ぺんてる P209 きらり

ぺんてるの万年CILケリーは1971年に発売されました。それより1年前の1970年にP200というシャープペンシルが発売されています。今でも海外では販売が続いているようですが、日本では販売されていません。

時々復刻版が発売されているらしく、2年前の2016年11月にBOYS & GIRLSと称して販売されていたのは記憶にあります。多角形のシャープペンシルは好きなので、当時、気になってはいたのですがP200シリーズのことも知らず、これが限定商品だったという認識もなく、買いませんでした。P200シリーズを知ったのは1年後くらいで、ちょっと悔しい思いをしました。通販を使えば買えるのは知っているのですが、わざわざ定価よりも高い価格で買おうとは思いません。町の文房具屋で出会い、手に取って買いたいんです。

今日、フラワーフェスティバルを横目で見つつ、本通りのフタバ図書に立ち寄ってみました。そこでぺんてるの「きらり」というシャープペンシルを見かけました。ウェブで調べてみると、2013年に発売されているようで、限定品というわけではなさそうなのですが、公式ウェブサイトには掲載されていません。美文字を書くためのシャープペンシルということらしく、太さは0.9 mmだけです。色も和の女性っぽい3色展開で、桜色、藤色、金色です。型番を見ると、P209となっており、形をよく見るとP200シリーズそのものです。思わずP200シリーズに出会えた気がして、すぐに手に取り、買いました。

 

f:id:digistill:20180505225744j:plain

購入したのは金色。パッケージを見ると、女性を意識したラインナップなのが分かります。ペン単体で見るとわたしが使ってもそれほど違和感はなさそうな色を選びました。

f:id:digistill:20180505225916j:plain

パッケージの裏側には美文字を書くためのコツが書いてあります。

f:id:digistill:20180505230007j:plain

他のシャープペンシルと外形を比べてみます。

↓上から、プラチナ プレスマン、パイロット S20、ぺんてる ケリー、ぺんてる グラフ1000、ぺんてる P209(きらり)、ぺんてる グラフギア1000

f:id:digistill:20180505230223j:plain

P200シリーズはもともとは製図もできるシャープペンシルという位置づけだったようで、スリーブは4㎜あります。12角形の軸はグリップ部分がかなり細いです。チャックは金属製で本格的なシャープペンシルです。

f:id:digistill:20180505230602j:plain

クリップも製図用っぽい感じで、はずそうと思えばはずせます。軸にはクリップのズレ防止の段差があります。

f:id:digistill:20180505230745j:plain

ケリーといい、P200シリーズといい、45年以上経った今でもデザインや構造に古臭さがまったくありません。

手にするとグリップが思った以上に細いので最初は少し戸惑いを感じます。しかし、しばらく握っていると12角形の形状が思いのほか手にフィットします。0.9mmというとプレスマンと比較したくなりますが、プレスマンよりも若干重量感があり、重量バランスもP209の方がすぐれていると思います。パイロットのS3も0.9mmのラインナップがあります。使ったことはありませんが、総合的にみてS3の方が使い勝手はいいと思います。しかし、たたずまいはP209の方が好きですね。

 0.9mmという太さ、シャープペンシルとしてどうかというと、目的にもよりますが、わたしとしては常用できるレベルです。当然、細かい筆記には向きませんが、小まめにペンを回転させてあげれば意外とノートへの筆記も問題ありません。大学時代は0.9mmのSMASHをずっと使っていました。太いシャープペンシルのメリットは、芯が折れにくいこともありますが、ノックの回数が少なくて済むことです。0.5mmだと折れにくさや減りの遅さを考慮して最近はHBを使うようにしていますが、0.9mmくらいになるとBや2Bでも問題なく使えます。そのおかげで筆記線がよりはっきりするので、ラフなアイディア出し等にも適しています。0.3, 0.5, 0.7, 0.9はそれぞれ性質が違うので、一通り揃えておくのもいいと思います。オレンズまで視野に入れれば、0.2もありますね。

世の中にどんな道具があって、それを使うと生活や考え方がどう変わるのか、それを知り、体験するのは決して無駄とは思いません。そこに価値を感じる限り、その人にとってそれは無駄ではないと思います。自分は文房具を収集しようと思って買っているのではなくて、文房具という物の良さを知り、体験したいのです。これと決まれば後は全部捨ててもいいとすら思っています。ただ、一度手に入れるとそれぞれにそれぞれの良さがあるので、簡単に捨てることはできそうにないですね。

 

ぺんてる シャープペン きらり XP209-X 0.9mm 金色

ぺんてる シャープペン きらり XP209-X 0.9mm 金色

 

 

