パイロット S20ボールペン

今日はゴールデンウィークで休みってこともあり、自宅からはかなり遠いのですが、うさぎや福山南店に行ってきました。TWSBIやクルトガダイブを買った店です。

ジェットストリームプライム回転繰り出し式シングルの新しいタイプのものが気になっていたのですが、実際に手にすると長時間筆記するには結構重く感じました。せっかくだから何か買おうと思って店内をぶらぶらしていると、S20のボールペンが目に止まりました。店頭展示品だったので若干傷が目立ちましたが、実用的に使うペンなので気にせず買ってきました。

色はダークブラウンです。

まず、シャープペンシルのS20と比較してみましょう。

上がシャープペンシル、下がボールペンですが、軸のデザインはほぼ同じです。

重量は、ペンが19.3グラムシャープペンが17.9グラムです。1.4グラムの差は手にするとすぐにわかります。

偶然にも木目がそっくりです。確信はありませんが、あまりにもそっくりなので、この木目は人工的に作られたものかもしれません。どうやって作ってるんでしょうか。店頭のペンを見ると、どれも違う木目に見えるので、人工的に作られているとしてもバリエーションがいくつかあるんだと思います。これが偶然の一致だとしたら、奇跡的なレベルです。

重心位置はこんな感じです。

ボールペンの重心位置は軸のほぼ真ん中です。

ペン先とノックボタンを観察してみます。

口金とリフィルの隙間は最小限に抑えられており、ガタつきは最小限です。グリスを塗布すればほぼ完璧です。

ノック式のペンの口金内部にグリスを塗布するとカチカチ音がしなくなることを発見しました。しかしながら、隙間が大きいペンに関しては音は軽減するものの筆記時にガタついたり、ビビったりするものもあります。

ノックボタンの先端には木の部品が埋め込まれています。ノックボタンはバネの張力で固定するタイプですので、ノックした後でも動きません。筆記時にノックボタンと軸が干渉して音が出るペンがありますが、S20は大丈夫です。わざと振ると少し音がするレベルです。

ノック音は比較的静かです。

リフィルはBRFN-10Fというものです。手持ちのペンだと、ドクターグリップのリフィルと同じです。内蔵されているインキはアクロインキです。

新油性インクなので、筆記感はなめらかで線も濃く書けます。ドクターグリップもそうですが、BRFN-10Fは若干ダマが出やすい印象です。

実はジェットストリームの回転繰り出し式シングルの新しいタイプやコクーンも気になっていたのですが、どちらも重量が30グラムオーバーで、常用するにはちょっと重いかなと思いました。

S20は2000円と比較的安価な割に高級感があります。細部までよく設計されていて完成度は高いです。重量が20グラムない程度ですし、重量バランスも良いので長時間筆記しても問題ないと思います。

特に欠点らしい欠点は見当たらないので、S20のシャープペンシルを気に入って使っている人ならすんなりと手になじむと思います。

これを使うとレグノのボールペンも気になりますね。

 

 

 

 

 

ペンクリニックに行ってきました

久しぶりにペンクリニックが開催されたので行ってきました。

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3年前のこのペンクリニックでカスタムヘリテージ912のウェーバリーを購入しました。

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ウェーバリーというのはペンポイントが少し上に反り返ったようなニブのことです。

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特殊なニブに見えますが、筆記感は至ってノーマルです。このニブはペンを立て気味にしても普通に筆記できるので、筆記角の許容性が高いです。普通に書いてもペンを寝かせたような感じで書けるので、なめらかに筆記できるのが特徴です。

書きやすい万年筆なのですが、もう少し低筆圧の時のインクフローが欲しいと思ったので、その点を調整してもらいました。

切り割が少し詰まり過ぎているようで、広げてもらいました。調整時間はホンの数秒でした。

結果はこの通り。上が調整前、下が調整後です。ごく軽い筆圧で書いた時の比較です。

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全然違いますね。

上の状態でも筆圧を少しかけるとインクフローが良くなるので、日本語を書くには適していると感じていましたが、サラサラと計算するにはちょっと向かないと感じていました。

初期のインクフローが豊かになったので、下のような筆記が楽にできるようになりました。

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今後、使用頻度が高くなりそうです。

メインの調整が一瞬で終わったので規定では2本までということでしたが、追加で2本、軽く調整してもらいました。

一本はラミーのabcで、もう一本はペリカン スーベレーンM400です。軽く研磨してザラつきを取ってもらいました。こちらも軽くラッピングペーパーで研磨するだけだったので、一瞬で終わりました。

どちらも結構書き味が良くなりました。

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コクヨ クリップノート(コピー用紙で作る新しいノート)

