Pelikan M400の穏やかなる凄味

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はじめて手にしたM400は手放しで書きごちがいいというペンではありませんでした。書き心地という前に、ペン先が食い違っていましたから。しかし、その奥底には金ペンの懐の深さのようなものを感じることができるものでした。しばらく書くうちに、書き心地はかなり改善されたものの、どこかしっくりこない部分が残っていました。

だからこそ、今日のペンクリニックで見てもらおうと思ったんでしょうね。

夜、M400の試筆を続けてみました。

いいペンを手にすると、自然と筆圧が抜けます。軽く握り、ふわりとペン先を紙に触れさせ、移動させると、まるで飛行機雲が空を二つに分けるように明確な線がそこに現れます。ペン先から出てくるインクを紙の上に置いていくようでもあります。紙の凹凸がペン先から穏やかに伝わってきて、はじめて文字を書いているんだなと知覚します。ぷっくりと丸いペンポイントが生き生きとし始めます。

あぁ、これがM400というものなのか。

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