奇跡的にブレない(ユニボールワンFの軸にモノグラフライトのリフィルBR-KNEを入れると最高のペンが出来上がる)

ユニボールワンFが油性ボールペンだったらいいかもと思って、純正以外のリフィルを試してみました。

手持ちのリフィルで全く問題なかったものを3つ紹介します。

  1. ブレン NC-07
  2. アクロボール BRFV-10
  3. モノグラフライト BR-KNE、BR-KNR

まず、ブレンのNC-07。最後の07は0.7という意味で、その他の芯径も入ります。厳密には油性インクではなく、エマルジョンインクですが、書き味が低粘度油性に似ているので、油性カテゴリとして扱います。

ペン先はこんな感じ。

違和感ないです。ブレは純正リフィルとほぼ同等で気になりません。

次にアクロインキBRFV-10です。

一見、マッチしそうにないですが問題なく使えました。

若干、リフィルの繰出量が多いですが問題ないです。気になる時はちょっとリフィルを切ればいいと思います。

最後はモノグラフライトのBR-KNEとBR-KNRです。KNEは0.5 mmでKNRは0.38のリフィルです。

この組み合わせはペン先のブレが純正よりも少なめです。特に0.5のKNEは全くといっていいほどブレません。KNEとKNRのリフィル形状はほとんど同じに見えますが、実は0.5のKNEの方がほんの少しだけリフィルが太いようです。どちらもノギスで計測すると6 mmです。しかしながら、KNRは軽く軸に入りますが、KNEは軸に入れる時に微かに抵抗があります。KNEのリフィルは1本しか持っていないので個体差かもしれませんが、少なくともKNRは全て細めでした。

ちなみに、ペン先はこんな感じ。

消炭(ブラック)に入れるとシャープな感じがよく似合います。イチオシの組み合わせです。

モノグラフライトのリフィルはニードルチップで視界が良く、インクは低粘度なので書きやすいです。モノグラフライトは純正軸もブレが少なくていいですが、ユニボールワンFに入れた時の方が重量感やバランスが良く、好みです。この組み合わせを体験してしまったら、下手なペンは使えなくなるかもしれません。禁断の組み合わせかも。

ちなみに入りそうで入らなかったリフィルは以下の通り。

  • ジュースアップ LP3RF12S4
  • エナージェル LRN4TL
  • ジェットストリーム SXR-38
  • サラサクリップのリフィル

ユニボールワンFはスタビライザーのせいで内部が若干狭いんだと思います。

意外なところだと、シグノ307のリフィル(UMN-307-05)は入りました。シグノRT1のリフィルなども入るそうですが、どちらもゲルインクなのでリフィルに思い入れがない限りは特に入れ替えるおもしろさはないでしょう。

ボールサインiDのリフィルが入ったという報告もあるようですが、手持ちのiDプラスのリフィルは入るもののノックができませんでした。

 

 

 

抜群の安定感 パイロット クーペ(アクロインキボールペン)

ここ数日、S20を使っていて、アクロインクの黒々としたヌラヌラのインクが気に入りました。

特に目的もなくロフトに入り、ボールペンコーナーを見ていたら、パイロットのクーペが目につきました。これまで特に気にしたこともないボールペンでしたが、手にした瞬間、スッと手におさまる感覚が新鮮でした。

口金とリフィルのガタつきを調べてみると、ガタつきをほとんど感じない仕上がりになっていました。ノック式なので隙間はありますが、リフィルが根本でしっかりと固定されている感じです。

ブラック、メタリックレッド、メタリックブルー、パールホワイト、シャンパンゴールドの5色展開していますが、私が購入したのはメタリックブルーという色です。

ノック時の全長は約145 mm、重量は25 gです。重心位置はこの辺りです。

若干重めのペンですが、比較的重心が低いので安定感があります。

グリップにある点々は塗装みたいな感じでちょっとだけ盛り上がっています。これ自体にグリップ感があるとは思えませんが、アクセントになっていて、触り心地がいいです。

キャップレス絣の仕上げにちょっと似ています。

キャップレス絣の軸

クーペのグリップは直径φ10 mmからφ11 mmくらいになっています。

ペンのグリップは10 mm前後が好きなのでちょうどいい感じです。

私はそれほど衝動買いをしませんし、物を買うときはペン一本でもかなり調査して、納得してから買います。しかしながら、クーペに関しては、見てから買う決断をするまでにほとんど時間はかかりませんでした。細かく分析してみると、そう思うだけの要素が揃っていると思います。

