リニューアルしたサラサグランドを買ってきました。色はマットブラックでボール径は0.3です。マットブラックにはよくみると小さなラメが入っています。
ひとつ目の違いは、ノック部の形状です。
クリップが下に下がり、ノック時に指にあたりにくくなっています。
デザイン的には旧タイプの方がスッキリしててスタイリッシュです。ただ、新タイプもこんなもんだと思えば特に違和感はありません。
ふたつ目は重量が軽量化されています。公式では新タイプが19.3 g、旧タイプが24.2 gとなっています。
下に新、旧、限定サラサグランドの重量をまとめてみました。数値は実測値です。ちなみに、インクによる差をなくすために、インクは全て同じに揃えています。
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前軸重量(g) |
後軸重量(g) |
インク重量(g) |
総重量(g) |
新サラサグランド |
7.4 |
9.4 |
2.7 |
19.5 |
旧サラサグランド |
9.0 |
12.8 |
2.7 |
24.5 |
限定サラサグランド |
9.3 |
13.2 |
2.7 |
25.2 |
前軸も後軸もそれぞれ軽量化されているようです。この差は明らかに体感できます。重心は若干低重心化しているようにも思いますが、大きな違いはありませんでした。旧タイプもそれほど使いにくいというほどの重量ではありませんが、新タイプは日常的に使うのに違和感のない重量です。
似たような重量の有名どころのペンを挙げると、グラフギア 20 g、ケリー 21 g、モノグラフファイン 22 gです。シャープペンシルとしてはちょっと重めの部類にはなりますが、これよりも新サラサグランドは軽いことになります。
三つ目の違いは、リフィルの繰出量です。
サラサグランドはペン先が少し太くて丸い形状をしているため、若干ペン先が見ずらい感じがします。0.5 mmだけペン先が伸びたことで、視認性が結構向上したように感じます。ただ、個人的に大きな差は感じません。
以上が公式サイトにも掲載されている違いです。
私的にはもうひとつ大きな違いを感じました。それはグリップ力の向上です。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、新タイプは塗装面の表面粗さが若干小さくなっていて、グリップ力が明らかに向上しています。ただし、色による差なのか、製造ばらつきなのかは分かりません。
ラバーグリップのないペンの表面仕上げや塗装は私にとっては結構重要です。光沢仕上げの場合、それほど問題はありませんが、メッキ仕上げなどは滑ることがあります。光沢仕上げのベストな仕上げは樹脂の無垢かちょっと柔らかめのクリア塗装です。難しいのはマット仕上げです。表面粗度が上がると、指との接触面積が減るので、トライボロジー的には摩擦力が低下します。マット面が粗いとグリップ力の低下を感じます。かといって平坦に仕上げすぎると光沢が出てきてマットさが失われます。マット塗装は塗料の選定や仕上げをきちんと管理しないと私としてはダメな軸になってしまいます。
余談ですが、シャープペンシルなどのローレットも同様です。かつてのステッドラーのREGのローレットは個人的には全く手に合いませんでした。あまり好きになれなかったからか、どこかで無くしてしまいました。
サラサグランドに話を戻します。
左からグリップ力の順に並べるとこうなります。
ちなみに、前軸と後軸のネジは新旧で同じようです。ですから、こういうこともできます。
ゴールドの部分がよく合います。
ただ、こうすると全体の重量が21.4 gになり、軽量さが失われます。低重心が好きな人はこの組み合わせもありだと思いますが、私はデフォルトの軽量な感じの方が好みでした。
初代サラサグランドはペン先のグラつきが気になって購入しませんでしたが、2代目(旧タイプ)はペン先にブレンと同じ技術が使われていてかなり進化を感じました。今回の新タイプは初代から2代目ほどの進化は感じませんが、ひとつの完成系だと言っていいと思います。グリップ部が真鍮クリア塗装のものがそのうち限定で出ると思いますが、それが真の完成系になると思います。