フリクションボールノックゾーン インスピレーショングリーン

フリクションボールノックゾーンが発売されました。

店頭で試筆したところ、これは買う価値ありと思って、インスピレーショングリーンを買ってきました。

 

フリクションボールノックゾーンはグリップの素材で価格が異なります。ラバーが550円、木が2200円、アクリルが3300円です。今回購入したのはアクリルグリップのものになります。

木とアクリルのモデルは箱に入って売られています。

フリクションボールノックゾーンには大きく3つの特徴があります。

①フリクションボールレフィルVer.2搭載(「プレミアムフリクションインキ」採用)

②チップホールドシステム

③ノイズカットノック

この中で私が一番注目していたのがチップホールドシステムです。

詳細を観察していきましょう。

まずグリップ。アクリルのグリップはマーブル調になっていて、個体差があります。私が選んだのはこんな感じのものです。

万年筆のようなしっとりとしたグリップ感があります。

グリップ部の太さは先端が約10 mmで後端が約11.2 mmでした。重量を考慮すると理想的な太さだと思います。

軸はマット調になっています。

気になるチップホールドシステムを見てみましょう。

実物を見るまでは芯ホルダーのようなチャックが先端にあるとばかり思っていたのですが、そうではありませんでした。どちらかというと、ブレンに近いです。ブレンはコーン状の筒でペン先を保持するような形になっていますが、フリクションボールノックゾーンの場合、3つに分割された爪のようなものでペン先をホールドするようになっています。このような構造にすることで締まりバメというか、素材の弾性を利用して保持部とペン先を密着させることが可能となります。素材の滑り具合と弾性を適切に設計されているように思います。口金部分にリフィルを手で抜き差しすると若干ペン先が締まっているのを感じられます。このような構造にするとブレがほとんど起きません。

私はボールペンの口金とリフィルがかちゃかちゃ当たるのがあまり好きじゃありません。ブレンはその問題に着目して改善したペンですが、フリクションボールノックゾーンは一段高いレベルでこの問題を解決したと思います。

日本の文房具はこんなに高性能なのに口金問題になんでもっと本気で取り組まないんだろうと思っていました。しかしながら、このフリクションボールノックゾーンは鮮やかに高レベルで問題解決の方法を示したと思います。

ただ一点、若干気になるのは、保持剛性が高いからか、ペン先が紙面に当たった時の衝撃が大きく、音も大きめです。例えていうなら、シャープペンシルで書いている時の音に近いかもしれません。

一方、ちょっと脱線しますが、最近購入したF-701は口金とペン先の間に隙間があるもののカチカチ音が全くしません。さらに、不思議なことに、ペン先がしなるからか、ペン先が紙面に当たるときの音がマイルドです。見た目は無骨ですが、筆記感はマイルドで上質です。F-701は旧油性タイプのボールペンとしては極上級といっていいです。

先端にチップホールドシステムがあるため口金先端が少し太めです。実際に書くまではちょっと書きにくいんじゃないかと心配していましたが、繰出量を多めにしているので、そんなに違和感はないです。

字消しのラバーはちょっと角があるような形になっています。

リフィルを金属にすることで材料を薄くできるため、結果的にインク量が70%増えています。

口金のネジ部の構造です。ネジの先端に樹脂のリングが嵌め込まれています。このような構造は初めて見ました。このリングの内径は金属円筒の内径よりも小さくなっています。そのためリフィルが金属部に直接当たるのを防ぐ効果が期待できます。

ノック部もノックすると固定されてガタガタしないように設計されています。

このペンはノックから筆記時の静粛性を極限まで高めることに注力していることが理解できます。

ペンの重量は22グラムで程よい重量感があります。

また、バランス係数([ペン先から重心までの距離 / 全長])は63.5/ 155 = 0.41でかなり低重心です。スペック上はペンの長さは150 mmですが、私はノックした時のペンの長さを全長と考えているので155 mmとしています。

各部の重量を以下に示します。

グリップから口金のユニットがペンのちょうど半分の重量になっています。

実際に書くと、すごく上質な書き心地です。

新インクの濃さはこんな感じです。

油性インクよりも濃く、新油性インクよりも薄い感じです。厳密にいうと、部分的な濃度は楽ノックには負けていますが、線の太さや均一性で濃い印象がするといったところでしょうか。また、一般的なゲルインクの黒はもっと黒いですが、違和感のある薄さではありません。100点満点ではないものの、この黒なら使ってもいいかといったレベルには来てると思います。点数をつけるとすると、65点くらいですね。

字消し性はこんな感じです。

2本線を筆記してから、下の線を消していますが、キレイに消えました。

下の写真は素早く描いた線とゆっくり描いた線を交互に並べたものです。

素早く描くと線割れします。

インクは裏抜けしにくいです。

明日か明後日、550円版のものも送られてくるはずなのでまた比較してみます。

 

 

 

 

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