ちょっとオプトに似ているなと思って並べてみたところ、軸のラインがそっくりです。しかしながら、オプトの方が全体的に太めです。重量もオプトの方が9.2 g軽く、15.8 gです。。

ペン先とクリップを観察してみましょう。

ペン先は特別高級感はありませんが、精度良く作られています。

クリップの張力は適切で、形もいいです。ノックボタンはノックしても張力が働くタイプなので、ノックしてもガタガタと動きません。クリップ付近にリング状の装飾が施してあり、いいアクセントになっています。

控えめのロゴがなんとなくレトロでかわいらしいです。

リフィルはBRFN-10F(アクロインキ)です。S20と同じです。

筆記時にペンを振っても部品が動く音が全くしません。ペン先のガタつきもほぼ皆無なのでアクロインキの滑らかさがよくわかり、上質な筆記感を味わえます。

高級感があるとかそういう意味ではなく、設計が合理的で隙がありません。ここまで完成度が高いペンはありそうで、なかなかないです。名作といってもいいと思います。なんといっても驚きはこのクオリティが1000円程で手に入るってことです。

同価格帯のアクロ1000と比べるとスタイリッシュさに欠けるので目立ちにくいペンだと思いますが、重量バランス含め、実用的なデザインが素晴らしいです。

油性ボールペンのインク溜まりは書く条件によって変化する

油性ボールペンの悪い特徴のひとつにペン先のインク溜まりがあります。いわゆる、ダマとかボテとかいうやつです。先日、S20を購入した際、アクロインキはボテが出やすいと書きました。しかしながら、いろいろ確認しているうちに油性ボールペンのインク溜まりは書く条件によって変化するということに気がつきました。

三菱鉛筆のウェブサイト(参考リンク)に参考になるようなことが書いてありました。

ここでは以下の4点をインク溜まりの原因として上げていました。

  1. 筆圧が弱い場合 や 筆記する紙が薄い場合
  2. 直線を引く場合
  3. ペンを寝かせて書く場合
  4. ゆっくりと筆記する場合

ボテができるメカニズムは簡単です。油性ボールペンでは回転するボールがリフィル内からインクを引き出しながら、紙にインクを付着させますが、紙に付着できなかったインクは再びリフィル内に引き込まれます。その際、引き込まれるインクが多すぎるとインクがペン先の端面に溜まってきます。溜まったインクがある程度溜まると、紙にボテが発生するわけです。

インクが100%紙に転写されればボテは出ないわけですから、上の4つは合理的です。言い換えると、

1 ボールと紙の接触面積を増やすためには、紙の厚みを増やすこと、下敷きを使うこと、ある程度高い筆圧で筆記することなどが考えられす。

2 一定方向にペンを動かすとインクの溜まりが育ってしまうので、あらゆる方向に筆記することが好ましいです。

3 ペンを寝かせてしまうと、これまたボールと紙の接触面積が減る原因となります。

4 ゆっくり書きすぎても余計なインクが引き出される可能性が出てきます。

1に関連しますが、紙の質でボテの出方は変わります。手持ちの紙で比較的安定して書けたのは普通のキャンパスノートでした。キャンパスハイグレードのウェブページにキャンパスノートと筆記具との相性一覧があり、普通のキャンパスノートは油性ボールペンとの相性が良いと書いてあります(参考リンク)。

これに加え、インクの製造年月日も関係あるのではないかと考えました。新しいインクを手に入れるため、ヨドバシカメラの通販でリフィルを取り寄せてみました。

パイロットのリフィルには製造年月日が書いてあります(参考リンク)。上の写真を見ると、このリフィルは2022年の1月に製造されたものです。比較的新しいものが入手できました。

比較してみると、古いインクよりもボテが出にくいと感じました。もちろん、筆記角度を小さくして筆圧軽めで線を引っ張るような書き方をするとボテは出ます。

パイロットのウェブサイトによると(参考リンク)、油性インクの使用期限は3年が目安らしいので、書き味がおかしいと感じたらリフィルを新しくしてみるといいかもしれません。

 

参考リンク

ペンの先にインクが溜まる|よくあるご質問|三菱鉛筆株式会社

キャンパスハイグレード - 文具紹介 - コクヨ ステーショナリー

替芯の製造年月はどこを確認すればわかりますか? | よくあるご質問 | PILOT

https://www.pilot.co.jp/support/6997817f2ac2aae4e1d4cab62bb89e45ae71b829.pdf

https://www.pilot.co.jp/support/6997817f2ac2aae4e1d4cab62bb89e45ae71b829.pdf

 

