勉強には鉛筆と紙が必須(「Pythonで始めるプログラミング入門」がなかなかよかった)

このブログは文房具ブログに特化しようと決めてしまったために、本のこととかを書けなくなりました。でも、今日は少し書いてみようと思います。題目は無理やり文房具にこじつけました。

わたしはプログラマーでもないですし、日常的に頻繁にプログラミングをするわけではありません。しかし、簡単なプログラムを書くと仕事がやりやすくなることがあります。言語として使うのはPythonです。

これまでいくつかの入門書を読んで、お気に入りの書籍もあるのですが、つい最近読み終えてよかったのが「Pythonで始めるプログラミング入門」という書籍です。基本的な部分が非常に簡潔にまとめてあります。入門書を読んだことがある人は6章までは読まなくてもいいと思います。

7章からは簡単な数学の問題を短いプログラムで解いていきます。例題として扱う数学は基礎的なものですし、プログラムのレベルも初心者でも十分に理解できるレベルだと思います。慣れてくると、日本語の文章を読むよりも、プログラムを読み下したほうが理解が早いと思います。ただし、数学的な解釈は手を動かして理解する方がいいでしょう。

特におもしろいと思ったのが「モンテカルロ法」です。グラフの面積を求めるためには普通は関数の積分を行います。数値計算だと区分求積法が有名でしょう。グラフを細長い長方形に切り刻んで足し合わせていく手法です。モンテカルロ法は求めたい面積を含むような長方形を考え、長方形内にランダムに多くの点を描き、それが求めたい面積の領域内にあるかどうかを判定することで、点の存在確率を求めます。その後、最初に想定した長方形にその確率を掛けることで、求めたい領域の面積とします。いわれてみればそれでだいたい面積は求まりそうな気がしますが、ちょっとやそっとの点では誤差が大きすぎます。しかし、パソコンの場合、10万点や100万点くらいの点を打って、計算するのはお手の物。そのくらい点の数を増やすと、いい近似値が求まります。

f:id:digistill:20180527025312j:plain

方程式の解を求める二分法やニュートン法もおもしろいです。数値計算のこのような手法は高校で習うような数学的な手法とは全く異なる印象を受けます。しかし、いろいろやっていると、なぜあのような数学をやらされたのかがわかるときがあります。

扱っている例が数学なので、ちょっととっつきにくい印象を与えるかもしれませんが、内容は簡単ですし、非常に簡潔に書いてあります。問題には解答例もあります。Pythonの入門書としてすごくいいです。7章以降は特に順番に読む必要性はないので、興味のある所からやってみるのがいいと思います。出身校の人が著者というのも少し親近感があります。

最後にお気に入りの入門書を下に書いておきます。

PYTHoNで始めるプログラミング入門

PYTHoNで始めるプログラミング入門

 

 

 

実践力を身につける Pythonの教科書

実践力を身につける Pythonの教科書

 

 網羅的ではないですが、読みやすいです。

 

入門 Python 3

入門 Python 3

 

 これは外せない一冊。udemyの「Python 3 入門 + 応用 +アメリカのシリコンバレー流コードスタイルを学び、実践的なアプリ開発の準備をする」というコースを途中までやっているのですが、おそらくこの本を参照していると思われる部分が多いです。このコースはいいです。

 

Pythonからはじめる数学入門

Pythonからはじめる数学入門

 

 Pythonを使って遊ぶネタがたくさん載っていて面白い。matplotlibというモジュールを使ってグラフを描く方法がわかってから、日常業務でエクセルを使う機会がかなり減りました。

この本ではボールの投射運動の解析解を使って曲線を描く方法が載っています。これと数値計算で求めた曲線を比較したりすると面白いです。オイラー法だと誤差が大きいですが、4次のルンゲクッタ法を使えばかなりいい線で一致します。

