プロユース171はお気に入りの製図用シャープペンシルです。全芯径0.3, 0.5, 0.7, 0.9を揃えています。しかし、いくつか欠点というか、作り込みの甘さがあります。
まず、ローレットの品質が安定していません。芯径によるのか個体差なのかわかりませんが、グリップ力が高いローレットと低いローレットが混在しています。
次に芯硬度表示窓が緩すぎてすぐに回転してしまうものが混在しています。最後に芯交換キャップが変なところで外れます。下の写真の黒い部品が何の役に立っているのかよくわからないんです。普通はキャップをはずずと消しゴムが見える状態になって、消しゴムを外すと芯を補充できます。プロユース171の場合、黒い部分が外れたりします。それでも芯を補充することはできます。しかし、どこで外れるかに個体差がありますが黒い部分が外れることが多いです。実用上は困りませんが、こういう構造である必然性はありません。唯一、役立ってると考えられるのは、内部構造のガタ取りです。黒い部品が内部ユニットの太さを稼いでいるため、内部でユニットがブレにくいです。
2020年7月にプロユース171のマットブラックが販売されました。ネットの情報を見ると、このあたりの構造に改良が加えられているようで、気になっていたのですが結局買わずに時間が経ってしまいました。
やっぱり気になるので買おうかなと思っていたところに、Limited Editionの情報が流れてきたので、せっかくだったらLimited Editionを見てからどうするかを決めることにしました。
2022年3月8日が発売日だったのですが、広島市内の文房具店には全く置いてありませんでした。聞いてもこれに関しては入荷予定はないと断言するショップが多く、入手は諦めていました。時々ネットをチェックしていたのですが、9日にネットにLimited Editionが楽天で売っているのを発見しました。現物を見て決めたかったのですが、エイヤと速攻でポチりました。
Twitterなどを見ていると、色味がウェブサイトと全然違う写真があったりして、若干心配だったのですが、現物はこんな感じです。
こんな感じと言われても、モニターの環境が違うと思うのでどう見えているのかよくわかりませんが、少なくとも私のMacでは現物に似せて編集しました。光源によっても見え方が違うので何とも言えないところはありますが、第一印象は、最初ネットで情報を見たときのイメージと一致していました。
ペン重量は24.38 g。定番品は23.54 gなので、0.84 g、Limited Editionが重いです。この重さの主な原因はキャップ重量の違いです。
Limited Editionは3.82 gなのに対して、定番の方は2.53 gです。その差が1.29 gなので、ペンの重さ自体は0.45 gほどLimited Editionが軽いのですが、これは黒いパーツが省かれたのが主な原因ではないかと考えています。
その代償として、少し内部ユニットにガタつきが出ていますが、気にするほどのガタつきではありません。振ると音はしますが、筆記時に影響があるようなガタつきではないです。気になる場合はキャップにテープを一巻きすると音は全くしなくなります。
ローレットにも改良が施されています。
拡大してみましょう。
ピラミッドの頂点が切断されたような形です。まぁ、普通のローレットって感じです。
一方、定番品のローレットはこんな感じです。
ピラミッドの頂点を切断し、さらに線が入ったような形状になっています。こちらの方がこだわった形状になっています。しかしながら、頂点の大きさに個体差があるため、グリップ感にかなり差があります。上の写真のローレットは滑りにくいものを選んでいます。
Limited Editionのローレットは秀逸だと思います。滑りにくいですが、ローレット独特の当たりの強さは上手に抑えられていると思います。
口金はマットブラックと違い黒くないです。黒い方がカッコ良さそうな気もしますが、口金付近は塗装がすぐに取れそうな気もするのでこれはこれでいいと思います。実用上は全く気になる部分ではないです。
並べて観察してみましょう。
だいぶ雰囲気が違います。
芯クッション機能は定番品は約280 gfで動作し、Limited Editionは350 gfで動作します。秤を使った簡易的な計測なので絶対値はおおよその目安ですが、Limited Editionはクッションが固くなっているのは間違いないです。
ここからは自己責任パートです。
箱には分解しないように書いてありますが、171のシュノークシステムは動きが渋いです。
原因は口金のネジです。内部に少しグリスを塗ってあげるとスムーズになります。ただし、動作が軽くなるので動きやすくなります、重めの動作が好みの人は塗らない方がいいと思います。
定番品の品質が最近どんな感じなのかわかりませんが、買うならLimited Editionですね。マットブラックは触ったことがないので何とも言えませんが、Limited Editionはベースがマットブラックらしいので、マットブラックでも同じように改良が施されていると思います。
シュノークシステムに若干ガタつきがあるのがたまに気になりますが、これは構造上ある程度仕方がないことなのかもしれません。
ツチノコプロユースほどではありませんが、だいぶ完成度は高くなっていると思います。
グリップの塗装が剥げてくるとまた渋さが増すと思います。