無印良品 メガネ拭き

ファミリーマートに売っている無印良品のメガネ拭きを少し前から使っています。それまでは使い捨てのアルコールがしみ込ませたタイプを使っていました。そちらも結構きれいになっていいのですが、コストパフォーマンスが悪いと感じていました。

f:id:digistill:20180504165722j:plain

無印良品のメガネ拭きはドライタイプです。ポケットティッシュみたいな感じですが、素材はアクリル系の不織布と書いてあります。こんなんで汚れが落ちるのかなと思っていたのですが、アルコールタイプと遜色ないです。かなりきれいに拭き取れます。ただし、ドライタイプなので砂ぼこりが大量についている場合などは、流水で洗うなどしたほうがいいと思います。

14枚入りで84円なので、そんなにコスパがいいか?とも感じますが、使い捨てるわけではなく、使った後はメガネケースにでも入れて、何度でも使えるんです。正直、取り換えるタイミングがよくわからないのですが、ヘロヘロになって、汚れの落ちが悪くなったかなと感じたら、スマホの画面とか拭いて捨ててます。2個購入したのですが、1個目の半分も使っていません。買ったのは一か月以上前だったような気がします。

よく売れているのか、コンビニでも品切れになっていることが多いので、見かけたら補充しようと思います。

メガネ歴30年以上ですが、これはいいです。

ちなみに、メガネは時々キッチン用洗剤とかで丸洗いしています。

 

万年筆のパイロットらしさ

最初に購入した金ペンはパイロットのカスタム74でした。しばらくFMを使っていたのですが、筆圧を入れないと線が薄くなるのが感覚的に合わなくて苦手でした。2本目のパイロットの金ペンはキャップレスでしたが、こちらは最初から調整したものを通販で購入したのでデフォルトの状態がわかりません。

そして今回購入したカスタムヘリテイジ912です。これも調整なしがどういうものかはわかりませんが、調整したのはメーカーの人であり、デフォルトの味は損なわない程度に調整をしてもらいました。

しばらく書き込んでみて、なるほどパイロットらしいなと思い始めています。どの万年筆も筆圧を強くすると線が太くなりますが、パイロットの金ペンの場合、筆圧をほとんどかけないとかなり線が細くなる傾向にあります。

f:id:digistill:20180501231751j:plain

上が筆圧をかけずになでるように書いたもので、下は少し筆圧をかけて筆記したものです。上のグルグルは最初少しカスレが出ています。調整をしてもらったからか、最初に購入したカスタム74で感じた疲れる感じはありません。むしろ、パイロットらしくておもしろいなと思う余裕があります。いろんな万年筆を使ってきたからそう思えるのかもしれません。

f:id:digistill:20180501232010j:plain

実際に字を書くと、ちょっとメリハリのある線がおもしろいです。

ちなみに、キャップレスのFは実直。メリハリはほとんどなく、常に一定の線です。おもしろみはありませんが、安定感は抜群です。

一方、セーラーのプロフィット21はシャキンとした印象です。ニブの形状によるのか、ペンポイントの摩擦がニブ全体に響き、小気味よい音を立てます。

パイロットS20と(旧)レグノ

パイロットのS20とよく比較されるのがレグノというシャープペンシルです。店頭であまり見かけないのですが、たまたま見つけたので、簡単に比較してみました。

f:id:digistill:20180501012213j:plain

グリップはレグノの方が少し太めでした。使っている木材はどちらも同じ樹脂含侵カバ材だと思います。レグノは定価2500円と若干高め。ペン先はレグノが一般筆記用で、S20は製図用(4mmのガイドパイプ)です。ちなみに、わたしがS20に興味を持ち始めた10年くらい前には一般筆記用のS20も存在したのですが、今はラインナップにないようです。

わたしが最も違いを感じるのはクリップ位置です。S20は手と干渉しにくいですが、レグノは普通です。ボールペンや万年筆はペンを回しながら使ったりしないので、クリップと手の干渉は考慮する項目になりませんが、シャープペンシルはペンを回しながら書くので重要なポイントとなります。

わたしとしてはレグノはS20と全く異なるシャープペンシルと感じます。

ちなみに、レグノには1000円バージョンのものが存在します。ペンの形が違うのに同じネーミングにしてあるのには若干違和感があります。

www.pilot.co.jp

究極のなめらかさ パイロット カスタムヘリテイジ912 WA(ウェーバリー)

4月14日に本通りの多山文具でペンクリニックが開催されました。

 

digistill.hatenablog.com

 