パイロット S20ボールペン

今日はゴールデンウィークで休みってこともあり、自宅からはかなり遠いのですが、うさぎや福山南店に行ってきました。TWSBIやクルトガダイブを買った店です。

ジェットストリームプライム回転繰り出し式シングルの新しいタイプのものが気になっていたのですが、実際に手にすると長時間筆記するには結構重く感じました。せっかくだから何か買おうと思って店内をぶらぶらしていると、S20のボールペンが目に止まりました。店頭展示品だったので若干傷が目立ちましたが、実用的に使うペンなので気にせず買ってきました。

色はダークブラウンです。

まず、シャープペンシルのS20と比較してみましょう。

上がシャープペンシル、下がボールペンですが、軸のデザインはほぼ同じです。

重量は、ペンが19.3グラムシャープペンが17.9グラムです。1.4グラムの差は手にするとすぐにわかります。

偶然にも木目がそっくりです。確信はありませんが、あまりにもそっくりなので、この木目は人工的に作られたものかもしれません。どうやって作ってるんでしょうか。店頭のペンを見ると、どれも違う木目に見えるので、人工的に作られているとしてもバリエーションがいくつかあるんだと思います。これが偶然の一致だとしたら、奇跡的なレベルです。

重心位置はこんな感じです。

ボールペンの重心位置は軸のほぼ真ん中です。

ペン先とノックボタンを観察してみます。

口金とリフィルの隙間は最小限に抑えられており、ガタつきは最小限です。グリスを塗布すればほぼ完璧です。

ノック式のペンの口金内部にグリスを塗布するとカチカチ音がしなくなることを発見しました。しかしながら、隙間が大きいペンに関しては音は軽減するものの筆記時にガタついたり、ビビったりするものもあります。

ノックボタンの先端には木の部品が埋め込まれています。ノックボタンはバネの張力で固定するタイプですので、ノックした後でも動きません。筆記時にノックボタンと軸が干渉して音が出るペンがありますが、S20は大丈夫です。わざと振ると少し音がするレベルです。

ノック音は比較的静かです。

リフィルはBRFN-10Fというものです。手持ちのペンだと、ドクターグリップのリフィルと同じです。内蔵されているインキはアクロインキです。

新油性インクなので、筆記感はなめらかで線も濃く書けます。ドクターグリップもそうですが、BRFN-10Fは若干ダマが出やすい印象です。

実はジェットストリームの回転繰り出し式シングルの新しいタイプやコクーンも気になっていたのですが、どちらも重量が30グラムオーバーで、常用するにはちょっと重いかなと思いました。

S20は2000円と比較的安価な割に高級感があります。細部までよく設計されていて完成度は高いです。重量が20グラムない程度ですし、重量バランスも良いので長時間筆記しても問題ないと思います。

特に欠点らしい欠点は見当たらないので、S20のシャープペンシルを気に入って使っている人ならすんなりと手になじむと思います。

これを使うとレグノのボールペンも気になりますね。

 

 

 

 

 

ペンクリニックに行ってきました

久しぶりにペンクリニックが開催されたので行ってきました。

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3年前のこのペンクリニックでカスタムヘリテージ912のウェーバリーを購入しました。

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ウェーバリーというのはペンポイントが少し上に反り返ったようなニブのことです。

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特殊なニブに見えますが、筆記感は至ってノーマルです。このニブはペンを立て気味にしても普通に筆記できるので、筆記角の許容性が高いです。普通に書いてもペンを寝かせたような感じで書けるので、なめらかに筆記できるのが特徴です。

書きやすい万年筆なのですが、もう少し低筆圧の時のインクフローが欲しいと思ったので、その点を調整してもらいました。

切り割が少し詰まり過ぎているようで、広げてもらいました。調整時間はホンの数秒でした。

結果はこの通り。上が調整前、下が調整後です。ごく軽い筆圧で書いた時の比較です。

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全然違いますね。

上の状態でも筆圧を少しかけるとインクフローが良くなるので、日本語を書くには適していると感じていましたが、サラサラと計算するにはちょっと向かないと感じていました。

初期のインクフローが豊かになったので、下のような筆記が楽にできるようになりました。

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今後、使用頻度が高くなりそうです。

メインの調整が一瞬で終わったので規定では2本までということでしたが、追加で2本、軽く調整してもらいました。

一本はラミーのabcで、もう一本はペリカン スーベレーンM400です。軽く研磨してザラつきを取ってもらいました。こちらも軽くラッピングペーパーで研磨するだけだったので、一瞬で終わりました。

どちらも結構書き味が良くなりました。

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