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万年筆は育つことを実感しつつある

使用頻度が高くないし、今年買ったばかりなので、まだまだ使い始めの段階といえるが、最近、プロフィット21を使っていて、雰囲気が若干変わってきたことを感じる。

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万年筆は自分に合わせて変化するといわれている。金属は弾性限界までの変形であれば元に戻ろうとする性質がある、つまり降伏点未満の力だと基本的には塑性変形しない。一方、摩耗はどうだろうか。古典的な摩耗モデルだと硬いインドスミンを柔らかいセルロースやリグニンにこすり合わせただけではそう容易に摩耗することはない。しかし、紙にはクレーやタルクという鉱物が充てんされていたりする。また、特に物と物が擦れる時、トライボケミカル反応という通常ではありえないような化学反応が起きているとされており、繰り返し摩擦を繰り返すとなにがしかの変化が生じていると思われる。また、微視的に見ると、金属表面は細かい凹凸状になっているものと思われ、局所的には降伏点を超えるような変形が生じている可能性は否定できない。つまり、小さいトゲみたいなものは丸く変形してくるだろう。

それはさておき、プロフィット21は筆記時にチリチリッとわずかに繊維質を引っ張っているような雰囲気を感じることがあった。紙に引っかかるようなことはないけど、小さなトゲが繊維を1,2本引っ張っているんだろうなという雰囲気の感触だ。最近、それがだいぶ軽微になったと感じる。こういうのを万年筆が育つというのだろうな。万年筆は使う人に合わせて変化するといわれるけど、物が人を認識しているわけではなくて、人が加える力には個人差があり、それに合わせてものが変化しているだけの事だとは思うけど、それが人の個性に万年筆が合うということではないかと言われれば、そうなのかもしれない。魂が物には宿るとは思うけど、とどのつまりは単なる物理現象ではないかという気持ちもある。一方、装置ではなしえない力のかけ具合というのはあり、それが物に対してどのような物理的な変化や化学変化を生じさせているのかというのに、すごく興味がある。あれ、なんかあまりうまく言えてないな。(;´・ω・)

ところで、プロフィット21は自分的にはサリサリ系のニブである。パイロットのコクーンなどはなめらか系だ。なめらかの方が心地よく感じやすいけど、若干サリサリしている方が好みだ。いずれにせよ引っかかりはよろしくない。

単純な書き心地の良さを求めるならコクーンのMニブが手っ取り早い。個体差もあるだろうとは思うけど、安価かつ最初から心地よく書ける万年筆は何かと問われればコクーンのMと答える。筆圧が高くないならFもおすすめだ。FはFなりのなめらかさがあり、これもまた心地いい。ただし、グリップのしやすさ、ペンバランス、ニブから伝わる摩擦振動の具合などを総合的に加味すると、古典的なプロフィット21に軍配が上がる。個人的にはプロフィット21は無理なことをせず、ゆっくり自分に合わせて育てていきたい。