まず、言葉の使い方として、ここではカッターナイフのことをカッター、クラフトナイフのことをナイフと呼ぶこととします。
刃を折るタイプのカッターは便利で一本くらいは必ず身近にあると思います。
しかしながら、ナイフは意外と持っていないという人が多いのではないでしょうか。
上の写真は、上から、NTカッターのA-300GR、オルファの万能M厚、オルファのクラフトナイフSです。上二本がカッター、クラフトナイフSがナイフという認識です。
カッターは読んで字の如く、基本的には折り紙やコピー用紙、段ボール、場合によってはベニヤ板などをカットするものです。切るものの厚みなどによって使う刃の厚みや本体を使い分けます。
カッターは削る道具ではないので、鉛筆を削ったりするのには適しません。削る道具として選ぶべきなのはナイフです。ナイフは主に削ることを前提とした道具になっています。切れ味はカッターほど良くないかもしれませんが、刃先を使えば切る道具として使えます。
ナイフは刃が折ることを前提として作られていません。クラフトナイフSの場合、刃の厚みが1 mmもあります。カッターの場合、オルファの小型刃で厚みは0.38 mm、M厚で0.45 mm、大型刃で0.5 mm、特大で0.7 mmです。もちろん、刃を折るタイプは折ることを前提としたスリットが入っていますので、曲げるような力に弱いです。
刃の形状も全然違います。カッターは切る部分が一直線で、ナイフは背が平らで刃が斜めにカットされています。折る方式のカッターは斜め部分に刃付けができないという設計上の制約もありますが、刃が本体の長手方向に揃っていることで直線的に使いやすいです。
このようにカッターとナイフは同じような刃が付いた金属製の道具ですが、設計の思想が全く違っていることがわかります。
切るのはカッター、削るのはナイフと覚えておけば間違いないと思います。クラフトナイフSの刃はステンレスでできていて、錆びにくいので長く使えます。そんなに高いものではないので、ひとつくらいは常備しておくと便利です。少し大きめでボディがステンレスでできたL型もあります。
S型は刃が両面使えますし、個人的には鉛筆を削ったりする程度の用途ならS型で十分だと思います。