「かぜの科学」を読んだ

 

かぜの科学:もっとも身近な病の生態 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

かぜの科学:もっとも身近な病の生態 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 自分は、風邪は基本的に簡単に伝染らないし、それはきっと人類にとって必要なもの、あるいは意味のあることであると考えている。

この考えはきっと、以前読んだ、「風邪の効用」の影響を多少受けている。

 

風邪の効用 (ちくま文庫)

風邪の効用 (ちくま文庫)

 

 しかし、風邪は辛いし、できることならかかりたくないのが人情というものだ。

この本は風邪を科学的に研究した結果を読みやすくまとめたものだ。自分はこういうのに興味を惹かれるので以前から気になっていたのだが、金曜日、ふらりと書店に入ったら、手にとってレジに向かっていた。自分の風邪に関するイメージがどの程度あたっているのか確認しておきたいというのが主な動機だ。

最近特に気になるのが冬場のマスク。外国に行くと不思議なくらいマスクをしている人がいないのに、日本ではかなり多くの人のマスク姿を見かける。新型ウイルスがどうのこうのというあたりから増えたような気がする。予防だけでなく、他人にうつさないためにも有効だと言われているが、どうもあやしいと思っている。しかし、自分も冬場の飛行機での移動や風邪はひけないぞという時期には気休めで付けることがあるので、まんざら信じていないわけでもない。いったいどっちやねんといういらだちが募る。

また、最近増えた殺菌ジェル。抗菌剤が練りこまれた樹脂製品、オヤジ臭を消すシャンプーや石鹸。世の中、目に見えぬ小さな生き物に対して戦々恐々としているわけだ。

じゃぁ、そんなものがなかった時代と較べて風邪の罹患率が変化したのか(自分もそんなの知らないけど)?そんなデータすら見ずに、盲目的に恐れ、金をつぎ込み、目に見えぬ敵に心をすり減らす、そんなのは変だ。まぁ、プラシーボ効果なんてのもあるわけで、100%無駄とは言わないが、何事もバランスが大切だろう。

この本を読むと、そんな疑問が割と多く解決できるだろう。

やっぱりねと思うこともあり、へぇと驚くこともある。

科学的な視点で冷静に物事は見ることの大切さを改めて感じた。

最後の付録には、風邪をひいてしまった時の対処法がいろいろ書いてある。

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