広角レンズということ

広角レンズを久々に使ってみて、広角ってのは難しいなと改めて感じたことは少し前に書いた。なにが難しいかって、広角ってのはどうしてもパースが強めに付いてしまうので、構図を意識しないと写真がグダグダになってしまうのだ。それをあえてわかった上で、やるならいいが、自分では普通に撮ろうと思っているのに普通に撮るのがすごく難しい。
いまさらながらそれに気がついたのは、K-7に電子水平器が付いているからだ。自分は水平に構えているつもりなのに、電子水平器は「おいぉぃ、かなり斜めってるよ!」って表示しているのだ。「そんなことはあるめぇよ。しかし、オマエさんの言うとおりにいっちょやってみるべ」ってな具合に電子水平器を信じて撮影すると、なるほど、確かにその通りだわい。試しに自分の心眼を信じて撮影するてぇと、写真は斜めっていかにもだらしのない感じになっている。
特に奥行きのある構図で画面の端に強い縦線みたいなブツがあると、どうしても視点がそこを基準に画面を構成してしまうので、写真が斜めになりやすい。水平線や画面中心に垂直線がない場合は特に基準が取りにくい。パースが付いていることを考慮すると、画面端の垂線は画面上で斜めになっていないといけないのだ。まぁ、ある程度整えてあれば、後はパソコンでちょちょいと水平をなおしてしまうのだが、ギリギリの構図の場合、どうしてもトリミングされてしまうので、意図した感じになりにくい。そういう場合には多少余裕を見て(トリミング前提で)画面を構成すればいいだろう。自分はトリミングやレタッチは邪道とは思わない(ただ、やり過ぎるとそれはそれで不自然な写真になるが)。
自分の写真が傾くクセがあるのはだいぶ前に気がついているのだが、なかなかそれが思ったようにできない。それが素人たる所以。
広角レンズはその素人ぶりをさらに助長してしまうのだ。
でも、そういう事を意識しながら、自分の写真を眺めていると、他人の写真のアラみたいなものが良く見えてくる。自分もヘタクソなのでエラそうなことを言うつもりはないが、やはりあまり上手じゃない写真ってのはすぐわかる。手法云々の前に、気をつけるべきところに気をつけることができていないのだ。重ねていうが、自分も全然気が付けていないし、まだなにを気をつけるべきなのかが全然わかっていない。
最近はiPhoneで簡単に味のある写真を撮ることができるものだから、フンイキだけが先行している写真が量産されている。それはそれでおもしろいなと思うのだが、そこに溺れすぎてはイケナイなと思う心もある。
まず眼前のものを、ありのままに描写することからはじめてみてもいいかもしれない。
尾道北部。右奥に見えるのが中国横断自動車道尾道松江線。2010年までで尾道JCTから世羅IC間が開通した。
確か去年撮影したときにはまだ道路が出来ていなかったような気がする。
↓2011年1月。DA21。

と、思ってチェックしてみたら、ちょうど一年前の写真が出てきた。道路そのものは2010年の正月の時点で存在してるな。
↓2010年1月。こちらはDA35Macro。

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