コクヨ クリップノートを買ってきました。

以前、リヒトラブのクリップファイルを紹介しました。A4の用紙を挟む道具という点では似ていますが、リヒトラブのクリップファイルは用紙を縦にめくるスタイルでどちらかというと、クリップボードの進化版といった感じでした。

digistill.hatenablog.com

クリップノートは用紙の長辺を固定しているので、その名の通り、ノートに近いです。

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外側に開閉式のクリップが付いていて、これを開け閉めすることで用紙を固定します。

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まず、両方を開きます。

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このように用紙を挟みます。

クリップを閉じると、このようにノートのように使えます。

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下の写真のようにフォルダーを折り返すことでA4用紙1枚分の大きさにして使うことができます。

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縦に使うだけでなく、横に使ってもいいと思います。

また、一時的な資料フォルダーとして使うのもありだと思います。

用紙は25枚閉じることが可能です(PPC用紙64 g/m2換算)。

仕事だとテンポラリーな資料や記録が多いので、こういうツールが役に立ちそうです。

 

 

 

鉛筆屋のシャープペン W07のクリップを外してみた

鉛筆屋のシャープペン W07のクリップを外してみました。

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下の写真のようにクリップはE形の止め輪構造になっています。クリップや本体に傷がつかないように当て布をしながらプライヤーで引き抜くと割と簡単に外れます。ただし、指で引っ張ったくらいでは取れません。

クリップの素材がどういうものか詳しくは知りませんが、弾性のあるバネ鋼のようなものを使っているのではないかと推測します。この形状なら取り外し作業において弾性領域での変形しか生じないと思うので再び取り付けることも可能です。

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シャープペン W07は六角形なので、クリップがなくても転がることはありません。見た目はちょっと使った鉛筆といった感じでいい感じです。クリップを外した部分の見た目にも違和感はありません。

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クリップ重量は約1 gで、クリップを外した後のペンの重量は約7.4 gとなりました。

重心位置はクリップを外す前は、芯を出したペン先から79 mmほどでしたが、クリップを外すと74 mmほどになりました。全長が約140 mmであることを考慮すると、重心はほぼ真ん中になりました。

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鉛筆は長手方向の密度が同じなので基本的には真ん中が重心位置になります。ただし、尖らせるために筆記側を少し削ることを考慮すると若干重心が後端側にずれることになります。

そう考えると、クリップを外したシャープペン W07かなり鉛筆に近い重量バランスであると言えます。

実際に書いてみたところ、使用感はかなり大人の鉛筆に近づきました。大人の鉛筆より2グラムくらい軽く、全長が短いので、取り回しもいいです。どんな持ち方をしても手にクリップが当たることもないので、集中力が途切れることもありません。私はクリップなしの方が断然好きです。

北星鉛筆 鉛筆屋のシャープペン W07、ボールペンW

北星鉛筆の鉛筆屋のシャープペン W07、ボールペンWをようやく手に入れました。

型番はそれぞれW07-600AZ、W-600DGです。600は価格で最後のふた文字は色の名前だと思います。ちなみに、色は小豆と濃緑です。

色はボールペンWが木目、灰、小豆、濃緑の4色展開、シャープペン W07が木目、薄灰、小豆、濃緑の4色展開となっています。どの色も甲乙つけ難く、どれもいい色でした。

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大人の鉛筆の北星鉛筆が販売するシャープペンシルとボールペンです。

手にするとほのかにインセンスシダー材の香りがして、鉛筆らしさを感じます。手に持った感じは大人の鉛筆そのもので、木の温もりを感じることができます。

小豆色と濃緑の塗装はユニやトンボの8900っぽいですが、艶消しで落ち着いた色合いになっています。

木材の両端が面取りされていて、木材が露出しているのも鉛筆っぽくておもしろいデザインだと思います。実用的には角が手に当たるのを防ぐ意味もあると思います。

シャープペンW07は芯径が0.7 mmで、デフォルトの芯はパイロットのネオックスグラファイトのHRF7G-20です。ボールペンWにはパイロットのBSRF-6M-Bで1.0 mm(アクロインキ)のリフィルが使われています。

しっかりしたパッケージで販売されていますが、包装材は全て紙でできています。

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重量はシャープペン W07が8.4グラム、ボールペンWが8.0グラムでした。軸の素材は鉛筆と同じインセンスシダーが使われているため、多少、バラツキがある可能性があります。

軸の太さは大人の鉛筆と同じ8 mmです。一般的な鉛筆は7 mmですが、1 mm大きいことで持ちやすさが向上しています。個人的には鉛筆も8 mmにして欲しいくらいです。

ペンの長さはどちらも約14 cmです。スマッシュと比較するとこんな感じ。

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大人の鉛筆との比較。

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割と小ぶりな感じです。

重心位置は以下の通り。

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低重心ではないですがペン自体が軽量なのと、両端の重量が重く作られているため独特な安定感があります。

