キュリダス(ナガサワ文具センターウェブサイト)、そして、万年筆の保管方法

ナガサワ文具センターのウェブサイトに、もうすぐ発売されるプラチナ万年筆のノック式万年筆「キュリダス」の詳しい情報がありましたので、紹介します。

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最初、SNSで情報を見たとき、ニブはプロシオンのに似てるかなと思ったのですが、よく見ると全然違いました。メーカーウェブサイトにニブの型番が書いてありました。「ペン先:ステンレスペン(ST-2)」。似たものを探すとカーボンペンのニブが似ていますし、型番も「STY-2」なので似ています。カーボンペンのニブには金メッキがなされているのでYはその意味だとすると(メッキの英語はplatingなので、Yの由来はわかりませんが)、形状は同じなのかもしれません。

ところで、ノック式万年筆の場合、インクの揮発性が気になります。メーカーのウェブサイトからデータをピックアップすると、キュリダスは1年で約30 %のインクが残存するようです。参考までにプレピー、プレジールは約60 %、#3776センチュリーは約72 %です(グラフからの読み取り値)。このデータはインクが満タン状態(1.2 cc)からのインク揮発テストのようですので、単純計算で言うと、プレピー・プレジールは年間0.48 ccのインクが失われることになります。同様に計算すると、キュリダスは0.84 cc、#3776は0.34 ccということになります。厳密に言うと、キュリダスのグラフには初期設定条件が書いてありませんので、もしかしたら、間違った考察になっている可能性があることを断っておきます。インク残量が少ない状態で月単位で放置すると、ドライアップする可能性があります。グラフを見ると、インクが少なくなるほど揮発速度が上がる傾向にあるので、インクが少なくなった時にはある程度使うことを意識したほうがいいかもしれません。

ちなみに、パイロットのキャップレスでインクがドライアップしたことはありません。

経験的なことをいうと、万年筆はペン先を上にして放置するとインクが乾燥して書き出しにかすれる傾向があります。ペン芯にインクタンクのインクが接していないわけですから、ペン芯のインクがどんどん揮発して濃度が高くなるわけなので、理屈的にもあっています。かといって、ペン先を下向きにするとインクが漏れるリスクもあります。わたしは基本的に万年筆は横置きにしています。横置きだとスライドキャップ式の万年筆でもそう簡単に書き出しからかすれるという状態にはなりません。もちろん、数か月も放置するとその限りではありませんが。

インクが入った万年筆は時々インクの量をチェックしたほうがいいです。もし、数か月も使わない状態が続くようなら、インクを抜いて、ペン先を水洗いし(一晩くらい水につけて、流水で軽く流します。色はしつこく出てきますが、少量はわたしは気にしていません)、よく乾燥させてから(1,2日、放置)、保管しておくほうがいいでしょう。

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