誕生日

今日は誕生日。実は年男なのだ。
鹿児島からファックスが来ていた。母親の好きなエピソードが書かれていた。
おれが生まれた朝、じいさんが「タンクのところに白い花が咲いてたで」(じいさんは京都の人だった)と喜んで家にやってきたというエピソードだ。詳しくは忘れたが、滅多に咲かない花が咲くと同時におれが生まれたから、この子はきっとすごい子になるというわけだ。
このじいさんは時々不思議な予言のようなことを言う人だった。もの静かですらっと背の高い人だった。じいさんが死ぬ数日前、家に来て、当時姉ちゃんがかわいがっていた鳥を手にとって「この鳥、もうすぐ死ぬで」と言ったことがあった。姉ちゃんはその言葉にめちゃくちゃ怒ったが、実際、その鳥はすぐに死んだ。
じいさんが予言したようなすごい人にはなれていないと思う。でもまぁ、そこそこ普通に今まで生きてこれた。
どのような人でも人は生きているだけで何らかの価値があるものだとおれは信じている。誰でもいつかは死ぬ。それは誰にでも平等に与えられた運命だ。飯を食ったり、息をしたりするのと同じ調子で死は誰にでも普通にやってくる。それがいつかはわからないが、その時まで人はその人なりに淡々と生きて行かなくてはならない。生き続けることが最大の善意だと思うのだ。いつか確実にやってくる死ぬそのときを意識しながら、白い花のように生きて行ければいいなぁ。

写真はコスモス。
特製ストッキングフィルターをレンズの前にかざして露出オーバー気味に撮影している。カメラはDiAMGE A1。