少し細部を観察してみましょう。

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クリップはすごくきれいに成型されています。つかむ力も強すぎず弱すぎず適正で、紙一枚でもしっかりと固定可能です。

形状的にスタロジーのボールペンと同じクリップだと思います。

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シャープペンシルの口金はパイプ部分が口金と一体になっていて強度が高そうです。口金に相当する部分の長さは約1.3 mmです。

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また、パイプ部分の太さは約1.4 mmでした。グラフ1000フォープロ0.7のガイドパイプの太さは1から1.1 mm程度です。

材料の厚さを計算してみます。

JISで規定されている0.7芯の太さは069 ~ 0.73 mmとされています。ここでは簡単のために0.7 mmとします。また、パイプの内径は芯の太さより大きめに設定されてるはずですし、加工のことを考えるとプラス公差になっているはずですが、ここでも単純に内径0.7 mmと考えます。グラフ1000フォープロのパイプの外径は1 mmとします。

そうすると、シャープペン W07の材料の厚みは0.35 mm、グラフ1000フォープロは0.15 mmと計算できます。パイプ部分の材料の厚みは倍以上あることになります。口金と一体になっていること、パイプ自体が短いことを考えるとかなりの強度が期待できます。机から落とした場合の壊れにくさを考えるとかなり合理的な設計となっています。

ノックボタンは通常のシャープペンシルと同様に外して芯を入れることができますが、ノックボタンには穴が開けてあり、ここから直接芯を入れることが可能です。

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入口側には面取りがされていますが、逆側は0.7 mm芯がギリギリ貫通する程度の穴になっているので芯が飛び出してこないようになっています。このパーツだけでも相当細かい金属加工がなされていて驚きです。こういう構造なので消しゴムは実装されていません。

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口金が外れない仕様になっているのでチャックの材質はよくわかりませんが、ノック感がかなりしっかりしているので、おそらく金属チャックを使っていると思います。

20ノックで12 mmの芯が出てきたのでワンノックあたりの芯の繰出量は0.6 mmです。ぺんてるのシャープペンシルは0.5 mmのシャープペンシルのワンノックあたりの繰出量が0.5 mmに設計されています。0.7のグラフ1000フォープロの繰出量を調べてみると0.6 mmでした。ちなみに、0.3では0.25 mm、0.4では0.3 mm、0.9では0.7 mmでした。

まとめておきましょう。

0.3・・・0.25 mm

0.4・・・0.3 mm

0.5・・・0.5 mm

0.7・・・0.6 mm

0.9・・・0.7 mm

これは経験則で決められてものだと思いますが、おおよそ2回ノックした時にバランス良く筆記できるように設計されいるようです。つまり、2回ノックして筆記し始め、1回ノック分くらい、つまり、半分くらい芯が減った時にワンノックすると初期状態に近くなるというわけです。芯が太いほど繰出量が多いのは芯が折れにくいからだと思います。

私はこのぺんてるの繰出量はバランス良く設計された指標だと感じています。時々、1ノックあたりの繰出量がかなり多いシャープペンシルがあったりしますがそういうのは基本を押さえていない感じられて使う気がしなくなります。

先ほども書きましたが、シャープペン W07はワンノックあたりの繰出量が約0.6 mmになっていて、ちょうどバランス良く設計されていると思います。

クリップは脱着できるようになっています。下の写真をよく見ると、クリップは金属部品に金属の弾性を利用して固定されています。説明書にも書いてありますが、かなりガッチリ固定されているので、プライヤーのようなものを使う必要があると思います。試しに指で引っ張ってみましたがびくともしませんでした。

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ボールペンWのクリップとノックボタン。

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ボールペンWの口金。

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ボールペンの口金精度も素晴らしくガタつきはかなり最小限に抑えられていて、ほとんど感じないほどです。少しグリスを塗布してあげれば皆無レベルになります。

クリップから推測するに口金もスタロジーのボールペンと同じ工場で作っている可能性があります。スタロジーのボールペンの口金精度も相当高いのでそれと同等レベルに仕上がっています。

ただし、口金の設計は若干違っています。

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スタロジーは口金がオスネジでボールペンWはメスネジになっています。

シャープペンW07は筆記時にノック部品が金属スリーブと干渉する音が若干気になりました。その場合は、ノック部品の側面に薄くグリスを塗るといいです。気になる音はほとんどしなくなります。個人的にシャープペンW07にクリップは必要ないと感じるので、そのうち外すと思います。

ボールペンWも完成度が高いです。部品のひとつひとつを見ても設計に妥協がありません。ノック式ボールペンの中ではスタロジーのボールペンが頭ひとつ抜けていると感じていましたが、それと匹敵する完成度です。六角軸でこの性能が手に入るのはかなり貴重です。私の今後のメイン筆記具になるのは間違いないです。このような素晴らしい筆記具を手にすると、ワクワクします。

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