関数電卓で定積分

とあるブログ*1にホテルのWi-Fiパスワードが定積分で与えられている例が書いてありました。ブログではPythonのsympyモジュールおよび手計算で解いていましたが、この積分を関数電卓でやってみます。

式は以下の通り。

まず、式を眺めてみます。最初に結果を書きますが、答えは円周率になります。

√(4-x^2)と積分範囲を見ると、この部分は半径2の円の上半分を計算していることがわかります。三角関数を含む場合、y軸に対象に積分すると結果はゼロになります。と考えると、以下のようになるわけですね。実は答えを出すのに具体的に積分計算をする必要がないんです。

結局、三角関数を含む項はこのような積分範囲ならゼロになるわけですから、どんな関数を掛けてもゼロになるわけです。あとは定積分が2になるような数字、つまり1/2を足してあげていればいいわけですね。

上の部分には訂正があります。「1番目の項は奇関数で-2から2までの積分なのでゼロになる」というのが正しいですね。図も差し替えました。視覚的に理解できるようにポイントとなる部分をGrapherで描いたグラフも追記しておきます。

 

グラフで見るとプラスとマイナスで打ち消し合っているのが一目瞭然です。

式をよく観察すればπであることがわかるわけです。まぁ、ルートの形と積分範囲を見て、すぐピンとくる人もいると思いますが。

それでは、関数電卓でゴリゴリ計算してみましょう。

計算はカシオのfx-JP900とシャープのEL-520Tで実行しました。

長いので動画は載せませんが、結果は以下の通り。

fx-JP900:処理時間約80秒、答 3.141592654

EL-520T:処理時間約46秒、答 3.141133205

fx-JP900はこの桁の範囲において完全に円周率になっています。ただ、変換キーを押してもπとは表示されないので、電卓自体はこの数字が円周率と思っていないんだと思います。

EL-520Tは結果を出す時間は短かったものの、4桁までしか結果が合っていません。カシオとシャープの関数電卓は定積分のアルゴリズムが異なるようで、精度はカシオの方が高いことがわかりました。

そこで試しにx^2+x+1を-4から4の範囲で積分してみましょう。短いので動画をみてください。

youtu.be

fx-JP900は一瞬で答えを弾き出しますが、EL-520Tはワンテンポ遅れます。答えは同じでした。

定積分の計算はfx-JP900を使った方がいいですね。

 

 

 

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