書籍 Pythonで始めるiOSプログラミング

先日紹介した「PythonではじめるiOSプログラミング」という本を購入しました。

Pythonista3の解説本です。

この本を注文した後、「Pythonista3 入門」という本がつい最近発売されたということを知りました。ちょっと気になったので昨日、近所の紀伊國屋でふたつの本を見比べたのですが、「Pythonで始めるiOSプログラミング」の方が丁寧にPythonista3のことが解説してあるかなと感じました。

まず、Pythonista3とは何かというと、iOS(iPhone, iPad)以上で動作するPython環境です。やりたいにもよると思いますが、あらかじめいろんなモジュールが含まれているので、本格的に使えます。少なくとも私のようにちょっとした計算をしたいだけなら十分です。

Pythonista3ではユーザーインターフェースが作れたり、iPhoneの機能にダイレクトにアクセスすることができます。この前も紹介しましたが、iPhoneに内蔵された加速度計のデータを取り出してグラフにしたり、ゲームのコントローラーにしたりすることもできます。

本の構成は以下の通り。

Chapter1 Pythonista3開発を始めよう 
Pythonista3のインストールからコンソールの使い方など、基本的な事柄の解説。

Chapter2 標準モジュールをマスターしよう 
Pythonはさまざまなモジュールを追加して機能拡張していけます。
Pythonista3では、Pythonで最も広く使われるモジュールの一つである「numpy」と「matplotlib」が標準で組み込まれています。これら「Pythonista3に標準で組み込まれているモジュール」について説明をします。

Chapter3 GUIを使おう Pythonista3には、iOSの基本的なUIに相当する部品が用意されています。これにより、入力フィールドやボタンなど基本的なUIを使ったプログラムが作成できます。こうしたGUI関連について説明をします。 

Chapter4 シーンとノードで2Dゲーム! Pythonista3には、リアルタイムゲームで使う「スプライト」とよばれる機能が標準で用意されています。これを使うことで、キャラクタを自由に動かすアクションゲームが簡単に作れます。そのためのグラフィックやアニメーション関連の機能、効果音などサウンド再生の既往などについてまとめて説明します。 

Chapter5 Pythonista3を更に使いこなそう! Pythonista3には、iPhoneに用意されている機能を利用するためのライブラリ類が標準で用意されています。例えばセンサーやカメラ、フォトライブラリなどiPhone固有の機能をPythonista3のスクリプトから利用できるのです。こうしたiPhone独自の機能について説明をします。 

付録 Python文法超入門 全くPythonを使ったことがない人にとっては、Pythonの基本文法から理解していく必要があります。ただ、これは本書が目指す「Pythonista3でiOSプログラミング」以前の部分です。できれば、そのあたりはそれぞれで勉強しておいてほしいところです。 というわけで、本書では、Pythonの基本文法については、巻末に「Python文法超入門」といった付録を付けておく形で対応します。これで、基本的な部分についてはだいたい理解できるでしょう。

サンプルプログラムがこちら*1からダウンロードできます。

Chapter2まではそれほど新しい発見はありませんが、私が一番見たかったのはUI(ユーザーインターフェース)の構築方法やiOSの機能の活用法です。以前、サンプルプログラムを見て、見よう見まねで、割引計算機(価格と割引の数を入れると価格が出るだけのプログラム、計算機で十分 笑)を作ったりしてみました。動きはしましたが、もうちょっとしっかりと理解したいなぁという感じが残りました。

色々やりたいことがあるので少しずつ参考にして、色々試してみたいと思います。

 

 

文房具56話 串田孫一 ちくま文庫

昨日、もう一冊文房具の本を買いました。

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文房具56話 串田孫一 ちくま文庫

串田孫一さんは、大学の先生で、随筆家・詩人・哲学者らしいです。アマゾンでどんな本を書いたのか調べてみたら、「山のパンセ」がありました。これはどこかで聞いたことがあります。

この本の元は、月刊事務用品という月刊誌に1970年1月号から1973年12月号まで連載されたもののようです。単行本として発行されたのが1978年とあります。わたしは月刊誌が刊行されている途中で生まれました。

目次を見ると、帳面、ペン先、消しゴム、ぶんまわし、インキ、万年筆、糊、白墨・・・・と続きます。ちょうど糊のところまで読みました。「ぶんまわし」というのはコンパスのことです。本文を読めばわかりますが漢字で書くと「分廻し」となります。なるほどそう書けばなんとなくコンパスのような気がしてきますね。

例えば、糊のところを読むとヤマト糊のことが書いてあります。わたしはどこかで読んで知っていましたが、ヤマト糊のヤマトって、大和じゃなくて、矢(や)的(まと)のことなんですね。知ってましたか?

