iPhoneに関数電卓の公式を計算させてみた

プログラム関数電卓fx-5800Pにはあらかじめ128の公式が内蔵されています。

その一つ目がこれです。

2直線の傾きから、直線同士がなす角を計算するというものです。

この公式はどこから出てきたかというと、tanの加法定理からです。

ちなみに、下の計算に使った紙は無印良品のらくがき帳、ペンはジェットストリームアルファゲルグリップです。

直線の番号の付け方が上の写真と逆なので、結果はプラスとマイナスが逆に得られます。どっちがどっちの角度か頭の中でわかっていれば本質的な違いはないです。

これをPythonista3で書くとこんな感じになります。

atanなどの関数を使うのでmathモジュールをあらかじめ読み込みました。

角度はラジアンではなく度で表示するようにしました。

実行するとこうなります。

x軸に平行な直線と傾き1の直線のなす角なので結果は45度となるはずです。

結果を見ると正しく計算されていることがわかります。

これをfx-5800Pでやるとこんな感じです。

同じ結果が得られています。

打ち込む手間はかかりますが、公式の活用はPythonista3で同等なことが可能です。

そうなると、高級な関数電卓は必要ないのかもという疑問が湧いてきます。

ただ、物理キーの打ち込みやすさや、電池がなかなか切れないからいつでも安心して使えるとか、iPhoneが使えないような環境でも使えるというメリットはあると思います。また、その場でいろんな計算をする時にはiPhoneの操作性の悪さは実用的ではありません。

関数電卓を使っていると、紙かデジタルかという議論を思い出します。紙が関数電卓だとすると、デジタルはKindleとかスマホ、パソコンです。どっちがいいとか悪いというのではなく、それぞれに良さがあります。時と場合、人によるとしかいえないのと同じで、関数電卓がいいかスマホがいいかという議論は成り立たないと思います。

わたしは関数電卓を使っていると例えていうなら日本刀を使っているような気持ちになります。乾電池モデルでも一日1時間の使用を想定して1年以上使えますし、太陽電池が付いているモデルはそれ以上使えます。太陽電池だけで動くモデルもあります。少ない電力しか得られないので、最小限の液晶パネルしか実装できません。CPUも最低限の電圧で長時間駆動する必要があります。キー配列などはUIはこれまでの技術者の知恵が結集していると思います。究極に無駄を省き、知恵が結晶化したものが関数電卓なんですね。1000円程度で買える標準入力式の関数電卓がおもしろいと感じるのは、限られた入力方法で現在の関数電卓と同等の結果が得られるからです。また、液晶も数字と限られた文字だけで構成されているのもいいんです。使いにくさがむしろ魅力に感じます。

もちろん、スマホやPCはそれをさらに大規模に積み重ねたきたものであり、素晴らしい道具だと思っています。

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