横道世之介(毎日新聞社)

先日の出張帰りに買った本を読み終えた。
長崎出身の主人公が大学入学とともに東京に出てきてから1年間の物語である。
鹿児島から東京の大学(学部時代に通った校舎は千葉県だったが)に入学した自分と状況が似ているなと思いながら読み始めた。また、作者の吉田修一という人が1968年生まれだそうで、時代背景もちょうど自分が大学生だった頃と一緒なのである。そんなこともあり、なんというかまるで自分の体験を読んでいるかのようだった。しかも、世之介は大学一年生のとき写真に興味を持ち、東京を撮影しはじめる。そこに至って、これは自分のことを吉田修一が小説にしてしまったに違いないと思い始めた。
きっと、読んだ人のほとんどが自分のように「あぁ、わかるわかる」と感情移入してしまう、そんな小説ではないだろうか。

横道世之介

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