「ヤマト糊は、容器は変わったが、今でもなかなか便利である。小学校の頃には青い硝子の容器で、蓋はブリキで、そこに矢と的がついていた。しばらく使わずにいると、罅割れたり、黴がはえたり、蓋の裏側には錆がぶつぶつに出来た。」

こんな感じで書いてあります。「ヤマト糊のヤマトは大和じゃなくて、矢的だよ」なんてストレートには書いてありません。

内容的にはずいぶん古いと感じるのですが、ちょうど生まれたころに書かれたということもあり、なんとなく当時の雰囲気をうかがい知る感じはあります。とはいえ、作者は1915年生まれなので、書かれている内容はもう少しさかのぼった時代のことなのかもしれません。ただ、少なくとも1970年当初に読んでも違和感のない内容であったのは間違いないと思います。

もうひとつ「萬年筆」から少し抜粋します。

「ところがあまり使う度数の少なくない人ほど、書き味、インキの出方を気にして、どんどん買うように思える。それとデザインが新しくなればそれがまた欲しくなる。これは萬年筆に限らず、一般現象であって、それですべて商売も成り立っているのだろう。」

この辺の事情は今も似たり寄ったりですね。耳に痛いです。汗

この本は読みやすくて、とにかくおもしろい。文房具にまつわる個人的なエピソードだけでなく、ちょっとした豆知識も随所に書いてあります。文房具に関するこんな文章が読みたかった。文房具好きなら、きっとおもしろさがわかるはず。

文房具56話 (ちくま文庫)

文房具56話 (ちくま文庫)

  • 作者:串田 孫一
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2001/01/01
  • メディア: 文庫
 

 

次に手にする万年筆あるいはノートブックをイメージしながら

万年筆インク紙を読み終えました。

現在、片岡義男が気に入っているであろう万年筆はパイロットのカスタム742、743であることがわかりました。太さは中字M。ノートはA5のロディア、クレールフォンティーヌ、ツバメ。あとがきを読むと、横開きのノートは実はあまり好きじゃなかったのかもしれないことが書いてあり、ロディアに傾いているっぽいですね。

透明なサファリのMを3本持ち、色違いのインクを入れて適当に使っている小説の中の女性のことが書いてありました。万年筆を使い始めたころは、中字のMなどは太すぎて普通に使えないと思っていましたが、慣れてくると、そもそも万年筆を使いたいと感じるシーンではMくらいが感覚に合っています。小さな文字を筆記するだけなら、ボールペンやシャープペンシルの方が適しています。

この本は万年筆が話題の中心ですから、その他の筆記具の話は最小限に抑えられています。しかし、鉛筆やボールペン、シャープペンシル、サインペン、それらにはそれらの役割があると思います。ペンの種類や紙の種類、インクの種類まで入れたら組み合わせは無限にあります。その中で限られた組み合わせを試し、わたしたちは自分により合うシーンと道具の組み合わせを選択していきます。

次に手にする万年筆あるいはノートブックをイメージしながら本を閉じました。

パスポートサイズのトラベラーズノートの青い紙に、CUSTOM743 Mとロットリングのボールペンで書き込みました。続けて、ロディアNo. 16とサファリのFで書きました。ひょっとしたらこれが最適かもしれない、という予感だってあることだし。

 

万年筆インク紙

万年筆インク紙

 

 

万年筆インク紙 片岡義男

時々本棚から引っ張り出して読む本があります。片岡義男の「文房具を買いに」という本。片岡義男という作家のことは小学生のころから知っていました。わたしには10歳、8歳、6歳年上の姉と兄が居るので、少し年上の人が読む漫画や本、音楽に日常的に触れる機会が多くあり、その中に片岡義男の小説があったからです。

