オレンズネロはいい感じだけど、欠点がないわけではない

万年筆を使うようになってから筆記角が小さくなり、筆圧が低くなった。

オレンズネロが最強だからって、万年筆のような筆記角で書くと、筆圧がパイプに取られて線が弱くなる。イメージ的には下の図のような感じだ。

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ペンを若干立て気味に書くと割と心地よく書ける。

ところで、オレンズネロの芯がなくなると、書くときにパイプがスカスカと押し込まれるような感じになる。芯に到達すると、その状態でも書けないことはないが、芯が詰まる前に取り除いた方がいいと思う。

ぺんてる オレンズネロ 0.2

今週か来週には予約していたオレンズネロ0.2が来るはずなんだけど、どうしても早く使ってみたくてLOFTで買ってきた。

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結論から言うと、自分の場合、書き心地はオレンズメタルリミテッド0.2の方がいいと思う。

オレンズは偏減りが進むとパイプが邪魔になりうまく芯が紙に当たらない状態になってしまう。オレンズネロはパイプが常に飛び出すように力がかかっているせいかこの傾向が強い。

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オレンズネロの場合、リーガルパッドのように柔らかめで粗い紙だと筆記しにくい。

対策としては次のようなことが考えられる。

1.気にしない: かすれて全く書けないことはないので、気にしないのは一つの手だ。

2.ペンを意識して回す: ペンを回すことで芯の尖った部分が紙に当たるようになるので結果的にパイプが紙に当たりにくくなり、書きやすくなる。ただ、オレンズ0.2のメリットを活かすならペンは回したくないところ。

3.筆圧を強めにする: 筆圧を強めにするとしっかりした筆跡で書くことができる。

オレンズネロは0.2, 0.3共に好みが分かれるかも。

とはいうものの、オレンズの0.2 mmの場合、HBでも結構頻繁にノックする必要があるので、0.2 mmのB芯でノックなしで筆記ができるというのはなかなか快適だ。

Ain STEIN 0.3 2Bをオレンズネロ用に買ってみた

オレンズネロは本当に画期的なシャープペンシルだ。

これまでのオレンズはパイプはフリーに近い状態で駆動力はなく、一度引っ込んだパイプはそのままだ。その挙動のおかげで筆記時の摩擦によりパイプが適度に引っ込むので、芯は若干飛び出した状態となる。

オレンズネロは芯をある程度引き出そうとすると同時にパイプが常に一定の力で飛び出そうとしている。そのせいで紙面にパイプが当たる割合が多く、線の方向によっては線そのものがすごく弱弱しくなる。リーガルパッドのような比較的柔らかい重ねた紙の場合は傾向が顕著で線が弱くなる傾向にある。

そういうわけで濃い芯を使えば若干この傾向が弱くなるのではないかと考えた。

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ところで、0.2 mmのノーマルオレンズの場合、HBでも芯の減りが比較的早いので2Bのように柔らかい芯だとノックの頻度が上がる。しかし、オレンズネロは芯一本丸まるノックなしで筆記できるのでその心配はない。また、細芯でもオレンズシステムのおかげで折れることはない。

実際に筆記してみると線は濃くなったが、線が細くなる傾向はそれほど変わったように感じなかった。オレンズネロ0.3の場合、ある程度筆圧をかけて書く人には問題ないと思うけど、筆圧軽めでサラサラ書く場合にはオレンズメタル0.2の方がはるかに筆記感がいい。

芯が細い方が結果的に筆記圧力が高くなるので、オレンズネロ0.2が自分には合っているかもしれない。早く来ないかなぁ。

 

 

トラベラーズノート パスポートサイズ 005軽量紙

パスポートサイズのトラベラーズノートはテンポラリーなメモ用に活用している。パスポートサイズには月間と週間フリーの手帳リフィルを挟んでいるんだけど、2種類の手帳を使い分けるほど器用じゃないので、結局使ってなくて、外した。

テンポラリーなメモの場合、破って人にあげたり、手帳に貼り付けたりしたい場合がある。005軽量紙リフィルにはミシン線が入っていて切り取ることができる。パスポートサイズの使い方にはこの方が使い方が合っているのではないかと思って買ってきた。

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005は軽くて薄くてページ数が多い。しかし通常のMDペーパーの方が書き心地はいい。

 

トラベラーズノート リフィル 軽量紙 2冊パック パスポートサイズ 14371006

トラベラーズノート リフィル 軽量紙 2冊パック パスポートサイズ 14371006

 

 

ぺんてる オレンズネロ 0.3

オレンズネロの0.2はすでに近所の書店に注文済みなんだけど、その店舗自体には入荷はなく系列の大型店に入荷したのを転送してくるらしい。世間的には今週末くらいが発売開始なので、早ければ来週中くらいには来るかな。

でも、いち早くオレンズネロを使いたいので実店舗で見かけたら0.3を買おうと決めていた。昨日、Twitterとか調査してたらロフトは今日から店舗に陳列するという情報がちらほら見られたので、昼休みにロフトに行ってみた。(運よくたまたま市街地へ外出していた!)

