パーカーのクインクフローのリフィルの形が何かに似ているなと思ったらOHTOのvi-vicのリフィルPS-107NPだった。
↓上がクインクフロー、下がPS-107
調べてみると、パーカータイプのリフィルはISO 12757(JIS S 6039)のG2という規格で定められているようだ。
実際に入れてみるとぴったりはまる。動作も問題ない。
↓OHTO PS-107NP
↓パーカー クインクフロー
オートのPS-107NPは「油性ソフトインク」という油性インクが入っていて、ペン先はニードルポイントになっている。JISの規格寸法を見ると、この部分の先っちょの部分の定めがないので、これで規格としては問題ないのだろう。下のリンクに図面と寸法が書いてある。
高級筆記具ジャンルのボールペンリフィル探究 | 趣味文CLUB
ΦCの寸法を見ると2.54 +0.03 -0.04とある。ペン側の穴の公差はわからないが普通は2.6程度で作るのだろう。公差ギリギリで作れたとして、2.54+0.03=2.57。これに加工の公差を加味するともう少し大きめに加工する必要がある。ここは2.57で作ったと仮定する。その時、リフィル側は2.54-0.04=2.50までの寸法は許容される。その時の隙間は最大0.07となる。実際のペン側の加工精度を加味すると、0.10程度にはなるだろう。つまり、0.10 mm程度の隙間は規格的にどうしてもできてしまう。これがカチャカチャの主原因だ。
ノック式ではないが、uni-ball signoのリフィルは先端がテーパー状になったうえ、細い突起が円周に4本設置してある。
円周の突起が口金に対して締り気味に入っていき、最終的にはテーパーに沿うようにペン先が固定される。ノック式をこれと同様にすると、リフィルが戻りにくくなるので、突起は無くし、割と角度の小さいテーパーで接触するようにすれば原理的にガタはなくなると思う。ガタを無くしたいだけならそれでいいが、公差を付けると、ペン先からの飛び出し寸法が一定しないという欠点が出るかもしれない。となると、角度を大きめにして、狭い範囲でテーパーが利くようにすればいいのだろうか。とにかく、ノック式ペンのペン先のガタを未だに設計的に解決したボールペンが存在しないのは不思議だ。
あ、PS-107NPの油性ソフトインクに関してはすぐに詳しい情報を引き出すことはできなかった。10年以上前のほぼ日の記事に少し記述があった。
ただ、この記事にあるように水性っぽい感じは全くしない。旧油性と新油性の間だけど限りなく油性に近いインクって感じかな。嫌いじゃないけど、筆記感はクインクフローの方が紙当たりがソフトでいいと思う。
パーカー互換のインクはいろいろあるようなので、これから使うのが楽しみだ。パーカー互換インクの受け入れ先として、ジョッターを数本持っておくのもおもしろいと思う。