劇的に進化した「クルトガ 新スタンダードモデル(KSモデル)」

2月20日は「クルトガ 新スタンダードモデル」の発売日です。早速手に入れました。

手にしてすぐに「クルトガに革命が起きたな」と思いました。クルトガダイブの複雑な機構にも感動しましたが、クルトガが持つ基本的な課題をきっちりと高レベルに改善した新スタンダードモデルの方が感動が大きいかもしれません。

クルトガ 新スタンダードモデル

色は0.3がブラック、0.5がネイビーです。ブラックは若干艶消しっぽい仕上げになっていて、落ち着いた色になっています。ネイビーは明度が低く、黒っぽい色で、光沢仕上げです。写真で見たときには黒が圧倒的によく見えましたが、じっくり見るとネイビーの方が好みです。

カラーラインナップは0.3mmがブルー、ブラック、アイスブルー、ライトグレーで、0.5mmがブルー、ネイビー、アイスブルー、ライトグレーです。0.5にはブラックがないですが、ネイビーが結構黒に近いです。

クルトガエンジンのインジケーターは0.3が黄色で0.5がオレンジ色です。

クルトガ新スタンダードモデルには大きく3つの特徴があります。

  1. より集中できる新クルトガエンジン
  2. もっと握りやすくなった最適設定のグリップ
  3. 使いやすく洗練された新しい軸デザイン

1.新クルトガエンジン

新しいクルトガは口金と摩擦する部分が樹脂から金属に変わりました。

どことなくアルファゲルスイッチの内部構造に似ています。

上:新スタンダードモデル、下:アルファゲルスイッチ

新クルトガエンジンはエンジンが回転する際の沈み込みが小さくなっているようです。なんとか数値化しようと思ったのですが、元々がわずかな沈み込みということもあり、手元にある道具で数値化は難しいでした。

クルトガは軸方向に内部機構を動かし、ギアを利用してエンジンが回転する仕組みなので、必ず軸方向の動きが発生します。新スタンダードモデルも当然ながら軸方向の動きはありますが、動きが軽微になりました。クルトガを知らない人はあまりいないと思いますが、もし知らない人が新スタンダードモデルを使ったとしたら、軸方向の動きに気がつかない人もいるかもしれないというレベルです。

横方向のブレも少なくなっていると感じます。回転も滑らかで、劇的に進化しました。

ただし、筆記時に少しカチカチという音がします。これは内部ユニットと口金が衝突する音です。この音を消すのは簡単で、内部の金属部分に少量のグリスを塗布するだけです。ただし、どのような影響があるかわからないので、やる場合は自己責任でやってください。ちなみに、アルファゲルスイッチにも同様にグリスを塗布していますが、特に問題もなく、効果も持続しています。この場合、グリスは滑りを良くするための潤滑というより、物と物が直接衝突するのを防ぐのが目的です。ごくわずかな油膜の存在が、衝突時のショックを和らげる効果があります。

音の感じを下の動画に示します。この程度なので気にならない人は余計なことはしなくてもいいと思います。

youtu.be

計測してみたところ、回転の速度は40ストロークで1回転でした。

2.グリップ

グリップは軟質樹脂でできています。軟質といっても、比較的硬めでソリッドな軟質樹脂です。直径はおおよそ11 mmほどで、先端に行くとわずかに太くなっています。一見、よくあるグリップに見えますが、太さや形状、握り心地など、非常に高いレベルで設計されており、完成度が高いです。

3.新しい軸デザイン

軸のデザインを従来のスタンダードモデルと比較してみましょう。

従来のスタンダードモデルはちょっと子供っぽいデザインでしたが、新スタンダードモデルはビジネスシーンでも使えるような落ち着きのあるデザインになったと思います。

その他

クリップは樹脂製ですがしっかりとしたホールド感があります。どことなくユニボールワンのトーションビーム方式のクリップに似た中抜きしたような形状になっています。

重量は0.3が11.4 g、0.5が11.3 gでした。個体差かもしれませんが、0.3の方が0.1 g重いでした。

軽いペンなのであまり重要ではないと思いますが、参考までに、重心はほぼ軸の中央です。

まとめ

クルトガは発売直後から新しいモデルが出るたびに買ってきました。片減りしないギミックはシャープペンシルに特有の欠点をなくす機構で、興味深いからです。しかしながら、ガタガタと振動する筆記感はどうにも好きになれませんでした。アルファゲルスイッチは初めてクルトガの良さを私に感じさせてくれました。ただし、内部機構にグリスを塗布するまではこれまでのクルトガと同じ印象でしたが。

好きなシャープペンシル、書きやすいシャープペンシルはたくさんありますが、実用性で言えばアルファゲルスイッチの出番が多いでした。

クルトガアドバンスは片減りしない上に、ガイドパイプを紙面に当てずに、自動で芯を出し続けるという究極の機構を実装しています。しかしながら、筆記感には課題が残る部分があると感じています。そういう意味ではアルファゲルスイッチが私にとってナンバーワンクルトガでした。

しかしながら、クルトガ 新スタンダードモデルにはその使用感を一気に抜き去るインパクトがあります。

これまでクルトガが好きな人よりも、クルトガが苦手な人の方が感動があると思います。

機構的に難しいのかもしれませんが、今後、20ストロークで1回転するような新アドバンスモデルも期待したいところです。

個人的にはこの機構が実装された新ローレットモデルが出たらぜひ欲しいです。

金属軸の高級路線も期待したいです。

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