広島LOFTには0.2と0.3が6本ずつ陳列してあった。自分は会社を出る前に電話で取り置きしてもらってたのですんなり0.3をゲット。

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オレンズネロは、世界初のノック式シャープペンシルを生み出したぺんてるの今の技術を惜しむことなく投入した最新モデルのシャープペンシルである。0.2 mmの極細芯でさえ折れない「オレンズシステム」に加え、ペン先を紙面から離すたびに芯が出てくる「自動芯出し機構」を搭載している。

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口金部分は金属だが、グリップはナイロンに鉄のフィラーを充填した素材、軸後端部はABS樹脂だ。重量的に金属っぽいんだけど、基本的に樹脂材料でできている。

重量は18グラムでシャープペンシルとしては若干重めだが、重すぎてしんどいという程ではない。参考までにシャープペンシルのおおよその重量を示す。

ぺんてる オレンズメタルグリップ: 14グラム

ぺんてる スマッシュ: 13グラム

ぺんてる グラフ1000: 11グラム

パイロット ドクターグリップフルブラック: 20グラム

ステッドラー 925 25: 17グラム

ロットリング 800: 28グラム

ロットリング ラピッドプロ: 25グラム

パイロットS3: 11グラム

↓外観の比較: 上からS3、オレンズネロ、オレンズメタルグリップ、スマッシュ、グラフ1000

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ペンの長さやクリップの位置などはグラフ1000に近い。

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グリップは12角形に滑り止めの横筋が入っているようなデザインで、安定感は抜群だ。角がないので手が痛くなる感じもない。ペンのグリップとしては秀逸。

オレンズネロはワンノックして芯が出ない状態で書き始めるのだが、このワンノックの感触がかなりしっかりしている。カシュっ!と出てくる感じ。ペン先を収納するときには紙とかに押し付けてしっかりと中に入れてロックする感じにしないとちゃんとパイプが収納されない。

↓ペン先が収納された状態。ちょっとだけ先端が見えるのが正常らしい。

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実際にしばらく使ってみた。

オレンズネロのチャックはボールチャックというもので、芯が出る方向には固定されないけど、芯が引っ込む方向には固定されるというものだ。遊びや芯が押し戻されるような感じは全くなく、剛性感がある。爪の先でパイプをわざと押し戻すと芯が露出するが、おもむろに手を離すと芯が露出した状態でパイプが飛び出してくる。芯をつかみ、引き出すと芯はいくらでも出てくるのだが、いったん引き出した芯を押し戻そうとしても全く戻らない。これがボールチャックの素挙動だ。

筆記時のファーストインプレッションはほぼ予想通りだった。つまり、金属パイプが紙面をなぞっているような感触が割と強い。特に筆記角が小さいとその感触が強くなる。力の半分くらいを金属パイプに取られている感じがして筆圧が低い場合には思ったよりも線が薄い感じになる。そのまま片減りするまで筆記を続けると違和感はなくなる。

下の写真はオレンズネロ0.3とオレンズメタルグリップ0.2の筆跡の比較。

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通常のオレンズはパイプがほぼフリー状態なのでパイプに筆圧を取られている感じはほとんどない。また、芯が細い方が面圧が高くなるから線は細いけど筆記濃度は高い。

通常のオレンズ0.2 mmは芯が細いので結果的にノック頻度が高くなるので硬めのHBがベストバランスだと思うが、オレンズネロの0.3 mmの場合、芯が太いうえにパイプが外に飛び出そうとする力を持っているのでBくらいの芯の方が楽に筆記できるような気がする。

紙面への引っ掛かりのようなものは皆無で、なめらかに筆記可能だ。ただし、筆記感そのものはオレンズメタルグリップの0.2 mmの方が気持ちがいい。こちらに関して言えば、慣れたせいもあるだろうが、ほぼ完ぺき。

「自動芯出し機構」は非常に素晴らしい。さっきも書いたように、芯自体はボールチャックでがっちりホールドされているので、ペン先がぐらついたり芯がへこんだりするような挙動は一切ない。筆記時にパイプが紙面に触れると少しだけパイプが内部に入り込む。パイプ先端を紙から離す度にパイプは芯を保持したまま元の長さに戻る。このサイクルが筆記時に延々と繰り返される。芯が出てるわぁと感じることなく、淡々と同じコンディションを維持する。挙動はパーフェクト。全く違和感ない。当然、ワンノック後は芯がなくなるまでノックは不要だ。このメカニズムは一度体験する価値がある。

個人的にはオレンズはやはり0.2 mmが本命だと思う。0.3 mmに若干残る違和感は0.2 mmで気にならないくらいになるのではないかと予想している。

とはいえ、オレンズネロ、仕上がりは想像の上を行っており、慣れたらきっとこれ以外のシャープペンシルは使えないのではないかと感じるポテンシャルを秘めている。発売当初は品薄が予想されるけど、これが限定品でなく、定番品として販売され続けることを望む。

 

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