木軸のペンは使い込むとどう変わるのか

木軸のペンは使っているとどんどん光沢が出てきます。

下の写真は上が使い込んだピュアモルトのグリップ、下がほぼ新品のピュアモルトの軸です。

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同じ材質ですが、使い込んだ方はだいぶ光沢があります。実物は写真で見るよりもっと光沢感を感じます。一方、新品のピュアモルトは光沢感はあるもののくすんだような感じに見えます。

光沢のある方は手に吸い付くようなグリップ感があります。ちょうど樹脂の軸のような感じです。新品の方はサラサラした印象です。

拡大して観察してみましょう。

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新品のピュアモルトの表面には小さな凹凸が一面にあります。一方、使い込んだピュアモルトの表面は小さな凹凸がなくなり平滑になっています。

木質材料の表面」(色材協会誌 33(4), 192-195, 1960, 上村武)によると、木材の表面粗さが光沢に影響を与えると書いてあります。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/33/4/33_192/_pdf

使い込むことで加工時に発生する表面の微細な凹凸が均されるのではないかと思われます。その結果、指との接触面積が増え(真実接触面積が増える)、摩擦係数が上がり、グリップ力が向上したと感じるのだと思います。

自宅には計測器類がないのであくまでも推測しかできませんが。

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