 「片岡義男って文房具の本を出してるんだ」と何気なく手に取ったのがもう12年以上前のことです。

digistill.hatenablog.com

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2005年の6月11日からまだ使い続けている「モールスキン(現モレスキン)」があるのですが、この本の1ページ目にいきなりモールスキンが出てきます。そこでググッと引き込まれ、片岡義男の文房具に対する思い入れやこだわりを読むうちに、文房具ってこんなにも魅力的な道具なんだなぁと思い始めました。ロディアとかリーガルパッドというのを知ったのもこのころだったと思います。

「万年筆インク紙」は2016年に出版された片岡義男の文房具本。まだ読んでいませんが、パラパラっとめくった感じではいい感じで文房具にあふれています。文房具はモノなのでモノの名前が具体的に出てきて欲しいです。概念的な話やイメージではなくて、むしろ科学的なレポートのようなものの方が好ましいくらいです。道具には果たすべき目的があるわけですが、仕事論や効率論に偏りすぎるのもおもしろみに欠けます。文房具というのは、身の回りの情報を整理したり、自分の中の概念を具体的な文字や絵として表現する道具です。成すべき目的は比較的シンプルですが、非常に個人的なツールであり、多種多様です。文房具の良しあしは効率や性能だけではなく、官能的な嗜好も多分に影響します。

この本は数ある文房具の中で、万年筆、インク、紙という3つを題目にしているところがまずおもしろいですね。ページをめくるといろんなモノの名前が出てきます。自分はカメラや文房具の形や性能を見るのが好きです。形だけで言えば、車の形も好きですね。小さなころから動物図鑑が大好きで、薬や家電製品の説明書を端から端まで読むのが大好きでした。なぜそれがおもしろいのか自分でもよくわからないのですが、とにかく全然飽きないんです。ですから、カランダッシュ、ラミー、ジェットストリーム、芯ホルダー、743のF、ツバメの無罫A5ノート、サファリ、ブルーブラック、コンヴァーター、こんな言葉があふれ出る文章は見ているだけでわくわくします。

この本には図や写真が一切ありませんが、今はインターネットで調べればどんなものかは即座にわかります。文章をきっかけに知らないものを調べるのもまた楽しい。

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最後にいくつか手元にある文房具関連の書籍を紹介します。

普通の本の場合、帯とかはまず最初に外してしまうのですが、文房具の本は全部残っていますね。

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ちなみに、片岡義男さんのウェブサイトはこちら。

kataokayoshio.com

 

万年筆インク紙

万年筆インク紙

 
文房具を買いに

文房具を買いに

 
文具上手

文具上手

 
筆箱採集帳 増補・新装版

筆箱採集帳 増補・新装版

 
頭がよくなる文房具

頭がよくなる文房具

 

 

 

万年筆ですぐ描ける!Simple Setch

ドイツ出張中にAionの情報を収集しているときに、LAMYのサイトを見たら「万年筆ですぐ描ける!Simple Setch」という本が出版されていることを知ったので、買ってきた。

イラストレーター 兎村彩野さん インタビュー | ラミー・LAMY

たまたま見たにも関わらず、出版は今年の11月25日ということで新刊だ。

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別冊でなぞって使えるイラストブックが付いている。

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作者の兎村さんはサファリのEFを使っているらしいが、少し絵が小さいのでEFくらいじゃないとなぞるのは難しいかも。

イラストが得意なわけじゃないけど、家で暇なときには気に入った万年筆で落書きしたりすることが多い。その時、無味乾燥な線や大してきれいじゃない文字を書くのも悪くはないんだけど、イラストでも描いたら楽しいかなと思う。

さっそく見よう見まねで書いてみた。ちなみに、なぞっては描きにくかったので、見ながら描いている。

うまい下手はともかく、無心で時間が過ぎるというのは心地いいひと時だ。

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万年筆ですぐ描ける!  シンプルスケッチ

万年筆ですぐ描ける! シンプルスケッチ

 

 

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