラと読みこなせている感触はない。同じような内容を取り上げた論文ならばなんとなく読めている感はあるのだが、分野がずれるととたんに読めなくなる。つまり、英語を理解しているから読めているのではなく、内容がある程度推測できるので読めている感じになっているだけなのだ。

英語で情報の受信や発信を行う必要があるならば、少なくともこの二冊は必読書と断言してもいいだろう(理科系の作文技術は英語の本というわけではない)。日本語での作文にも役立つことが多いと思う---その結果が自分の場合この程度だが、それは自分の能力が足りないだけ。この類の良書はまだまだいっぱいあるんだろうな。続・日本人の英語っていう本もあるようだから、見かけたら買っておこう。
ちなみに、この「日本人の英語」はブックオフで105円で手に入れたのだが、新品で買いなおしてもいいくらいの価値は感じた。

日本人の英語 (岩波新書)

日本人の英語 (岩波新書)

続・日本人の英語 (岩波新書)

続・日本人の英語 (岩波新書)

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

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