プラチナ万年筆のノック式万年筆「キュリダス」はその存在を知った瞬間に欲しいと思いました。発売日は2月28日なのですが、2月8日から15店舗くらいで先行発売されています。しかし、広島には先行販売店がありません。う~~~~~~ん・・・・って、思ってたのですが、なんと偶然にも今日は大阪出張。大阪だと、梅田のハンズとかナガサワ茶屋町店が先行販売の店舗です。
というわけで、買ってきました。
カラーは全5色。
#6 プリズムクリスタル
#7 グラファイトスモーク
#43 アーバングリーン
#50 アビスブルー
#77 グランレッド
最初はプリズムクリスタルがいいと思ったのですが、カラー軸も結構きれいだったのでカラーから選ぶことにしました。アビスブルーもなかなかいい色だったのですが、そういえば、手持ちのセンチュリー#3776がローレルグリーンなので緑系で行こうと思って、アーバングリーンにしました。
しかもこの色、どこかで見たことないですか?センチュリーの限定軸薫風の色にすごくよく似ているんです。材質はPMMAです。いわゆるアクリル樹脂ですね。透明度が高く、硬い樹脂で、万年筆ではよく使われる材料です。
ニブはEF, F, Mがあります。キュリダスは持ち歩いて手帳とかに使いたいと思っているので、EFにしました。3種類、試筆できるようになっていたので、10分ほど試筆してみましたが、どれもかなり書き心地はいいでした。普段使いで万能なのはFでしょう。書き心地もいいですし、線の太さはゲルボールペンの0.5くらいのイメージです。Mは結構太いと思いました。インクフローもよく、すごく書き心地がよかったです。ゆったりと滑らかに書きたいなら迷わずMがいいでしょう。手帳などにできるだけ細く書きたいならEFです。書き心地も悪くないです。
能率手帳の小型版に実際に書き込んで比較したのが下の写真です。
左からEF、F、Mです。
さて、ちょっと外観を観察してみましょう。下の写真は上から、センチュリー♯3776ローレルグリーン、パイロットキャップレス絣、キュリダスです。
キュリダスは全長が153 mmと結構でかいです。
キュリダスのノックボタンはストロークが長いです。最初はちょっと戸惑うレベルかもしれません。手が小さい人もちょっと操作しずらいかもしれません。わたしに関していえば、何回か操作していたら慣れました。特に大きな問題はありません。
下の写真は筆記状態での比較です。
筆記時のキュリダスとキャップレスはほぼ同じです。
パイロットのキャップレスはカートリッジで運用しているのですが、キュリダスはコンバーター運用しようと思います。
バラしてみましょう。
コンバーター装着。
プラチナの万年筆には同じ形で金属部分が銀色のものと金色のものがあります。銀色は700円で、金色は500円です。色が違うだけで性能は全く同じです。アーバングリーンに関していえば、外から色は全くわかりませんので、安い金でいいと思います。
ちょっとわかりにくいのですが、キュリダスはこの状態にするとコンバーター内のインクの量を確認することができます。
あとは、インク吸って、元に戻せば終わりです。インクは純正のブルーブラックです。
複雑そうに見えるかもしれませんが、実際やってみると、大したことないです。
キュリダスの乾燥重量は実測で24.1 gでした(カタログ値24.0 g)。コンバーターにインクを入れた状態だと28.9 gになりました。ちなみに、カートリッジインクを装着したキャップレスは30.6 g、カートリッジインクを装着したプロシオンは25.5 gでした。キュリダスがプロシオンより重たいのは意外でした。
ニブもちょっと観察してみましょう。
いい感じのスリットです。ペン先はちょっと閉まっていますね。EFだからでしょうか。
ペンポイントはこんな感じ。
ペンポイントの膨らみがほぼないです。肉眼でしか見てませんが、Fとはだいぶ様子が違います。
ついでなので、ニブの様子を比較してみましょう。
下の写真は左から、センチュリー#3776 M、プロシオン M、キュリダス EF、キャップレスFです。
キュリダスのリーフレットの表紙のニブにはハート穴が開いていないのですが、実際は丸いハート穴が開いています。
よく見ると、CGっぽいので、修正し忘れたのでしょう。
実際に書いてみます。
書き心地には全く問題なくて、非常に良好です。軸径が太い(最大径13.8 mm)のでゆったりと持つことができます。人によっては邪魔に感じるのかもしれませんが、クリップが指に当たり、いいグリップになります。キュリダスは専用ツールを使えばクリップを外せます。しかし、ノック式の万年筆の利点はむしろこのクリップの存在にあると思います。ペンの回転方向の位置が物理的に決まるので、すごく安定して筆記できます。
インクにもよるのだと思いますが、ペン先を露出したまま数分間放置してもかすれることなく書き始めることができるようです。万年筆によっては、1,2分の放置でも書き始めが掠れたりすることがあります。ノック式万年筆はこまめにペン先が収納できるということを考えれば、十分実用的です。
Mはプロシオンやセンチュリーでいいかなと思いますが、Fはもう一本追加で欲しいです。でもまずは、このキュリダスを毎日持ち歩いてボロボロになるまで使い込んでみたいと思います。
パイロットのキャップレスは軸の完成度の高さや18金ニブ独特の滑らかな筆記感が魅力です。一方、キュリダスはすごく現代的なデザインの万年筆だと思います。定価7000円と決して安くはないですが、わたしは十分その価値を感じます。気に入りました。