「コピー用紙を43回折り曲げると月まで届く」みたいな話を聞いたことがありますか?
この問題を関数電卓を使って検証してみましょう。
まず、前提です。
紙の厚さは55kgの上質紙の厚さ79μmを使います。
月までの距離は384400 km。
まず、関数電卓のソルブ機能を使って、次の方程式の解を求めてみます。
この式の左辺はコピー用紙を折り曲げることを意味します。折り曲げると紙の厚みが2倍になるので紙の厚みに2のx乗(xは正の整数)を掛けているわけです。右辺は月までの距離。この両者が等しくなるxを求めたいわけです。
ソルブ機能というのは関数電卓に方程式を打ち込むとその解を求めてくれる機能です。
方程式を打ち込んで、早速実行してみますが、うまくいきません。
ピッタリくるxを求められないということですね。
関数電卓のソルブ機能というのはニュートン法*1という方法で解を求めようとします。詳しくは脚注のリンク先を見てください。簡単にいうと、ちょっとずつずらしながら方程式がゼロになる値を探る方法です。ですから、解が2つあっても、片方ずつしか求めることができません。
この場合、指数関数の指数部分が未知数になっているので急激に値が変わりすぎて適切な解を見つけられなかったものと思われます。
これではおもしろくないので、月の距離から、紙の厚みを引く式を作り、作表してみます。
作表機能はfx-JP900よりもEL-520Tの方が使いやすいです。fx-JP900は開始値と終り値、差分を入力する必要がありますが40行までしか計算できないので、変な値を入れるとエラーが出ます。一方、EL-520Tは開始値と差分を入力するだけでいいです。0から計算しても、スクロールすればマイナス側も作表されています。おそらくその都度計算して表示しているのではないかと思います。
それはさておき、その結果がこれです。
42回目まではまだ遥か遠く届きませんが、43回目で一気にズドンと突き抜けている様子がわかりました。
この様子をGrapherで描くとこんな感じです。
この急激な変化がまさに指数関数の性質を表していますね。
まぁ、こんな折り曲げ方ができるかどうかというのはまた別のお話ですが。笑