マルマン レポートパッド

最近お気に入りのスタイルがA4用紙を横にして使うことです。

机が狭いですし、キーボードの手前ノートを置くとすれば、A5くらいがちょうどいいです。A4を横にするとA5の用紙を横に並べたような感じで使えるので、意外と邪魔にならないようです。

f:id:digistill:20180521213057j:plain

正直、紙はなんでもいいです。一番使用頻度が高いのはオキナのプロジェクトペーパーですが、最近使っているのは贅沢にバンクペーパーです。バンクペーパーは万年筆を使った落書き用に買ったのですが、万年筆+バンクペーパーの組み合わせがそれほど好きになれませんでした。放置するのももったいないのでメモ帳として使っています。

今回購入したのはマルマンのレポートパッドです。これは入手性もよく、価格もそれほど高くないので気軽に使えます。

60 g /m^2なので紙は薄めです。表面は非常に滑らかです。表面のコーティングがしっかりしてある感じです。万年筆でも全く裏抜けしませんし、鉛筆、ボールペン、なんでも普通に描き心地がいいです。

A4を横にして使う方法ですが、縦に二分割してA5 2枚分として使うのもいいですし、大きく使うのもアリです。ある程度まとまったテーマで書いたら、破ってホッチキスで閉じると簡易的なノートになります。割と自由度が高くていい運用方法かもしれません。これまたしばらく試してみます。

 

MONO HB

トンボ鉛筆の8900番はよく使っていましたが、MONOHBは使ったことがありませんでした。

f:id:digistill:20180521211904j:plain

今回購入した鉛筆の硬度はHBです。早速使ってみたところ、ハイユニよりも芯の密度が高いような印象を受けました。どちらかというとステッドラーのルモグラフに似ています。

ハイユニより好きかもしれません。

しばらく使ってみます。

 

トンボ鉛筆 鉛筆 MONO モノ HB 1ダース MONO-HB

トンボ鉛筆 鉛筆 MONO モノ HB 1ダース MONO-HB

 

 

鉛筆つかうなら補助軸も準備しておこう(ステッドラー 900 25)

これまでに何度か紹介していますし、最近も少し顔を出しているのがステッドラーの補助軸900 25です。

f:id:digistill:20180521115709j:plain

この補助軸はチャック部分がしっかりしていて、しっかりと鉛筆を保持できます。

f:id:digistill:20180521120647j:plain

固定には1センチメートルも必要ないので、ほぼ鉛筆を使い切ることが可能です。

f:id:digistill:20180521115611j:plain

ローレットは程よい目立てが施されています。金属表面自体が梨地に加工されていますので滑りません。また、ラジアル方向に線状の加工が施されていて、アキシャルな方向の滑りにくさも確保されています。

ローレット加工と一言で言っても、ダメなものはあります。ローレット加工は適切な設計をしないとむしろ滑りやすくなったりします。個人的にはステッドラーのREGのローレット加工は好きではありませんでした。

900 25には消しゴムも装備されています。

f:id:digistill:20180521115616j:plain

この消しゴムは回転して繰り出すような方式ではなく、つまみを回すと、つまみ全体が軸内に入り込み、結果的に内部に固定してある消しゴムが露出するというシンプルな方式です。直径5.6 mm、長さ20 mm程の消しゴムです。

製図用なので硬度表示窓もあります。

f:id:digistill:20180521115613j:plain

クリップ位置も秀逸で、ペン先からクリップ先端まで10センチ以上が確保されています。この位置ならクリップが邪魔と感じることは少ないでしょう。

f:id:digistill:20180521115620j:plain

鉛筆の長さにもよると思いますが、重心位置はペン先から8.5センチほどです。低重心というほどではないですが、バランスよく筆記できる位置にあります。

 ところで、少し前に和田哲哉さん(書籍「「頭」が良くなる文房具」の作者)のブログで知ったのがこの補助軸です。 

いまは私も商品開発について銀座五十音さんのお手伝いをしている、キャップ付き補助軸のパイオニア:万年筆風鉛筆補助軸「ミミック」。

ペンクリップの位置で見た目の印象が変わる - 和田哲哉 -LowPowerStation-

 信頼文具舗というショップで売っています。

五十音・万年筆風補助軸 ミミック | 信頼文具舗

万年筆っぽい仕上げがなされており、おもしろいと思います。

ステッドラー 鉛筆ホルダー 補助軸 アルミ シルバー 900 25

ステッドラー 鉛筆ホルダー 補助軸 アルミ シルバー 900 25

 

