最近、改めてドクターグリップの良さを再認識しているところです。この流れでドクターグリップ エースは外せないということで買ってきました。
ドクターグリップ エースには4つの機能が備わっています。
- 疲れない ドクターグリップ
- 折れない アクティブサスペンション
- 芯がなくなることを知らせる ラスイチサイン
- 芯を振って出す フレフレ機構
重量は21.6 gです。フルブラックが19.7 gなのでフルブラックよりも少し重めです。
ここでドクターグリップのラインナップを少し並べてみましょう。
上から
エース
フルブラック
Gスペック 0.9
CL プレイバランス
オリジナル
グリップはドクターグリップと同じ形状です。ただし、二層構造ではなく一層構造です。ドクターグリップにしては硬めですが、私はむしろ硬めの方が好きです。多機能ペンの4+1も一層構造ですし、最近出たばかりのプレイバランスも重りを入れた部分は結構硬いです。私はドクターグリップ エースのグリップの硬さには理由があると推測しています。また後で触れます。
アクティブサスペンションは芯が折れないだけでなく、筆記時の衝撃を最大50%減少させる機能があります。ペン先の構造が結構特徴的です。
中はこういう構造になっていて、モーグルエアーとほぼ同じものが内蔵されています。
ここで、代表的な折れない系シャープペンシルのおさらいをしておきます。
上から
- ぺんてる オレンズネロ
- ぺんてる オレンズ
- プラチナ オレーヌ+
- プラチナ プレスマン
- プラチナ プロユース171 0.5
- ゼブラ デルガード タイプER
- パイロット ドクターグリップ エース
オレンズネロやオレンズは芯を出さずに書くタイプでこの方式は基本的に折れません。
プラチナのオレーヌ+、プレスマン、プロユース171は全て芯がひっこむ系です。ある程度の筆圧が掛かったら軸方向に芯が引っ込みます。この方式は単純に芯だけがひっこむだけなので、斜め方向の力にはあまり能力を発揮しません。ただ、プロユース171は早めに動作するのである程度効きがいいです。
デルガードはある程度の筆圧が掛かると口金ユニットが飛び出してきて、芯を守ります。斜め方向の筆圧にも有効なのでかなり折れにくいのが特徴です。
ドクターグリップ エースのアクティブサスペンションは筆圧がかかると芯がひっこむのでひっこむ系の一種ですが、斜め方向の力を逃すように口金ユニットがしなります。究極の折れにくさという点ではデルガードよりも少し能力が落ちる感じですが、普通に筆記する限り、折れることはほとんどないと思います。
次に、それぞれが動作する際の筆圧を簡易的に計測してみました。計測は秤にペン先を押し当て、機構が動作するときの重量を読み取ることで行いました。オレンズ系はクッション系ではないので、計測値はありません。
- ぺんてる オレンズネロ N.D.
- ぺんてる オレンズ N.D.
- プラチナ オレーヌ+ 370 gf
- プラチナ プレスマン 450 gf
- プラチナ プロユース171 0.5 270 gf
- ゼブラ デルガード タイプER 400 gf
- パイロット ドクターグリップ エース 210 g
この数値から、ドクターグリップ エースのアクティブサスペンションは最も軽い荷重で動作することがわかりました。また、それよりも軽く書いていても、ガイドパイプがしなるように動きます。最初は少し変な感じがしましたが、しばらく筆記していると万年筆に似た独特の柔軟さに似てる気がしてきました。最初にグリップの硬さには理由がるのではないかと書きましたが、その理由がこれです。つまり、ペン先がしなるので、それに加えてグリップまで柔らかくしてしまうと、正確な筆記に影響が出過ぎると考えたのではないかと思います。アクティブサスペンション機能はしなやかに動作するので違和感は少ないです。
使っていて少しだけ気になったのが、書き初めに少しだけ急にペン先がズレるような挙動があるのが気になりました。下の写真の矢印部分は筆圧が軽い場合にはペンの内側の先端に接しています。金属と樹脂が接したままズレるわけですから、高い静止摩擦係数から低い動摩擦係数に移行する際にガクッとした挙動をするのではないかと考えました。できるだけ滑らかに動き出すようにフッ素グリースを塗布したところ、そのような挙動が軽微にな理ました。
私は製図用シャープペンシルのような変わった機能のないようなリジッドな構造のシャープペンシルが好きです。なので、モーグルエアーにはそれほど魅力を感じませんでしたし、使ってみてもピンと来ませんでした。その延長線上にあるドクターグリップ エースも同様にあまり魅力を感じていませんでした。しかしながら、独特のしなやかなペン先、しなやかな書き味は気に入りました。