GRはひとつの到達点

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GRというカメラを意識し始めたのは、森山大道という写真家の写真を見てからだ。GRと数本のフィルムをポケットに入れ、颯爽と街を歩きながらスナップシュートする森山大道の撮影スタイルはある意味驚きだった。そんなGRがデジタル化したのがGRD。GRDは改良を重ね、5代目にして、APS-Cセンサーを実装し、GRになった。

手ブレ補正機能が省かれ、自慢の1cmマクロも10cmマクロになってしまったが、GRは正真正銘、デジタル一眼レフ画質のコンパクトカメラだ。

しばらく使ってみて、GRの真髄は操作性にあると感じた。右手だけでほとんど全ての操作が最短の手順で実行ができる。まだ100%完璧とは思わないが、GRの操作性はハイレベルだ。最新のデジタルカメラの機能と比較すると、目立つような派手な機能はないが、写真を撮るということに関しては、とことんこだわっていることが伝わってくる。

デジタルカメラを使い始めた当初から、GRやHEXARのような高級コンパクトカメラのようなデジカメが欲しいと思っていた。基本的にカメラは小さい方がいいし、いつでも持ち歩いていたい。でも、写ルンですや写メ的な写真ではちょっと物足りない。

レンズは単焦点でもいいけど、明るくて、ISO800程度の高感度が常用でき、少々乱暴に扱っても壊れない小さくて頑丈なボディ、持ちやすいグリップと操作性のよさ、シンプルで物としての魅力を兼ね備えた、そんなデジカメはありそうでなかなかない。

あえて言えば、手ぶれ補正、防塵防滴、耐衝撃、バッテリーの長寿命化、ソフトウェア的には画質のカスタマイズ性の多機能化などが課題となるかな。必要以上の連写とかAF速度のアップとかは個人的には必要ない。画質はいいに越したことはないが、現状で大きな不満はないかな。

理想を追い求め、無駄なものをそぎ落としたら、GRになる。GRはひとつの到達点だ。

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