新生活が捗る逸品

#新生活が捗る逸品

はてなダイアリーのお題です。

最近、あまり新しい文房具を買っていなくて、キャップレスもマルチ8もつい最近書いたばかりで、さて困りました。

 今回は文房具からあえて離れて、本の紹介をします。

私は仕事で多少なりともデータを扱う身なのですが、統計解析には苦手意識がありました。とあるトラブルでどうしても納得できないデータ解析を見せられたのですが、直感的にはなんかだまされている感を感じつつも、どこがおかしいのかよくわかりませんでした。

統計解析をまともに取り組んでこなかったという負い目もあり、去年の終わりくらいから心機一転、勉強し直すことにしました。何冊か簡単な本を読んで、なんとなく世界観を掴み、つい最近読み終わった本がこれです。まだ読み残しはありますが、一通り読んで、これはいい本だと思ったのでオススメします。

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表現が簡素でそっけない感じを受ける部分もありますが、何度も繰り返し読んでいくと必ず理解できますし、むしろ無駄のない記述が理解の妨げになりません。演習も変に難解なものはありません。

著者が副読本として書いたこちらも揃えておくと、たまに役立つと思います。こちらは通読するような本ではないので、つまみ食いでいいと思います。

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仕事でデータを扱う人には是非一度読んで欲しい本です。

今時はエクセルとかR、Pythonで簡単に統計解析ができます。しかしながら、本当に理解しているのかな?と疑問に思うことが多々あります。

一例を挙げると、計測器Aと計測器Bの測定値が同じかどうかを比較する場合、通常は「2つの母平均の差に関する検定や推定」を行うと思います。単に有意差検定とか言ったりするんですかね。あるとき、これを相関分析している人がいました。「相関係数が1に近いから計測器Aと計測器Bの計測値は同じである」というのです。大体似たような数値が出てきたので、錯覚したのかもしれませんが、例えば、(A, B)のデータの組み合わせが(1, 2), (2, 4), (3, 6)みたいに得られたとします。この場合も相関係数は1になります。相関係数が1であることは、データAとデータBが同じであること意味しません。つまり、使うツールを間違っているんですね。まぁ、この手の間違いを目にすることは少なくありません。

統計解析を勉強すると、なおさらそういうのが目につくようになります。自分も含め、理系の大学を出てても統計解析をそこそこ理解している人って意外と少ないんじゃないかという気がします。

繰り返し言います。仕事で数値データを扱う人は、絶対に統計解析の基礎は勉強しておいた方がいいです。それだけでちゃんとした実験ができるようになりますし、データの見え方が変わります。

ほとんど知識がない状態から読むともしかしたらいきなり2章くらいで???となるかもしれません。その場合には、かなり簡単な入門書を一冊読むことをオススメします。また、3章もちょっと理解しにくいと思います。統計の検定では通常「帰無仮説」という仮説を立てて、それを否定することで、「対立仮説」が正しいという論理を展開します。これは背理法なのですが、なんでこんな周りくどいやり方をするのかとか、「帰無仮説は「有意である」からそれを棄却し、対立仮説を採択する」みたいな言い回しが出てくるのですが、普通の会話感覚からすると、何言ってんの?ってなると思います。理解できなかったら、4、5回繰り返し読むことをオススメします。そうすると次第に慣れてきます。3章が理解できれば4章以降で理解に苦しむ部分はあまりなくなると思います。*マークのついているところはちょっと程度の高いところなので最初はすっ飛ばして読めばいいと思いますが、個人的には3章の3.3検出力のところはオススメです。この辺が理解できると、n数がもう少し欲しいねぇなんて時の根拠が理解できるようになります。

統計解析の基礎を学びたいなら、この本をなんの迷いもなく通読することを強く勧めます。私はこの本を読み込んでみて、初めて統計解析がなんなのかが少しわかったような気がしました。本によってはなんだか大上段に構えて拒否されてるんじゃないかと錯覚するようなものもありますが、この本はそうじゃないです。読めば読むほど、著者の理解して欲しいという思いが伝わってきます。一読の価値があります。私もまだまだ読み込んでマスターしようと思ってます。

 

入門 統計解析法

入門 統計解析法

  • 作者:永田 靖
  • 発売日: 1992/04/01
  • メディア: 単行本
 

 

 

統計的方法のしくみ―正しく理解するための30の急所

統計的方法のしくみ―正しく理解するための30の急所

  • 作者:永田 靖
  • 発売日: 1996/10/01
  • メディア: 単行本
 

 

 

完全独習 統計学入門

完全独習 統計学入門

  • 作者:小島 寛之
  • 発売日: 2013/06/17
  • メディア: Kindle版
 

 

 

 

 

 

 

はじめての統計学

はじめての統計学

  • 作者:鳥居 泰彦
  • 発売日: 1994/01/01
  • メディア: 単行本
 

 

統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)

統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)

  • 発売日: 1991/07/09
  • メディア: 単行本
 

 

 

統計学演習

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