その時、試し書きさせてもらったカスタム743、カスタムヘリテイジ912のWAがすごく書きやすいと感じたのでをカスタムヘリテイジ912のWAを購入することにしました。743は15号のペン先を実装しており、ペンも少し大型です。実用的には742とかカスタムヘリテイジ912で十分と言われ、実際そう思います。残念ながら1万円前後であるカスタム74クラスの万年筆にWAはありません。ですから、WA狙いで安価に済まそうとすると、カスタムヘリテイジ912かカスタム742を選択することになります。

店頭在庫がなく、いったん入荷後、修理扱いで調整をし、納品するという段取りとなりました。ゴールデンウィーク前後のお届けになると聞いていたのですが、今日、店頭に届いたとの連絡を受けました。

マツダスタジアムでカープ対阪神戦を見てから、本通りの多山文具に行き、受け取ってきました。

f:id:digistill:20180430003213j:plain

カスタムヘリテイジ912は10号ニブを実装するベスト型の万年筆です。ペン先はロジウムメッキがなされており、金属パーツもすべて銀色となっています。バランス型でいうとカスタム742と同一クラスの万年筆になります。

セーラーでいうとちょうどプロフィット21と同一クラスになります。

↓左から、カスタム74、カスタムヘリテイジ912、プロフィット21

f:id:digistill:20180430003220j:plain

ペン先の形状はちょっと違いますが、ニブの大きさはプロフィット21と同じくらいです。

↓上がカスタムヘリテイジ912、下がプロフィット21

f:id:digistill:20180430003233j:plain

先ほども書きましたが、上のカスタムヘリテイジ912がベスト型で、下のプロフィット21がバランス型と言われている形状となります。

f:id:digistill:20180430003215j:plain

ベスト型はキャップと軸の端面が平坦になっているのが特徴です。また、クリップもパイロットの玉が付いたタイプではなく、普通のクリップとなっています。

筆記時には若干カスタムヘリテイジ912の方が長くなるようです。キャップをしたときはプロフィット21の方が長いです。重量はどちらも25グラムですが、カスタムヘリテイジ912の方が若干リアヘビーに感じます。太さもよく似ていますが、書く時の感じは結構違います。

インクは月夜にしました。早速書いてみると、試し書きした時とほぼ同様の滑らかさが感じられました。

通常の筆圧の線幅を比較してみます。

f:id:digistill:20180430003229j:plain

上の写真の一番下は結構筆圧を込めて書いた例です。

スチールペンとの比較になりますが、WAはMと同じくらいの太さです。筆圧を抜くともう少し細い線も書けます。

筆記角度や筆圧による線幅の動きは少なめですが、筆記時のペン先の開きを観察すると、軽く筆圧を掛けるとペン先が開く様子が確認できます。ペン重量だけで筆記できるくらいのペン先の開きにしてもらいましたので、ほとんど筆圧を掛けることなく線を引くことも可能です。フローは適度に抑えられています。パイロットらしさを残した調整になっていると思います。試筆した743よりも線は細めです。指定した通りに調整されているので、大したものです。

しばらく筆記してみました。

f:id:digistill:20180430003241j:plain

6 mm罫線のノートにも書いてみましたが、まったく問題なく書けます。通常筆記なら、Fよりもこのくらいの太さの方が長時間の筆記が楽だと思います。ほんとに小さく書きたいときや手帳などへの書き込みにはFがいいと思います。

手持ちの万年筆で一番滑らかさを感じられるのはTWSBIのMですが、カスタムヘリテイジ912WAは少し書きごたえのある調整になっています。紙の繊維に引っかかる感じは一切なく、紙の表面粗度を手先に感じるような調整です。MDコットンだと少しザラザラした感じを受けますが、マルマンのニーモシネだと、ヌメヌメとした滑らかさを感じます。ロディアだとその中間くらい。紙が平滑すぎると書き味が良すぎて、おもしろみに欠けるとすら思えます。

筆記していて不安定な感じや、気に入らない点は今のところ全くと言ってないです。

この書き味を支えるのは、独特な形状のニブです。

f:id:digistill:20180430010925j:plain

ペン先が若干反っているのがわかるでしょう。この角度のため、少しペンを寝かせて書いた時のような状態が保てるのです。持つ角度による筆記線の太さの変化はほとんどありません(垂直に近くすれば細くなりますが)。また、FA(フォルカン)などと違い、筆圧による筆記線の幅の変化は最小限です。通常筆記時の筆圧内ならほとんど変化がないと言っていいくらいです。しなりや線幅の変化を楽しむような万年筆ではないです。

ちなみに、細字設定のWAというのは存在しません。

 

パイロット万年筆 カスタム ヘリテイジ912 ブラック ウェーバリー(WA) FKVH-2MR-B-WA

パイロット万年筆 カスタム ヘリテイジ912 ブラック ウェーバリー(WA) FKVH-2MR-B-WA

 

 

連絡はこちらから