黒くなって生まれ変わった OHTO CR01

第13回OKB48でいきなり4位を獲得したOHTOのCR01のレビューです。

OKB48にはウェブ投票と握手会と呼ばれる実物を触れた上で投票する2つの投票方法があるんですが、握手会のみの投票では王者のジェットストリームを上回り1位を獲得したというのが驚きです。ジェットストリームは総合1位を獲得し続け、ウェブ、握手会ともに常に王者だったのですが、今回、初めて握手会で1位を逃したことになります。

発売当初はスルーしていたのですが、これは実際に使ってみなくてはいけないという気になり、購入に至りました。

こういう背景もあり、店頭やウェブでは品薄らしいですが、公式の楽天ショップやヨドバシではちょくちょく在庫が復活しているようなので、こまめにチェックすれば買える可能性があります。

CR01やセルサスをスルーしていたのには理由があって、実は、同等品と思われる京セラKCB-20SLという商品を持っていたからです。

上:CR01、下:KCB-20SL

KCB-20SLはクリップや配色が異なるだけでセルサスとほぼ同じだと思います。記念品でもらったものでずっと木箱に入ったまま、ずっと放置していましたが、ここ数年は手にすることもありました。

上の写真を見ても、軸自体の形状はほぼ同じです。

重量はCR01が33.2グラム、KCB-20SLが31.7グラムです。リフィルはKCB-20SLの方が若干重いのですが、軸やグリッパー(OHTOではグリップをグリッパーと表記するようです)、キャップが少しずつCR01の方が重いです。特にキャップの重量の差が大きく、CR01は8.2グラムで、KCB-20SLは7.4グラムです。ただ、手で感じれるほどの差はなくて、ほぼ同じです。

口金のデザインは若干変更されていて、CR01の方が少しスマートなイメージになっています。

実際にCR01を手にしてみると、かなりイメージの異なるペンになっていると思いました。デザインもそうですが、キャップの開閉の感触や書き心地が違います。

キャップに関しては中子の材質がちょっと違うようです。

左:CR01、右:KCB-20SL

ちょっとわかりにくいですが、CR01は白濁した透明っぽい樹脂で、KCB-20SLは乳白色の樹脂です。どちらもキャップを取るのにはそれなりに力が必要ですが、CR01の方が若干軽く外れます。また、キャップを閉めるときの感触も、KCB-20SLはパチンって感じですが、CR01はコツッって感じになっています。

実はこの差は大きくて、KCB-20SLはキャップが硬くて使い勝手を悪くしていると感じます。CR01のマット塗装は少し摩擦も大きいのでキャップを開けやすいです。ちなみに、キャップを開ける時には右手で軸を掴み、親指と人差し指でキャップを摘み、左手を添えながら開けるとスマートに開けることができます。

書き味に関してはKCB-20SLのリフィルが何年も前の古いものなので直接比較はできないと思います。ただ、明らかに外観は異なります。

上:CR01、下:KCB-20SL

KCB-20SLは先端がフルメタルで小さな空気穴が見えますが、CR01はそこが樹脂パーツになっていて、空気穴が見えないようなデザインになっています。

OHTOの水性リフィルはこの空気穴から空気を入れることで直接インクと空気が触れないような工夫をしているそうです。そのため、水性インクにも関わらずペン先が乾くことがありません。(ノンドライリフィル機構

万年筆含め水性インクのペンは書き味は抜群です。ただ、ずっと書き続けるような使い方ならいいですが、本を読みながら時々メモをするみたいな使い方の場合、ペン先の乾きが気になるのであまりそういう使い方には向きません。しかしながら、OHTOのノンドライリフィルは水性の書き味を損なわずに乾かないため、ペン先の乾きを気にする必要がありません。

KCB-20SLのリフィルは生産はOHTOになっていますが、あくまでもKYOCERAブランドのC-300リフィルですので、これが旧型なのかどうかはよくわかりません。

古いとはいえKCB-20SLのリフィルは非常にスムーズな筆記感でインクの吐出量も多すぎず少なすぎず非常に抑制の効いたいい書き味だと思います。

一方、CR01はいかにも水性らしい書き味です。ペンポイントを紙に置くだけでインクが吐出され、筆圧をほとんどかけなくてもスムーズにインクが出てきます。これでペン先が乾かないのが不思議なくらいです。

上の紙は普通のキャンパスノートです。線の太さがだいぶ違うのがわかるかと思います。CR01は裏抜けはしていませんが、裏から透けて見えやすいです。キャンパス計算用紙に書くとCR01は若干線がにじみますが気になるほどではありません。

ペン先のグラつきは皆無です。

似たような筆記具にトンボのZOOM505(旧タイプ)があります。

一番上:ZOOM505

こちらのリフィルはまさに水性インクそのものって感じで、裏抜けも結構します。ZOOM505自体は好きなペンですが、ノートか手帳を書くのには向かないと感じます。

あくまでも裏技的な話にはなりますが、CR01やKCB-20SLではサラサやシグノ、エナージェルのインクが無改造で使えます。せっかくなので純正リフィルの素晴らしさを味わいたいところですが、インクの入手性がそれほどいいわけではないので、緊急時にはそういうリフィルが使えるということを知っておいて損はないと思います。

CR01はシンプルにかっこいいですし、書き味や使い勝手も向上しています。これは手にする価値がありますね。このレベルで定価1800円はお買い得です。黒くなって生まれ変わりましたね。

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