ぺんてる オレンズAT、そして新替芯ブランド「ぺんてる アイン」の筆記感

明日発売のオレンズATを買ってきました。

オレンズAT グレー

色は4色展開で、ラインナップはダークレッド、ダークブルー、グレー、シルバーです。シルバーと迷いましたが、オレンズの0.5がシルバーなのでグレーにしました。

芯径は0.5のみです。

価格は2200円でオレンズネロの3300円よりも1100円安いです。

下の写真はオレンズ三兄弟の記念写真です。

上から、オレンズAT、オレンズネロ、オレンズ(全て0.5)

上から順に長いです。

オレンズATは簡単に言うと、オレンズネロの廉価版で、グリップがぺんてるお得意のラバーと金属の組み合わせになっています。SMASHやグラフ1000フォープロなどが同じような構成になっています。

左:オレンズAT、右:SMASH

私は30年くらい前の大学時代からSMASHを使っていたのでこのタイプのグリップにはなじみがあります。

グリップの質感が一見すると、PG-METAL350やP365に似ている感じがします。

上:PG-METAL350、下:P365

PG-METAL350やP365、両者はアップで見ると、一枚の板を丸めて作っているのがわかります。しかしながら、後で示しますが、レンズATのグリップはこのような構造ではなく、かなりしっかりしています。

オレンズATの重量は14.9グラムで、オレンズネロよりも1.5グラムほど軽いです。バランス係数([ペン先から重心までの距離 / 全長])は59/ 140 = 0.42で低重心です。

参考までにオレンズネロとスマッシュの重心位置を示します。

両者と比べてみてもだいぶ低重心であることがわかります。

グリップの金属部分の太さは9.7 mmです。ゴム部の飛び出しを考慮するとおおよそ10 mmくらいと感じるのではないかと思います。オレンズネロのグリップの太さは9.4 mmなので若干オレンズATが太めになっているようです。グリップ感はそれほど高くなく、優しい感触です。

分解してパーツを見てみましょう。

口金部分はこの状態から無理なく引き抜くことが可能です。

この部分が自動芯出しユニットになります。オレンズネロとは材料や構造が異なるようです。ウェブの情報によると、チャックが繊維強化樹脂のようです。十分に耐久性はあると思いますが、万が一トラブルがあっても、このユニットを交換するだけでいいように設計しているのではないかと思います。

上のユニットが軸に入った姿をわかりやすく下に示します。

下の写真は軸の上側を下から見た写真です。

芯を供給する部品が先端のパーツとは分かれているようです。普通、この部分はパイプで一体型になっていることが多いので、変わった構造です。

グリップ内部はこんな感じになっています。

SMASHなどと同様に、穴の開いた金属パーツにラバー系の材料が嵌め込まれています。

続いて、パイプの先端の処理をオレンズネロと比較してみます。

左:オレンズネロ、右:オレンズAT

この写真を見る限り、オレンズネロと同様にパイプ先端のエッジが丸められている様子がわかります。

口金部品の構造は少し異なりますが、精度などに差は感じません。ただし、下の動画に示すように、オレンズATのパイプのバネレートはオレンズネロよりも高いようです。

youtu.be

オレンズATの初期芯は1月30日発売のアインのBで、3本入っていました。型番はC285-Bです。

www.pentel.co.jp

私がオレンズATを買った店では、芯はまだ売っていませんでした。

従来の芯、アインシュタインの0.5 Bの型番はC275-Bです。

C275-B

せっかくなので、C275とC285を比べてみましょう。

筆記線が最大限に太くなった状態で書き比べてみましたが、それほど大きな違いは感じられませんでした。ただ、新しいC285は筆記摩擦に高周波の成分が感じられ、少しキュキュッと感があるように思います。これに関しては筆圧や紙による影響もあるかもしれません。ぺんてるの消しゴム(Ain SALA)で消してみましたが、消字性にも大きな差はないようです。

オレンズATですが、基本的なシャープペンシルとしての書き心地は非常に良いです。クリップ位置も最適で、手に干渉せず、ぺんてるならではの隙のないすばらしい設計になっています。オレンズネロがハードだとすると、オレンズATは全体的なソフトな印象を受けます。オレンズネロ独特のパイプを擦って書くような感じはほぼ同等です。オレンズネロが合う人は大きな違いは感じないでしょうし、合わない人にはやっぱり合わないと思います。

ただ、芯が0.5 mmという特性を考えると、普通のシャープペンシルとしての完成度が高いので、オレンズATの場合、芯を出して書くのもありだと思います。普通のシャープペンシルの場合、芯がなくなるといきなりガリッと書けなくなりますが、オレンズATはそのまま書き続けることができるので集中力を維持できます。そして一息ついた時に、改めてノックして使うという使い方ができると思います。

ワンノックあたりの芯の繰出量はオレンズネロが約0.6 mm、オレンズATが約0.9 mmでした。ぺんてるの普通のシャープペンシルは0.5mm芯の場合、ワンノックで0.5 mm繰り出されるように設計されているので、どちらも若干、繰出量が多めです。

最後に、収納状態からワンノックした時の様子を下に示します。

パイプの飛び出し量も違うことがわかります。オレンズATは約3 mm、オレンズネロは約2.8 mm程度です。

オレンズネロでは芯が出ていませんが、オレンズATの場合、少しだけ芯が出てきます。そのため書き出しではパイプと紙面が当たらないため、スムーズに感じます。少し書き進めるとオレンズネロ独特のパイプと紙が擦れる感じになります。

最後に、今日の一枚。

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