カスタム74は毎日使っているうちにだいぶなじんできたような感じもあるんだけど、筆圧をかけないと書けない感じがあるのと、筆記体を書くと部分的にかすれることがある。知らず知らずのうちに手に力が入り、なんとなく疲れるのが不満だ。また、普段使いでは、◯とか→のような図形を多用する。しかし、図形では結構な頻度で先がかすれる。線がかすれると気分ののりが悪くなってしまうのだ。
パイロットのカスタム74を買うまで知らなかったんだけど、セーラーとかパイロットは年に数回、ペンクリニックなるイベントをやっているらしい。ペンクリニックというイベントは、基本的にメーカー問わず、無料で調整してくれるというのだ(モンブランはなぜか別料金)。
セーラーのペンクリニックは年に一回、この時期に行うそうだ。今年は1月31日、2月1日が開催ということで、今日、さっそく行ってみた。
12時前くらいに行ったところ、受付番号は32番で、自分の時間は14時前後になるだろうとのこと。順番が近くなったら電話してくれるということだったので、その間に買い物したり、喫茶店で時間をつぶした。
今日、明日共に先着50名と書いてあったので、割と早めに行ったほうがいいのかもしれない。
今日のペンドクターはセーラー株式会社の長原幸夫さん。セーラーのホームページでおなじみだ。
どういう話をするのか興味があったので、待ち時間の時に少し話を聞いていたのだが、長原さんは話が上手で、上手に万年筆のことやそれにまつわる話しを引き出していた。
自分の番が来た。ちょっと緊張。
「えっと、壊れているとかそういうのじゃないんですけど」
「ちょっと、あいうえおって書いてみてください」
あいうえお。ちゃんと書ける。そう、日本語はそんなに不満なく書けるのだ。
「ふーん」
「あのですね、筆記体でサインするとかすれるんですよ」
サラサラっ。
「はぁ~ん」と頷きながら、ペン先をルーペで観察する長原さん。
「わかります?」
「なるほど、わかりますよ」と言いつつ、素早くペン先を引き抜く長原さん。
10分ほど雑談しながら、ペンを削ったり、手で調整したりしていた。
「はい、できました。書いてみて」
紙に書いてみると、今までとぜんぜん違う感触に驚いた。まさに自分が望んでいた書
き心地だ。
「ペンを当てて、そのまま押すように書いてみて」
ススッっと線が引かれる。この状態では線が描けないのは知っていた。
「こんな風にして線が引ける万年筆ってそんなにないんよね」
最後にハンコをもらい、終了。
自宅に帰り、書いてみるとぜんぜん違う書き心地にであることを改めて感じている。筆圧を全くかけずに適度なフローでインクが紙に置かれていく様は快感だ。これがホントの万年筆の良さなんだなぁ!おそらくパイロットが考える初期状態とは異なる筆記感になっているのかもしれない。でも、自分が万年筆に求めている筆記感は限りなく今のほうが近い。全く別物と言っても過言じゃない。まさか、こんなに変わるものとは思っていなかったのでびっくりしている。書くのが超楽チンで、もう万年筆以外の筆記具は使いたくないくらいだ。
長原さんありがとう!
正直、細さはFっぽくなり、少しカリカリ系になったが、これは使い込むうちになじんでくると思う。
ちなみに、次の長原さんのオススメはプロフィット21のBをFくらいに削ったものだそうだ。Bの方がニブが大きくてペン先が太く作ってあるので、最初からFのものよりも、BをFまで削り込んだほうが、懐の深い万年筆になるそうだ。ペンクリニックがあるときに購入してくれれば、その場で削ってくれるという。
そんなことを言われると、来年、買ってしまいそうだ。商売上手。