油性ボールペンは筆記時にインクが重力により下に落ちてきます。上向きや横向きで長時間筆記すると、ペン先へのインクのスムーズな動きが妨げられるので、ペン先から空気が入ってくることがあります。いったんペン先に空気が入ってしまうと、書けなくなってしまいます。
加圧式のボールペンはそういうシチュエーションでも使うことが可能です。
また、インクが空気圧で押し出されるため、濡れた紙にも筆記が可能です。
この度、ゼブラから加圧式のボールペン ウェットニーが発売されます。
上記のようなハードなシチュエーションで使われることを前提としているため、ウェットニーはミルスペックMIL-STD810-516.6をクリアする耐衝撃性を備えています。ミルスペックというのは米国軍事規格のことであり、この規格に定められたテストをクリアしないと基本的には米軍には納品ができません。最近はものによっては必ずしもその限りではなくなってるとも聞きますが。
ウェットニーは23日発売なのですが、すでに店頭に並んでいたので買ってきました。定価600円税抜です。
重量は16.6グラム。全長は139mm、筆記時の全長は135mmでした。
色はオレンジ、ガンメタリック、ブルーの3色があります。
実はこのウェットニー、海外では色違いのものがX-701としてすでに販売されています。全体が金属でできたF-701も海外で人気のようです。F-701は加圧式ではないです。Amazonなどで買えます。
わたしは屋外で落としても目立ちやすいオレンジを買いました。
グリップは硬質樹脂でできているので、ラバーグリップのようなグリップ性はありません。ただ、割と深い格子状の意匠が施されており、指の収まりがよく、程よいフィット感があります。
加圧式のボールペンには大きく2種類あります。uniのパワータンクのようなリフィル内部に加圧空気を密封したタイプと、ノックする力を借りてリフィルを一時的に加圧するタイプです。ウェットニーは後者のタイプとなります。リフィルはジムノックなどに使われているK-07芯です。K-07芯はアクロインクと互換性があるので替えようと思えばアクロインクに替えることはできますが、安定して使えるかどうかは分かりません。
ここで他社の加圧式ボールペンを紹介します。
左から、トンボ エアプレス、パイロット ダウンフォース、パイロット ダウンフォース旧型、uni パワータンク、ゼブラ ウェットニー。
パワータンク以外はノック時に加圧されるタイプとなります。
さて、少し細部を見ていきましょう。
ペン先は分厚い真鍮でできていて、非常に丈夫に作ってあります。
クリップも丈夫なメタルタイプ。
ペン上部にはヒモやカラビナを取り付けられる大きめのリングがあります。
グリップの上には加圧式であることをアピールするイラストがあります。
ペンの構成はこんな感じです。
リフィルを装着する部分は気密性を保てるような構造となっており、リフィルは少し力を入れて押し込む感じになります。
筆記感は油性ボールペンそのものですが、加圧式のためかインクの出が少し良く感じます。
以前、ブログでも紹介しましたが、かつて、たまたまインクの出が悪くなったリフィルがあって、捨てたのですが、その前に試しに加圧式のペンに無理矢理入れて筆記すると普通に書けたことがあります。加圧を解除すると掠れたので、確かに加圧の効果はあるんだなと実感しました。
ペン先の精度が高くカチャカチャしにくいです。向きによっては若干ガタつきますが、ほぼ気にならないレベルです。
普段使いにもいいボールペンだと思いました。
未発売のせいかAmazonの登録がありません。
下のリンクはF-701です。