大学生・エンジニアのための関数電卓活用ガイドを片手にfx-JP900CWの操作を確認しています。
計算をしていると、いわゆる「大きな数」や「小さな数」を使うことがあります。
例えばこんな数(アボガドロ定数)です。
これを関数電卓に入力する方法はいくつかありますが、基本的には[x10^x]みたいに書かれたキーを使って表現する方が好ましいです。シャープの関数電卓ではExpというキーがそれに相当します。
これとは別に[xロ]みたいに表記されたキーもあります。
どっちのキーを使っても下に表記するような数字を入力をすることはできます。
しかしながら、関数電卓活用ガイドでは[xロ]キーを使ってを入力することを推奨していません。
古くから関数電卓を使っているとは「6.02掛ける」というよりも、というひとつの大きな数字の塊という感覚があります。
関数電卓でもこれは掛け算じゃありませんよという雰囲気で10が少し小さく表記されるのが普通です。
[xロ]キーを使うとこんなふうに表記されます。
少しxと10が大きいのが分かります。
このように入力しても結果は同じで、[=]を押すと、以下のように出力されます。
だったら、どっちを使っても同じじゃないかと思いますが、異なる結果が得られる場合があります。
左の入力方法だと答えが2000で右の入力方法だと答えが0.00002となります。
左の式は、右の式はと解釈されるため、結果が異なるわけです。
と、ここまでが前置きです。
fx-JP900CWの取説を見ると以下のような説明があります。
fx-JP900CWにも、[x10ロ]キーがあります。
しかしながら、このキーはあくまでも「掛ける 10の何乗」と解釈されるわけです。
素直な感覚で言えば、「x」って書いてあるんだから、それはあくまでも掛け算であって、字の大きさがちょっと違うとはいえ、をひとつの数字の塊と見るのは不自然でしょうというのは分かります。実際、テストに出題されたらしたのようにするのが正解とされるような気がします。数学の表記に関しては結構ローカルルールがあったりするので、どれが正しいかというのは定義や慣習による場合がありますね。
fx-JP900CWの作法は義務教育や高校数学の感覚からすれば正しく、関数電卓独特のお作法を知る必要がないという意味では素直な挙動です。しかしながら、関数電卓を使い慣れた人ほど、この仕様は使いにくく感じると思います。かなり思い切った仕様変更だと思います。
ちなみに、シャープの関数電卓の場合、Eという文字を使ってを表現し、積の演算を意識しないような表記となっています。
シャープの関数電卓は液晶の解像度などはカシオに一歩譲るところが多いですが、どちらかというと玄人好みする仕様な気がします。キーの表記はごちゃごちゃしていますが、視認性は素晴らしく、2ステップでほとんどの機能が実行できるように工夫されています。また、[HOME]を押せば、どんな状態からでも通常の計算モードに入ります。キータッチも素晴らしく結構好きです。