 

 

頭がよくなる文房具

頭がよくなる文房具

 

 

鉛筆 ステッドラー マルス ルモグラフ(鉛筆の特徴、魅力)

新品の鉛筆をエンゼル5で削りたくて、一度使ってみたいと思っていたステッドラーのマルス ルモグラフを買ってきました。

f:id:digistill:20180520203916j:plain

そこで手元にあった鉛筆を書き比べてみました。紙はバンクペーパーです。

f:id:digistill:20180520204016j:plain

ルモグラフの2B、4Bは結構なめらかです。4Bくらいになるとかなりなめらかでいかにも鉛筆といった感じの書き味です。

ハイユニに関して言えば、HBとBの違いはよく分かりません。2Bくらいになると柔らかさを感じます。ハイユニは基本的に筆跡が濃くて、なめらかなので、HBが一番実用的だと思います。

比較に使ったユニスターも悪くはありません。大量に筆記するときにはこのくらいのグレードの鉛筆で十分だと思います。8900や9852に関して言うと、若干芯がカサついて感じますし、塗装などの仕上げも劣る感じがします。メモ書きにはこれで十分でしょうが、勉強などに使うとなるとちょっと気分が上がってきません。

ルモグラフは国産鉛筆に比べ、軸が少し細いです。

非常に高品質な鉛筆だと思いますが、価格差を考えれば、自分にはハイユニのHBが合っていると思いました。

ところで、鉛筆の魅力の何だろうと少し考えてみました。

f:id:digistill:20180520204004j:plain

  • 芯が折れにくい
  • 消せる
  • 軽い
  • 六角軸で持ちやすい
  • 回転させやすい
  • 濃淡が出せる
  • シンプル
  • 安価
  • 香りがいい

などが思い浮かびますが、実用上最も重要なのは確実性でしょう。鉛筆は鉛筆という自分自身が存在する限り確実に筆記ができるのです。万年筆やボールペンのようなインク切れやシャープペンシルのような芯切れなどがありません。これは大きな特徴です。

調べてみると、筆記距離は50キロメートルあるらしいです。前提条件として、176 mmの芯に300グラム重の荷重をかけ、「の」の字のようなグルグルをただひたすら書いたとき、というのがあるようです。実際は芯を削って尖らせますし、筆圧もまちまちでしょうから、多く見積もっても半分以下かなという気がしますが、意外と長いと思いました。

鉛筆はシャープペンシルほど細い線を継続的に描くことはできませんが、回転させながら使っていると意外と太くなりません。

下のグルグルは回転させずに書いたシャープペンシルと回転させながら書いた鉛筆のものです。どっちがどっちかわかりますか?

f:id:digistill:20180520205632j:plain

ちなみに、芯の状態はこんな感じ。

f:id:digistill:20180520205634j:plain

正解は上がシャープペンシルで舌が鉛筆(ルモグラフ 4B)です。

筆記する部分は同じくらいの太さであることがわかるでしょう。鉛筆は削りたてからすぐは割と芯が太くなりますが、ある程度を過ぎると太くなる速度は割と穏やかになります。

細かい字でノートを取るときなどはシャープペンシルが適していると思いますが、上のように白紙にメモを取るときや、アイディアを練る時などは鉛筆や芯ホルダーのような筆記具が適しているように思います。

連絡はこちらから