KURETAKE からっぽペン ほそ芯

使い切れない万年筆用のインクを使うのに良さそうだと思って、KURETAKEのからっぽペンを買ってきました。からっぽペンには筆ペンタイプもありますが、今回買ってきたのはいわゆるフェルトペンタイプのものです。

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空カートリッジが5本ついて880円でした。ネットだともう少し安く買えると思います。一本あたり176円です。インクなしでこの値段はちょっと高いです。

後ろの注意書きを見ると、純正の呉竹「ink-cafe 私のカラーインク作り体験セット」「ink-cafe おうちで楽しむ私のカラーインク作り」で作成したインクをご使用くださいとあります。それ以外のインクを使ったらインクが出なかったりするとのことです。

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まぁ、その辺は自己責任ということで気にせず行きます。

構成としては、軸とキャップ、綿芯、尾栓、丸ラベルがワンセットです。

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ペン先はこんな感じ。右側のはぺんてるのサインペンです。

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よく見ると、フェルトペンというよりペン先は樹脂チップのような感じです。

今回使うインクはパイロット 色彩雫の紺碧。このくらいの量になるとコンバーターで吸い上げにくくなります。購入してから数年経ちますので、吸えたとしても、流石に万年筆に入れるのは抵抗があります。かといって捨てるのはもったいないのでちょうどよかったです。

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早速、インクを吸わせてみましょう。

綿芯をそのままインク瓶に突っ込みます。綿芯の外側は樹脂のフィルムで覆われているので、手にインクが付くことはありません。

インクはグングン吸い込まれ、10秒強で8割ほど吸い込まれます。30秒弱でこのくらいになりました。

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説明書には8割程度インクを吸い上げるとありますが、ここは10割目指して吸わせます。

2分ほど放置するとこんな感じになりました。

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インクを吸う前のインク瓶の重量が253.62グラムで、吸い終わった後のインク瓶の重量が251.36グラムでしたので、合計2.26グラムのインクが吸われたことになります。

このようにインクが繊維に吸い込まれるのを、毛細管現象といいます。液体がモノに触れると組み合わせによっては液体によりモノが濡れます。液体の表面は丸まって球になろうとする力が働いています。例えばすごく細いストローのようなモノに液体に垂直に差し込んだ様子を考えると、液体は濡れ性によりストローに触れた部分は少し液面より高い位置になります。この形をメニスカスと言います。液体はこの状態から球になろうとして少し引き上げられます。メニスカスによる凹よりも凸の方が居心地がいいんですね。実際はバラバラにこのような現象が起きるわけではありませんが、凸になるとメニスカスが形成され凹になり、そうするとまた凸になり、、、を繰り返します。そうするとメニスカスがどんどん上に移動して、結果的に重力と釣り合うまで液体はストローの内部を上ることになります。

Wikipediaによると、液面の上昇高さhは次の式で表されます。

h = 2Tcosθ/ρgr

T 表面張力

θ 接触角

ρ 液体の密度

g 重力加速度

r 管の半径

インクで大切なのが表面張力や接触角であることが分かります。これらはインクに入れる界面活性剤の量や種類、グリセリンのような水溶性の物質の量で決まります。万年筆インクの配合のことはよく知りませんが、どのような色材をどのように配合するかが腕の見せ所なんだと思います。

パイロットのカートリッジの容量が約0.9 mlで、大容量コンバーターのCON-70が1.1 mlですから、インクの比重が大体1くらいだと仮定すると、カートリッジやCON-70の倍くらいのインクを吸わせることができたことになります。

綿芯をペンに入れて、尾栓を閉め、しばらくするとこんな感じになります。

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ラベルにインクで色をつけて尾栓に貼り付けておくと入れたインクの色がどんな色なのかがわかりやすくなります。

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筆記線はこんな感じです。

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サインペンよりもだいぶ細く書けます。万年筆の中字よりちょっと太いかなといった感じです。色が薄く出るというレビューも見かけますが、少なくとも紺碧の場合は万年筆で書くのと色の濃さは大差ありません。顔料系のものは分散している粒子の大きさや粒子の帯電具合によっては綿芯に顔料が残ってしまうのではないかと推測します。染料インクの場合、染料は水に溶解してますので、水に溶けたまま出てきます。

結構滑らかに書けます。フェルトペンというより、樹脂チップのペンです。色は万年筆で描いた時と遜色ありません。筆記感はかなり好みです。

インクを入れた後のペンはこんな感じです。

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シンプルなカラーペンといった感じで悪くありません。ちなみに、この状態で重量は8.73グラムです。計算上はペンの重量が6.48グラムになったら終わりです。実際は残留分があるでしょうから、そこまでは書けないと思いますが。

基本的にこのペンは使い捨てみたいです。

使い終わったら無理矢理こじ開けて、さらにインクを吸わせてみようとは思っています。ペン先は結構丈夫そうなので、インクさえ入れることができれば、何度か使えるのではないかと思います。尾栓に穴でも開けて、スポイトで追加するように改造してもいいような気がします。インクを入れた後はセロハンテープで塞げば問題ないのではないかと思います。捨てるくらいなら、色々いじってみようと思います。

からっぽペンにはカートリッジタイプもありますが、カートリッジタイプは筆ペンタイプしかないようです。

すごくいいペンだと思いますが、使い捨てなら一本30~50円、もしくはインクを複数回補充できるようにして欲しいところです。

呉竹 ペン容器 からっぽペン ほそ芯 5本セット ECF160-451

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  • 発売日: 2020/08/31
  • メディア: オフィス用品
 

 

 

 

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