モノクローム東京

多分、モノレールから撮影した写真だと思う。フィルム現像を自己流で始めた頃の写真で、現像にムラがあり、いわゆる失敗気味のフィルムだ。
はじめてフィルム現像をした場所はつくばの社員寮だった。ただのフィルムがレンズ越しに露光され、それをケミカルな操作で像にしていく作業はなんとも不思議な感覚だった。定着し、水洗されたフィルムを広げ、コマを見てみると、そこに小さな小さな世界が定着されていた。現実の縮小コピーが光とケミカルでフィルムに凝縮された様を見ながら軽くめまいのような官能的な感覚を味わったのをよく覚えている。
こういう風景は東京独特の風景だ。撮影した頃はあまり意識したことはなかったが、離れた場所から久しぶりに見ると、まさにこれは東京なんだなと思う。
ミスによるフィルムの荒れが、風景という現実とケミカルという現実とをクロスリンクさせ、異次元なシンクロを生み出している。
モノクローム東京を今日も車が駆け抜ける。

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