三省堂国語辞典の第八版が8年ぶりに発売されました。
三省堂国語辞典は新語に強いと言われていて、「要するにそれは何か」が分かる簡潔な語釈が特徴です。
アウティング/赤信号みんなで渡ればこわくない/eスポーツ/犬笛/インフルエンサー/ウェビナー/エコバッグ/遠慮のかたまり/置きに行く/ガテン系/壁打ち/完コピ/完母/ギャン泣き/きょうイチ/キラキラネーム/香害/など、約3500語が追加されています。ここに挙げたごく一部の言葉を見ても、最近使われるようになった言葉が豊富に収録されていることがわかると思います。
一方、MDやスッチー、着メロ、ピッチ、ペレストロイカなど、多くの言葉が収録されなくなっています。
これについて編集者の一人である飯間さんは次のようにツイートしています。
「スッチー」などの語を削ると、意味を知りたい人が困るではないか、という批判をなおもいただきます。でも、「そもそもそれを載せていた辞書自体少ない」という指摘は、私たちにとって援護射撃になります。約8万語で現代日本語の肖像画を描こうとする時、これらの語の優先度はやはり下がるんですね。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) December 16, 2021
また、「ネットで検索して解決する場合は、辞書の出番はない」とさえ言い切ってしまってます。
日経xwomanの取材を受けました。『三省堂国語辞典』第8版はジェンダーの問題も真面目に考えたつもりです。あと、〈ネットで検索して解決する場合は、辞書の出番はないんです〉と言い切ってしまいました。▽新語の傾向とネット時代に辞書を編む意味 飯間浩明:日経xwoman https://t.co/J8LlSvPMLL
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2021年12月20日
さて、現物を見ていきましょう。
三省堂国語辞典は横幅が少し小さめのB6変型判で使いやすいと思っていたのですが、第八版から小型国語辞典でよくあるB6判に変わりました。
紙面が大きくなったので全体的に見やすくなっています。
写真の撮り方で第七版の活字が大きめに見えますが、実際は第八版の方が大きいです。見出しのフォントも太くなって見やすくなっています。
小口の表記も工夫されています。
第八版には「由来」などのお役立ち情報アイコンが追加されました。語釈もかなり変わっています。
詳しい特徴などは特設サイトを見てみてください。
dictionary.sanseido-publ.co.jp