先週の土曜日の発熱はB型インフルエンザでした。症状がインフルエンザっぽくなかったので、病院に行くのが遅れ、熱が少し長引いてしまいました。水曜日には熱が下がり、丸二日発熱が見られなかったので、今日は大阪に出張です。
タイミングよくなんばCITYのペレペンナさんで仲谷さんのペンクリニックをやっているのを発見し、仕事の合間にペンを見てもらってきました。
どのペンを見てもらおうか迷ったのですが、無料で見てもらえるのは2本までなので、次の2本にしました。
1本目はセーラーのプロフィット21長原改。BからF~FM相当に削ってもらったものですが、直後から少しざらつく感じがあり、これが特徴かなと思っていたのですが、少しずつザラツキがひどくなる感じがあったので、最近、使用を中止してインクを抜いていました。2本目は特になかったのですが、ペリカンのM400のコンディションを見てもらうことにしました。
実は仲谷さんには広島のペンクリニックの時に会っがことがあります。詳しいことは言わずにペンを渡したのですが、ルーペでペン先を見ると同時に「これはペン先が開きすぎてますね」と言われました。わたしもルーペで観察していたので、そのことはわかっていましたが。「これだとね、右と左のペン先がバラバラに動くでしょ、そして、この部分が当たることがあるからザラツキを感じることがあるんですよ」と、図解しながらどういう症状かを教えてくれました。時々ルーペで観察しながら、ペン先の寄せをしてくれたのですが「あれっ、これは長原ジュニアのものだね?」と言われました。「そうです、広島でやってもらったんですよ、その時、仲谷さんには一度お会いしています」「長原さんの調整にちゃんと合わせておいたから」そういいながら、さらに少し調整し、ラッピングペーパーのようなもので当たりを取ったりしてくれました。
「書いてみてください」、そういいながらペンをわたしに渡してくれました。書いてみると、流石のひとこと。というより、ここまでよくなるものかと感心するほどの書き心地になりました。ザラツキや引っかかりは皆無になりました。ただ、単純にツルツル滑るとかそういう感じではなく、適度な摩擦感もあります。
手持ちの万年筆だと、キャップレスのFやTWSBIのFと同じくらいの筆記幅でしょうか。下の写真の三文堂というのがTWSBIのことです。
書き比べてみて、TWSBIのポテンシャルの高さを改めて感じる結果となりました。ペン先の滑らかさや安定感という点だけで言えばむしろ金ペンを凌駕しています。DIAMOND580はニブも大型なので鉄ペンとはいえ柔らかさも感じられます。しかし、金ペンと比べるとやはりそれは鉄のそれです。それがいいか悪いかは基準を決めないと言えませんが、鉄と金では書き心地が違うのは確かです。金には独特のしなりとなめらかさのようなものがあります。いうなれば鉄はピシっとシャープ、金は奥深さといった感じでしょうか。
2本目はM400。
「こちらは特に問題は感じていないんですが、コンディションを見てもらえませんか。あえて言えば、線を縦に引くときや、時々引っかかりのようなものを感じることがあるんです」
「それでは、そこに縦書きで名前を書いてみてください」
差し出されたロディアにわたしが名前を書くと「わかりました。外国製の万年筆は基本的に押し付けて連続した線を書くことが前提になっています。日本語は付けては上げての繰り返しですし、撥ねたり、掃ったりとアルファベットの筆記にはないモードがたくさんあるんですね。あと、個人個人の筆記角があります。このペンは基本的には全く問題ありませんが、少しだけあなたに合わせて角を少し取っておきますね。書けば角はもっとスムーズになりますから、書くほど書きやすく変化してくると思いますよ」
そんな感じで作業時間はものの1,2分でした。
「書いてみてください」
「ほほぅ、いいですね」
「その程度の試しでいいですか?」
「はい、いいです」
時間があまりなかったからというのもありますが、気になるザラツキが全くといっていいほど消えていました。まさにシルキータッチ。もともとM400は最近になってだいぶ書き味がいい方向に変化しつつあったのですが、一気に頂点に近い位置まで上り詰めた感じになりました。万年筆ってここまでの感じになるんだという驚きに近いものを感じるほどです。これで使い込んだらもっと書き心地が良くなると思ったら、大切にしなきゃなって気持ちになります。
ちなみに、9月には広島の福屋でペンクリニックするそうです。