グリスアップ大作戦

文房具のカチャカチャ音がグリスによって消えるという発見をしてから、気になる文房具にグリスを塗ってはニンマリしています。

その中で今日はふたつ劇的に生まれ変わったペンを紹介します。

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ひとつ目はLAMYのアルスター油性ボールペンです。

このボールペンに関しては以前、グラつかせない工夫としてセメダインスーパーXを塗布する方法を紹介しました。その他にもUV硬化樹脂を塗るという方法なども他のペンでは試したことがあります。

digistill.hatenablog.com

私にとってノック式ボールペンのカチャ音は割と気になるポイントです。メモ程度なら気にせず使えるんですが、ちょっと集中しようという時には全然ダメです。

その多くの問題がグリスアップで解決するというのは自分的に革新的なカスタマイズです。

久しぶりにアルスターを引っ張り出して、セメダインを外し、グリスアップしました。するとカチャ音はほぼ皆無になりました。太めの旧油性ボールペンということもありヌルヌルとふんわりとした書き心地がクセになります。しばらくスタメンとしてペンケースに入れることにしました。

次はOHTOのGS01。

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このボールペンはノック式にも関わらず、ペン先のカチャ音は最小限で、ほとんど気になりません。しかしながら、下に示すノック部分の干渉音が気になります。

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以前、公式ツイッターでこの部分を狭くした改良品を出すとか出さないとかというツイートがあったのですが、それが実現したのかどうかは良くわかりません。そもそも、このペンを広島で売ってるのを見たことがないです。この部分に塗布するにはノックを少し押し下げて、軸の壁面にグリスを盛るように塗りたくり、できるだけ中に入るようにします。そんなに深くまでは塗れませんが、効果は十分に得られました。もちろん、物理的な隙間が埋まるわけではないので、激しく振れば音はします。しかし、筆記による振動程度ではほとんど音がしなくなりました。グリスが緩衝材になっているような感じです。

調べてみると、世の中にはダンピンググリスというものが存在するようです。

詳しく知りたい人は以下のリンクの一番下にあるpdfをダウンロードして読んでみてください。

製品情報|Nye Lubricants(ナイ ルーブリカンツ)

簡単にいうと、ダンピンググリースというのは部品同士の隙間を埋めて音を軽減するためのグリスです。普通、潤滑というと摩擦を下げるイメージがありますが、ものとものが相対的に滑る時には動圧という油圧が発生します。クサビ効果とも言いますが、油が狭いところに押し込められようとして結果的に圧力が発生する現象です。油にはもうひとつ絞り膜効果というものがあります。これは平行な油膜を押し潰そうとするときに発生する圧力です。ダンピング効果はこちらに近いと思います。感覚的にいうと、油が指につくとなんか膜があるような感じでツルツル滑りますね。それがまさに指とモノの間に油膜があるって状態です。つかむまさにその時には絞り膜効果が発生しますし、滑らすと動圧が発生し、ツルツルが増したように感じるかもしれません。

文房具の異音解消にもグリスアップ大作戦がもっと普及することを願います。これはメーカーが取り組んでもいいことだと思いますが、メーカー的には効果が持続しないような処置をしたくないのかもしれません。

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